11月26、27日午前10時よりに深谷ネギの正しき情報と魅力の発信を目的としたイベント「泥ネギ焼き祭り/深谷カルソッツ」を市内の産地直売店「とんとん市場深谷店」にて開催します。
主催は「とんとん市場」、実行委員として第一回「深谷カルソッツ」 を立ち上げた私、深谷のもやし屋が関ります。
「カルソッツ」とはスペインはカタルーニャ地方に古くからある、根深ネギを泥つきのまま直火にかけて焼き、皮を向いてそのまま、もしくはソース(ロメスコソース)をつけて食べる料理の名称であり、現地ではその料理を中心とした祭りもあります。
またここ日本でも、昔はネギ農家の子供たちはおやつ代わりに畑のネギを抜いてそのまま焚き火に当てて食べていたというスペインの「カルソッツ」と似た習慣がありました。
そうして焼いたネギは驚くほど甘みが出て、ネギの旨みを最大限に引き出す理想の調理法であります。
国内有数の野菜産地である深谷市でもっとも有名な作物は「深谷ネギ」として知られるネギです。そこで深谷市の産業振興を目指し商工振興課から生まれた産学官連携事業「ゆめ☆たまご
」はその泥ネギ焼き(カルソッツ)の習慣に着目し、深谷ネギの正しき情報発信を伴うPRに役立てようと「深谷カルソッツ
」を昨年度より立ち上げました。
多くの人が誤解していますが「深谷ネギ」という品種はなく、深谷ネギとは「埼玉県深谷市周辺で獲れる千住ネギ」であります。ネギの品種も多種にわたり、栽培地も北部の利根川流域周辺(沖積土壌)から南部の浅間山の火山灰が積もった地域「洪積土壌」と深谷ネギは多様性に富んでいます。
そこで「ゆめ☆たまご」では深谷ネギを
「品種別産地別に細分化し、それぞれの品種、産地による味の違いを明記した上で泥ネギ焼きという調理法で楽しんでいただき、参加者に楽しく深谷ネギの奥深さを理解していただくことを目的」
として「深谷カルソッツ」を実施いたしました。今年の2月に深谷市「緑の王国の梅まつり」の中で開催され好評を博し、そして今月の18日に深谷シネマ中庭において開催、NHKラジオでも紹介されました。
このたび「ゆめ☆たまご」から生まれた「深谷カルソッツ」は
初めて市内の産直店「とんとん市場深谷店」という商業施設
において開催されます。もちろんここでも深谷各地で獲れた5品種のネギを焼き、食べ比べるわけですが、その取り組みは
「生産者(農家)、販売者(産直店)、消費者が三位一体となり深谷ネギについての正しき共通理解をはかることができる、非常に意義のあること」
であると感じています。
焼かれたネギは皮を向いて、あつあつのままソースをつけて食べます。そのソースは「ゆめ☆たまご」に所属する飲食店がそれぞれ特別に作るもの。4~5種類のソースが用意されます。同時に各ネギを生、そして加熱したものの味比べする「利きねぎ
」イベントも開催します。
商業施設における“深谷ネギを楽しく理解してもらうイベント”
『泥ネギ焼き祭/深谷カルソッツ』
、ご興味ありましたらお越しいただけると幸いです。
『泥ネギ祭り/深谷カルソッツ』
日時:11月26(土)27(日) 午前10時から午後2時まで
会場:「とんとん市場深谷店」埼玉県深谷市上野台2540.
電話: 048-575-1106
参加費:お一人様200円(ネギは食べ放題・ネギポタージュ一杯付)
主催:「とんとん市場深谷店」
実行委員:飯塚雅俊、高橋正樹(深谷市産学官連携事業「ゆめ☆たまご」メンバー)
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もやし屋が何故ねぎにかかわるのか?…ですが、
もやし屋の経験から、きちんと深く伝えずにブランドイメージだけに頼った売り方をしているのは非常に危険な傾向ではないかと思うのです。私はその危機感から深谷ネギの伝え方を考えています。一度ブランドのメッキがはがれると、つまり
『深谷ネギは名前だけであまり美味しくない』
と一般的に認識されたら大変です。それはつまり今のもやしと同じ状況になるわけです。『深谷ネギ=安くていつでも大量に入るネギ』と誰もが思うようになったら、あとは価格だけの競争になりかねません。そうなったら良いものを作ろうとする生産者の努力がまったく報われないことになります。
逆にしっかりと伝えることで納得した消費者から大きな信頼を得て、価格だけに左右されない真のブランドを確立させることが可能ではないかと思うのです。
そして地元の産業を守ろうとすることは、深谷で生きるもやし屋を守ることにもつながると私は信じています。