7月8日(金)~10(日)の間、深谷市では旧中仙道の商店街通りを中心として


『深谷七夕まつり』


が開催されました。


その期間、深谷のもやし屋は深谷シネマで特別公開された40年前の特撮映画、


『ゴジラ対ヘドラ』


まぼろしの「もやし」求めて・・・


と共に(笑)、『深谷シネマ市民交流スペース』内に店舗を出してヘドラにちなんだもやしを使った食べ物や、オリジナルのドリンクを提供しました。


●『深谷もやしのヘドラ風』

・・・茹でて冷やしておいた深谷もやしに、深谷の漬物屋さん、マルツ食品特製の国産刻み生姜の漬物をかけて食べます。白いもやしを黒い生姜漬で汚すのでヘドラ風としました。


●『パンチャピエーナ特製・ヘドラピザ』

・・・深谷のイタリア料理店、“パンチャ・ピエーナ”栗原マスターが開発した、イカ墨ともやしを使った黒いピザ。形もヘドラの姿に似せ、赤い目玉にはミニトマトを使いました。最後にイカ墨マヨネーズソースをかけます。


●『パンチャピエーナ直伝・ヘドラジュース』

・・・同じくパンチャ栗原マスターが開発、コップに注いだサイダーにブルーハワイシロップで海の色にして、つづいて何種類ものカキ氷のシロップをゼリー状にしたものを少しずつ加えます。最後に固形ラムネを沈め、全色混ぜ合わせた真っ黒なシロップを注ぎ、海を汚して(笑)完成です。見た目は汚いのですが、飲んでみるとゼリーの感触が心地よい飲み物になりました。


 『ゴジラ対ヘドラ』の上映期間中は多くの方が七夕まつりから流れて、深谷シネマまで涼みに来ましたが残念ながら映画の観客数増には繋がらず、興行的には苦戦となりました。


 そんな状況下でも映画のパロディを込めたこれらの飲食物は、映画を観にこられた方にはおおむね好評でありました。特に坂野義光監督が来館された9日は、『ヘドラジュース』はほぼ完売、『ヘドラピザ』も40枚(用意したのは50枚)売れたので観客数からすれば上々だったのかもしれません。・・・・しかし・・・・釈然としないものが残りました。


 七夕まつりのために、人は来た。しかしその人たちは観客にはならなかった・・・という部分でです。


 私が今まで活動してきた“もやしを伝えること”、それはもやしを一時的に沢山売ることが目的ではなく、まずは生産者が信じるもやしのあれこれ・・・(生産過程、姿、味、適正価格など)を消費者に伝えて理解してもらうことが、消費者のためであり、それが結果的にもやしという優れた食品を作る産業の幅を広げることになるとの想いがあってのものです。私にとって「もやしを伝える」というのは、「もやしを良く知る生活者を増やす」、と同義です。その繋がりが構築できて初めて作り手も、買い手も、食べる人も納得の食の流れが成り立つわけです。作り手が前面に出るイベントとは本来そうあるべきだと信じています。


 今回私はあくまでも『ゴジラ対ヘドラ』という映画のために協力をしました。その意義はまずは映画を観てもらわないことにはどうにも理解してもらえません。それが思ったよりも観客数が伸びなかった、人を映画にひきつけることが叶わなかったことは、残念ながらイベントを正しく繋げることができなかった、まだまだ“課題”があったと思うのです。


 ただ深谷シネマで上映した『ゴジラ対ヘドラ』は大きな意義があると思っています。40年前坂野監督がこの映画で伝えたかったのは『人間の思い上がり(公害)から生まれたヘドラという象徴』でした。私たちは目先の便利さ損得に心を奪われ、それまでの正しかったものを捨て、多くのヘドラをあちこちに生み出してしまった感があります。ヘドラが行く先には自然のもの、美しいものは存在できません。ヘドラが仕切る世界では私たち人間はヘドラの気に入ることだけをしなければ生きていけなくなるわけです。ではそのヘドラ的な生き方が磐石のものかと思いきや、先日の震災により一部のヘドラは人間に牙を向け、私たちは多くの不安を抱えることになってしまっているわけです。深谷のもやし屋が行く先々で“ありのままのもやし”を伝えているのは「食の世界にのさばるヘドラ」否定のため活動をしている部分もあるのです

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