先月のことです。
このブログで知り合った三重県にお住まいのMさんからメッセージをいただきました。そこには現在Mさんは地元の高校の先生をしておられ、授業に私ども飯塚商店の
『埼玉県産在来大豆もやし 』
を教材として使ってみたい、譲っていただけるだろうか・・・とありました。
それは大変光栄なことです。いや深谷のもやし屋は、実際に食の提供を生業としているものとして、積極的に“学”の分野にかかわりたいと思っていた矢先でしたので、
「是非ともその授業を見学させてほしい」
と逆にこちらからMさんに申し出ました。実際の授業でもやしをどう伝えるかを私は学びたかったからです。そして高校もそのずうずうしいお願いを快く受けていただき、今度はMさんから
「せっかくだから生徒たちにお話をしていただきたい」
と嬉しい言葉をいただいたので、私は二つ返事で
「はい。わかりました」
と、なったのです。
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深谷のもやし屋が作る『埼玉県産在来大豆もやし』が遠く三重県の高校の授業で使われる、そしてその時に深谷のもやし屋が生徒たちにもやしの話をする・・・ある日私はこれまでの経緯を深谷市産学官連携プロジェクト『ゆめ☆たまご』の発起人、商工振興課の若手職員F君に話したところ、何か彼に響くものがあったのでしょう・・・
「それは見てみたいな・・・」
とつぶやき、翌日F君は早速上司に掛け合って認可をもらい、4名構成の視察団が結成、私に同行することになってしまいました。
ただ彼らの目的は授業の見学だけでなく、産学官連携が進んでいるこの三重県多気町の行政 から良いものを学び取りたい、それを深谷で活かしたい、というものでした。すでに町役場とも話を進めており、いろいろお話を伺えるとのことです。
なんとなくですが、この視察の後、深谷市で大きなうねりがおきそうな気がします・・・。
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このような経緯を経て、
6月21日、三重県多気町にある
の生産経済科の授業で、『埼玉県産在来大豆もやし』が使われ、さらに授業時間の一部を割いて深谷のもやし屋が
『もやしを、そして“もやし屋”のこと』
を生徒たちに伝えます。しかし私がここで話すのはもやしの栄養価などではありません。
深谷のもやし屋が志の高い相可高校の生徒たちに伝えるのは、
もやし屋だからこそ知るもやしの生命力であり、
もやし屋=食の提供者であることの矜持、
食で理想を貫くことの難しさ、
自分の信じるがままに働くことの楽しさと希望
・・・・といった学校の授業では教えきれない現場のほんとうの声を“これから”の人たちに真剣に語りかけよう思うのです。