昨日、熊谷の老舗デパート
「八木橋百貨店」 様の
の青果売り場で、埼玉県産在来大豆もやし(借金なし)の試食販売に立ってきました。
4月5日に初めて世に出て以来、幾たびか新聞等で紹介されてますが、まだまだ知名度も低いなか、150g袋、売価99円のその商品は、試食をされたほとんどのお客様が購入してくださいました。数にして146袋。よく売れたと思います。
この日私は午前10時から午後6時まで昼食の30分を除いて、ほとんど売り場に立っていました。長時間ひとところにいると、いろいろ見え、そして考えさせられるものがありました。
まず百貨店で青果物を売るということ。当然売価はスーパー、産直よりも高めです。何事もそうだと思いますが同じものを同地区で一方をさらに高い売価を設定し、その価格で客に購入させるには
「それ相応の物語」
が必要です。高く売る物語の一つが「高級感」であるといえましょうが、御遣物になる果物ならともかく、野菜に高級感というスパイスを塗して付加価値を上げるのが非常に難しい時代ではないでしょうか。たとえばブロッコリーが一房250円で売っているとして、いかに飾りを贅沢に仕立てても、その味が同地区の産直で売っている130円のものより倍美味しいということはないでしょう。
それとその割高な物語を正当に伝える店員の高いスキルも求められます。デパートで野菜を売る人たちは、野菜を倍の値段で売るそれだけの知識・能力・接客術をお持ちでしょうか。たとえば私が店員だとして、自分で選んだのではなく注文で市場から届けてもらった野菜を、売り場の営業トークだけで他所より高く売ることなどとても出来ないでしょう。
一日お客様の動きを見て、野菜を「高く売ること」の難しさ、そういったお店のあり方の難しさをまざまざと実感しました。
百貨店の青果売り場、保守的な体質と見受けられるので、改善そのものが難しいかもしれませんが、私からの提案をさせていただけるとするなら、野菜に付加価値をつける時は、ゲストとしてその野菜の生産者に売り場に来ていただき、お客様と直接話をさせるのが良いのではないでしょうか。
今、お客様(消費者)が本当に納得する情報は上辺だけでない、野菜に対する血の通ったリアルな言葉であり、生産者の人となりです。
売り場では、スタッフたちは仕事に追われて大変です。そして多くの真面目な作り手は自分の作ったものが、どう並んでいるか、どう思われているかが気になっています。作り手がどんどん売り場に出て行き、お客様と話をすれば売上げもグンと伸びますし、スタッフの負担も減るし、お店の好感度も高まると思いますがいかがでしょうか。