昨日、もやし業界関係の方からメールを頂きました。
その文面の一部に“もやしの生食についての注意点”がありました。
私はもやしの本当の味を知ってもらうために、しばしばもやしのムロ(栽培室)に人を通して、もやしを生で食べてもらいます。多くの人はその鮮烈な味に驚きます。私はその鮮烈な味が、味が無いといわれているもやしの地位向上になるだろうと思っていましたが、その反面起こりうるリスクを教えていただいたのです。それは、
「マスコミ取材時にできたてのもやしを生で食べてもらうことは良いのだけれど、それをきちんとした説明をつけずに報道されることは避けた方がいい」
「できたて(生)が美味しいということを見聞きして、買ってきたもやしを生で食べたら具合が悪くなった、なんてことになったら、真実がどうであっても、業界全体が打撃を受ける可能性が高い」
とのことでした。なるほど、それはおっしゃるとおりだと思いました。
まずもやしの生食ですが、私も人に食べさせる時は、基本的に
「私が立ち会っている時」
だけです。つまり私がもやしの鮮度を保証している時だけです。
さらにムロで食べさせるときも、
「ここでなら大丈夫」
と一言いれてます。もちろんもやしは(このブログでも話していますが)非常に日持ちの悪い(鮮度の劣化の早い)野菜であることも強調しています。鮮度とは単純に収穫からの時間、移動距離の問題です。つまり収穫から早く、近くないと生で食べられないのです。それがもやしというものです。
私もお店で売れ残った飯塚商店のもやしの生を食べようなどとは思いません。袋に包まれているとはいえ、どれだけの人の手がもやしに触れているか分からないからです。生きていて、敏感なもやしであるがゆえに、乱暴に扱われればすぐ自らエチレンを放出して、劣化の道を選んでしまいます。
なのでお店で購入されたもやしを生で食べることのないよう、私からもみなさまにお願いします。もやし1本くらい、味見程度なら大丈夫かもしれませんが、ローフード思想に則って、生で主食になさらぬようお願い申し上げます。
ただ私が何度か野菜好きの方に送った飯塚商店の「手洗いもやし 」、みなさまどうしても本当の味が知りたくて生で食べてしまいます。お気持ちよく分かります。栽培室から冷蔵便で直送しますので、「そうとう近いもやし」であると思いますが、出来ることなら品温を下げたまま、素手で触れぬようにした状態で、生で食べるのは届いたその日のうちに、それもできましたらお味見程度でお願いします。今までそのことをきちんと伝えず申し訳ありませんでした。
そしてもし生の美味しいもやしが食べたいようでしたら、私のところへお越しください。それが一番安心で美味しい生の食べかただと思います。私自身によるもやしの説明もつきますが(笑)。