毎年12月になると納め先である地元の卸売市場(卸売業者によって、生産者と小売業者の仲立ちをする市場)からこのようなカレンダーが配られます。
平成22年の休開市日・・・・つまり今年の卸売市場(以下市場)の開場日、休業日を記したカレンダーです。この日程は全国の市場、ほぼ共通のようです。以前は市場の休業日は日曜日および祝祭日、盆と正月の数日間くらいでしたが、10年前くらいからでしょうか、平日の水曜日もしばしば休業日に充てられるようになりました。
さて、市場は休みでも
「食の流れは止まりません」。なので市場休みの日には、もやし屋にもこのような突然の注文がしばしば入ります。
八百屋さん:
「○○の○○番ですけど。誠に申し訳ありませんが、今もやし○○kgありますか?ある?じゃすぐに伺います」
地元のラーメン屋さん:
「3kg2個。これから取りに行きますから出しておいて下さい」
地元の野菜加工会社:
「すみません。○○kg、午前中で結構ですので、持ってきていただけますか?」
産地直売スーパー:
「もやしが午前中に売れ切れちゃったんですよ。今お客様がお待ちですのですぐに持ってきてもらえませんか?」
市場仲卸人:
「申し訳ない。○○市の○○屋さんが、すぐに○○kg必要なんですよ。届けてもらえますか?明日の伝票には○○番ってつけておいてください。」
・・・・・中には普段は取引していない(他のもやし屋さんから買っている)業者さんからも連絡が来ます。今は大手のもやし会社が、遠くの場所から、決まった日に、予め注文を受けた決められた数量だけ納品することが主流となってしまいました。そういった他県のもやし会社には、休業日の突発的な注文には対応できません。しかし、どうしてももやしが必要な人はいるのです。
それに対応できるのは地元のもやし屋だけなのです。
もちろん私どもの在庫がない時もありますが、それでも必要とされるお客様に、急きょ水槽の水を汲んで翌日のもやしを少しだけ洗って用意したこともあります。野菜が足らないと八百屋に言われた農家がすぐさま畑へ行って野菜を収穫して届けるようなものです。そういった対応する農家が実際にいるかどうかはわかりません。しかし、もやし屋である私たちは普通にそうしてきたのです。