昨日、12日の午前のことです。会社に取引先とは違う方からの電話がありました。


 その方とは地元熊谷市で地域の為に活躍している埼玉県議会議員の森田としかず 様。森田様は10月に開かれた「もやしの絵本の原画展 」に家族でお越しになられました。そしてその森田様から突然の電話、どんな用件でしょう。


「あ、もしもし。森田です。先日はお世話になりました。実は今近くにいまして、娘と一緒にもやし工場の見学をしたいのですが、お邪魔してよろしいでしょうか?2~30分後になりますが・・」


 おっと突然の見学の希望でした(笑)。たまたま私もいましたので断る理由はありません。


「わかりました。どうぞいらしてください。お待ちしてます」


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 約30分後、降りしきる冷たい雨の中、森田様が可愛らしい娘さん(年中さん)を連れて、やってきました。早速私はお二人を工場へ案内し、もやしの作り方の説明を始めます。いつものように原料である2種類の豆(ブラックマッペ、緑豆)を見せ、

(ブラックマッペ)
まぼろしの「もやし」求めて・・・

(緑豆)

まぼろしの「もやし」求めて・・・


続いて仕込み部屋では、ちょうど発芽が始まっている状態


まぼろしの「もやし」求めて・・・


を見せました。娘さんはビール箱の上に登って、ときおり浮かび上がる泡を興味深そうに覗き込みます。


 私は水の中に手を入れて発芽した豆をすくい、娘さんに見せて、


「ほら。水を吸って豆がさっきのよりふっくらと大きいのが分かるかい?」


娘さんが、こくん、と頷きます。


「そしてこの部分の皮がむけて小さい芽が(本当は根ですが)見えるでしょ。これからぐんぐん伸びていくんだよ。」


と話します。お子様はぽかんとした顔つきながらも、その目はじっ・・・と豆を見ています。お父様である森田様には、「もやしの発芽熱」の重要性といった、もう少し専門的な説明をします。


「この発芽した豆を触っていただけますか?温かいと思います。水を含んで命が芽生えた豆はこれからどんどんもやしとして成長して行きます。この温かさは、その豆が発芽する時に発する熱、“発芽熱”なんです。この発芽熱ですが、このままほっておくと豆の温度が50度以上にあがってしまい、その熱で豆が死んでしまいます。私たちはそうならないように水を与えて豆の品温を下げます。しかしです。ここが肝心なのですが、だからといって私たちが先回りをして、発芽熱を発する前に水を与えて、その熱を冷ましてしまったら・・・・そうなるともやしになる成長力が著しく落ちるのです。」


・・・・・私はもやし屋の視点から、「発芽熱を活かしたもやしの育て方」はそのまま


「子育てにもあてはめられる」


と悟りました。これは私が実際に子供を持って、子供の成長を見続けて初めて、ああなるほど、


「もやしと同じなんだな」


と実感したことなのです。・・・・・続いてお二人を栽培室(ムロ)へ案内します。



まぼろしの「もやし」求めて・・・
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実は後半も一気に書いてしまったのですが、ヘンなボタンを押して
全部消えてしまいました(泣)。いやですね、こういうの。