まずこちらの写真をご覧下さい。


まぼろしの「もやし」求めて・・・



これは来月の開催する「もやしの絵本原画展」において特別展示用に透明な容器で栽培してみた2種類のもやしです。発芽から7日半過ぎてますので通常より長くなってます。


 こちらがブラックマッペです。


まぼろしの「もやし」求めて・・・


やはり身が細く根が底の方でずいぶんと絡まっています。


 こちらは緑豆。


まぼろしの「もやし」求めて・・・


ブラックマッペよりもやや身が太く、白っぽく見えるのがお分かりでしょうか。ただ根のほうはしっかりと伸びてます。


 よくもやしを見学に来られた方から、栽培枠の中で育っているもやしを見て


「この中はどんな風にもやしが伸びているんだ?」


とご質問を受けます。その答えとして今回展示するのがこの透明の栽培枠です。このようにもやしはぎっしりと密集して、でももやしの状態がよければどのもやしも、ほとんど同じ長さで、腐ることもなく育つのです。豆の力だけで育つ自立性ある野菜、ならではの姿でしょう。


 さて今回、このもやしを使ってもう一つの観察をしました。このもやしが展示される原画展会場はもちろん暗室ではありません。外に出すことはありませんが、室内の明るさの中、どのくらいの速さでもやしが変化するかを見たかったのです。私は午前11時に、この二つの容器を台所に置きました。


 そして5時間後です。


まぼろしの「もやし」求めて・・・

と、見事なまでに葉が青くなりました。光合成が促進されもやしとしての役目は終わり、そのまま木になりかけているようです。


まぼろしの「もやし」求めて・・・


いつくかつまんで食べてみました。もちろんまだ食べられますが、食感が非常に硬くなり、「もやしの独特なほのかな風味」が薄れて、植物のアクの強さが前面に押し出された感があります。


 やはり


「もやしは生きている。非常に生命力みなぎる野菜」


と再認識です。 ただふと思いました。これほどの変化が現れては、肝心の原画展では


「もやしとして長時間展示できない」


のではないかと。でも、ものは考えようです。この容器からつまんで生のままの試食は難しいかもしれませんが、


「生命力を見せるためにも、すぐ青くなってしまうもやし」


の展示は生きている証を示すだけでも意義があると思うのです。