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拝啓四十の君へ

3歳男児の親としても、フリーアナウンサーとしても「こんなん聞いてないし!」と、絶望しては望みを繋ぐ日々です。それでも40歳くらいには戦闘記として懐かしめたら!
子育ては十人十色すぎるので、どこかでどなたかに届く事があればとても嬉しいです。

 新年度を前に、息子が美容院デビューを果たしました。人見知り・慎重・繊細派なので、初めて行く場所で知らない人に髪を切られるのは狂気の沙汰。行ったところで何もできずに帰宅するのが目に見えていたため、これまでは自宅のお風呂場で仕上げる急場しのぎの髪型でした。

 しかし、3歳を過ぎてから毛量が増えたうえ、長短入り交じってはいるのもののアシンメトリーとは似ても似つかないホームメイドスタイルは見るからに貧相となり、プロの力を借りることを決意したのです。

 そんなタイミングで、なんと保育園のお友達のお母さんが美容師さんであることが発覚。「◯◯ちゃんのママに切ってもらおうね」作戦は効果覿面でした。サロンのきらびやかさにも気圧され、借りてきた猫でももう少しリラックスするだろうと思うくらいに怯えていましたが、泣きません。思わず、お友達のママに手を合わせました。息子にとってハサミは凶器の沙汰と分かるや否や、カミソリのようなものであれよあれよという間に整え、"段"まで入れてくれました。我が子ながら、爽やかチャイルドです。

 ところが、とても満足している私に対し、当人は前髪がこれまでの位置に無いことが落ち着かないらしく、「いつものボクに戻して!」と鏡を見ては涙しています。覆水と並んで返って来ないのが断髪。得意の急場しのぎで、家中の鏡を隠そうと思います。

 髪の毛のほかにも、いくつかのさようならを経験した3月。今は心許ないけれど、きっと大丈夫。新年度の君は視界良好です。