その28 

武装解除

 

間もなく、武装解除、投稿の時が来た。洗濯、水浴、ひげまで剃って、こざっぱりなった。兵器については連隊長の命令により、特に入念に手入れし、錆等も、苦労して落とした。日本兵の魂だから、米軍に笑われては恥だ、というのだ。敗けても大和魂は生きていたか。全将兵は肩章をはずし、一人の人間になった。

 

米軍はどんなふうに迎えるのかな、兵器はどうして受け取ってくれるのかなと思った。一生懸命磨いたんだし、日本軍の魂だから、丁重に、そして大事に受け取ってくれるだろうと思った。

 

いよいよ、その場所に来たか。がちゃっ、がちゃっ、と大きな音がす。先行の戦友が、放り出しているのだ。ありゃ、こんなことか、あんなに入念に磨いたのに、そして検査までされたのに、これぢゃくず鉄置き場ぢゃないか。まあ、阿保らしい。私も馬鹿みたと思い、「ポイ」と日本刀を投げ捨てた。そして舗装道に出で、フィリピン軍の指揮下に入った。


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