松山英樹新春インタビューより抜粋
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-ゴルフを始めた頃やジュニアで試合に出ていた時どんな練習をしていたんですか?
松山:子供の頃は父親から教わっていたんですが、とにかく「形」を気にするよう言われていました。アドレスはこの形、テイクバックでここに上げて、トップはこのくらい捻転して、とか結構細かく作りこみました。
-子供の頃覚えた形が今でもスイングの根幹になっているということ?
松:原型はそこにありますね。でも中2の時に親元を離れ高知県の明徳義塾に転校しました。そこからは自分で考えるようになって、形にプラスして感覚が出せるようになってきた。試合でゴルフがしやすいよう感覚を出しながら形を意識できるようになってきたんですね。自分の中ではそれで上手くいったのかなというところはありますね。
-親元を離れてからは自分でスイングを作り上げてきた?
松:そうですね。父親も試合は見に来てくれて、こうすれば良くなるとか言われるんですけど、自分にはその時々やりたい課題があるから常に父親とは喧嘩に(笑)。ほとんど聞かないようにしていました。でも頭の中には父親の言葉は常に入っていましたけど。
-グリップの形も子供の頃から変わってないですか?昔はもっとフックだった?
松:どんなグリップか覚えてないんです。今の握り方にしたのは高2の時。インターロッキングにしたんですがそこから変えていません。
-タイガーの影響?
松:確かにそれもありましたけど、変えた理由の一番はオーバーラッピングで曲がっていたから。インターロッキングの方が曲がらないかなという単純な理由で変えました。
-当時はドライバー飛んでいるほうでしたか?
松:どうですかね。高2の時は確か20~30ヤードぐらい前に(石川)遼がいました。遼とは中1で初めて回ったんですけど、その時は50ヤードぐらい前にいたのを記憶しています。
-ジュニアの頃はドローボールだったと聞きますが?
松:松山は軽いフェードってよく言われますけど、いい時は本来ドローなんですよね。高校3年で日本ジュニアに勝った時もドローでした。ドローというかフックだったかな(笑)
-ずっと自分でやってきた中でスイングコーチをつけたいと思ったことはないですか?コーチをつける選手は多いですが。
松:誰かと契約してがっつり教わるというのはないですね。結局やるのは自分じゃないですか。色々と言われると「今そうじゃないんだけどなぁ」と思ってしまって多分腹が立ってしまうと思うんです。でも自分の打ち方にプラスになるなら色々聞きたいというのはありますけどね。
-独自だとスイングに悩んでしまうことはないですか?
松:確かにたまに旅に出ちゃいますよ。でも他の人から比べたら自分は戻ってくるのは早いかもしれないです。一度つかんでしまえば結構早く戻れる。悪い時は大典さんに動画を撮ってもらってチェックします。スイングの調子が悪い時にとることが多くて。ですから自分の iPhone には良いスイングの動画が一つも入ってないんです(笑)。いい時に撮ってしまうと、ここを直したらもっと良くなるって思っちゃうので撮らないようにしています。
-昨シーズンはトラックマンを導入しましたがどの数値を気にして見ていますか?
松:ヘッドスピードとボール初速しか見てないですね。
-昨シーズン平均で9ヤード近く飛距離が伸びました。ヘッド速度も上がっていますね。
松:そうですね。ヘッド速度は52m/s になって2m/s ぐらい上がりました。それで飛距離は伸びましたが、あまりフェアウェイに行かなかった。自分はスイング自体ではヘッド速度を上げづらい打ち方をしているので、昨シーズンは楽しくてスピードを上げてしまいました。それによって自分の良さがなくなってしまったかなと思い、今はそれを見直そうとスイング改造しています。今シーズンはちょっと飛距離が落ちる可能性はありますけど、違う部分でヘッド速度を上げられたらと思っています。目指すところは55m/sですが、まだまだ道のりは長いですよね。
-打ち出し角やスピン量を調整して飛距離アップを図ったりはしないんですか?
松:自分はどうしても目線から外れるボールが嫌なんですよね。ここに飛んでほしいっていう理想があって、そこを外すことがないスイングでありクラブにしたいんですよ。確かに打ち出し角やスピン量いじれば、もっと飛ぶかなとは思いますけど。
-クラブの好みは?
松:結構シンプルですよ。イメージしてる弾道を想像できる顔がどうかが大事。自分が構えた時の感じがそのイメージと少しでもずれていたら、なかなか使えないですよね。つかまり顔が好きなんですが、でも周りに似ている人があまりいないんですよね。唯一フィナウが使っていた昔のナイキのドライバーはいいなと思いました。こんな捕まりがを使っている選手いるんだって、つい嬉しくなっちゃいました(笑)