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2015年、松山はプロ入りしてから初めて勝ち星のないシーズンを送った。たがそれを後退したと見なすのは早計だ。といって前進したとも言いきれない。年初に16位だった世界ランキングは年末に15位へ。日米を含む年間27試合で自己最高10回のトップ10入りを果たし、世界ランキングは最高14位、最低でも18位にとどまった。最大の見せ場は何といってもマスターズでの5位入賞であり、最終日に自己ベスト66を叩き出したことだろう。
「昨年は優勝することが出来ずちょっと苦しみました」と松山は語った。「オーガスタで5位に入ったことは凄く嬉しいですが、自分には米ツアーで勝つ為にまだ必要なものがあるという事も分かりました」
必要なもの全てを揃えて手にしたのが、ファウラーとの劇的なプレイオフを経ての勝利だ。正規ラウンド18番から続く一騎打ちでことごとく要求されるクラッチパット。倒すべき相手はいま世界で一番ノッているといっていいプレイヤーだった。
「あれが昨年と今年の違いです。昨年はああいうパットが決められませんでしたが、フェニックスでは出来ました。大きな試合でもまたあんなふうに出来たらいいと強く思います」
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松山はマスターズに初出場したアマチュア時代から、大舞台での活躍が運命付けられている様な選手だ。2010年、2011年とアジアアマ選手権を連覇してマスターズ出場権を勝ちとり、ついには世界アマチュアランキング1位へと上りつめる。2度出場したマスターズでは2回とも予選通過を果たし、初出場時にはローアマに輝いた。プロになった2013年には、いづれも初出場の全米オープンと全英オープンで10位タイ、6位タイに入賞。これまでに戦ったメジャー13試合で予選落ちはわずか1回、初日に80を叩いた2014年のマスターズだけだ。
松山は2014年のメモリアルを征した実力の持ち主だが、今回のフェニックス優勝により、メジャーで戦う上での自信を得ることが出来たという。
「これまでも上手くやってはこれましたが、フェニックスで勝てたお陰で自分は世界のトップレベルでも戦えると思えました。勝てるかどうかは分かりません。勝つ為には運とか色々なものが必要なので。でも少なくとも挑戦するチャンスはある。フェニックスで経験した事は、マスターズで戦う時のメンタル面ですごく役に立つと思います」
アジア人初のマスターズチャンピオンになりたいと松山はいう。今年は6年前のデビュー以来、5回目の出場。
「オーガスタで誰が強いのかは分かりません。難しいコースですからね。自分はこれまでずっと、いつかマスターズで勝ちたいと思って準備してきました。近い将来に勝てるといいですね」
昨年はその目標に向けて一歩前進した。マスターズ全ラウンドでアンダーパーをマークし、最終日にはマキロイと並んでその日のベストスコア66を叩き出したのだ。「嬉しいです。内容には満足しています」というコメントでその年のマスターズを締めくくった。
そして今年、松山はツアー2勝目を挙げて自信も新たにマスターズに帰ってくる。自身初となる世界のトップ10も狙える位置からの挑戦だ。
「オフの間に沢山練習して、フェニックスで勝って、それが大きな自信と勢いにつながったことがメンタル的にすごく大きいです」と松山はいう。「だから今年のマスターズは、グリーンジャケットに向けいいゴルフができるといいですね」
Hideki Matsuyama's recent win fuels confidence | Augusta Chronicle
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