ようやく、スタジオのリフォームが終了しました。
仕切りの壁をぶち抜いて1部屋にしたら、広々として部屋の雰囲気が明るくなりました。
部屋の30%ちかいスペースを占めているのが、1950~60年代に作られた3台のヴィンテージスピーカー。
毎日7:00から22:00までぶっ通しで仕事しているので、家よりも居心地の空間にしようと思っていました。
そして今、生き甲斐(オーディオ)とやり甲斐(仕事)を同時が満たされています。
オーディオの世界に18歳で足を踏み入れ、紆余曲折ありましたが今年で30年目。私の人生はオーディオ抜きでは語れません。
好きになったらどこまでも深掘りするスーパーオタクなのですが、車や時計にはここまでハマることはありませんでした。
20歳のときに「将来、好きなスピーカーに囲まれて暮らしたい」と願っていたことが、ようやく叶いました。
この先、アンプもスピーカーと同年代のものに入れ替える予定です。おそらく日本中探しても、ウチと同じレベルのシステムを組んでいる変態なスタジオや治療院は無いと思います。
音楽を聴いたクライアントさんたちからは、「この音は他のどこでも聴くことはできないね」「コンサート会場にいるみたいで贅沢」「耳ではなく身体で聴いている感じ」などなど、大好評です。
先日もオペラ歌手の方が、パブロ・カザルスのバッハの無伴奏チェロ組曲を聴いて、「カザルスの演奏を初めて聴いた気がします」と目に涙を浮かべていました。
1950〜60年代では、技術的に低音を出すのが難しかったため、キャビネットを大きくして低音を増強していました。現在ではコンパクトなユニットでも締まった低音を出すことができますが、大きなキャビネットから湧き出るような低音は、ゆとりがあって心地よく身体に染み入ってきます。スピーカーのキャビネットもバイオリンやギターと同じで、長い年月を経て乾燥しきった木=キャビネットは響きが半端ではありません。
自分の役割は患者さんの手術を回避させるとか、術後の痺れを消失させるなど、普通ではあり得ない変化を起こすことです。
そういう患者さんたちが次々とやってくるので、それなりのプレッシャーはありますが、ヴィンテージオーディオのお陰で随分と気持ちが救われています。
兎にも角にも、リフォームして本当に良かったと思う今日この頃です。