介護業界に小さな変革を | 伊藤和磨オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 23年3月から8カ月間かけて、ある企業の介護施設で、従業員のストレスを軽減するための、ヘルスケアプログラムのプロトを作り上げていく。
 
 この企業は、3.8万人の従業員を有する業界最大手で、もし本プログラムが成功すれば、休職・離職率が高止まりしている介護業界へのインパクトは多少なりともあるはず。

 これまで慢性腰痛に悩む介護士や保育士を大勢診てきた。多くの介護士は、心身共に疲弊しきっているうえに、薄給で未来に希望を持てずにいる。 
 さらに介護士の高齢化が進んでおり、老々介護になってきている。


「お金をもらっているんだから、しんどくても仕方がない」という人もいる。しかし、自分の親だって面倒みられないものを、怒鳴られたり殴られたりしながらも、息を引き取るまでお世話してくれる介護士たちの存在は、社会に不可欠であり尊いものだ。

 介護士の人材不足という記事を目にする度に、効率的なフォームやセルフケアなど、介護士の負担を減らす方策を業界全体に広めたいという気持ちが強くなっていた。人材の流失に歯止めを掛ける一助になれたら、この上なく嬉しい。

 効率的なフォームの学習については、介護士はもとより利用者や入居者にも伝播していくことが望ましい。そうなれば双方の負担が減り、プラスのスパイラルが生まれるからだ。

 今回の案件は、1年近く会社と対話を重ねて契約締結に至った。
 ようやく本番だが、なにせ介護士が少ない為、全員が集まる機会は皆無であり、毎回少人数しか指導できない。
 しかも、みんな疲れ切っていて、新しい事を覚える気力も余裕も残されていない。

 そういう状況下で変革を起こすには、プログラムの良し悪しよりも、教育テレビの体操のお兄さんのような快活さと情熱で登場し、1人1人に予防的スキルと知識をもつ意味と重要性を理解してもらうしかない。
 
 本プログラムを全国の施設に広めたいが、壁は高くて厚い。成し遂げられたら最高だが、とにかくやり遂げたいと思う。

 11月にどうなっているのか分からないが、バカみたいに一生懸命にやるしかない。