帳尻合わせ | 伊藤和磨オフィシャルブログ Powered by Ameba

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「とにかく四年の思いも一瞬で過ぎ去りました」

 昨日の朝、永嗣から届いたメッセージの最後に、そう記されていた。この言葉だけで、胸中を察することができる。

コロンビア戦の前にも、「日本や現地で応援してくれている人たちの為に、次の試合も死ぬ気で守ります」と、覚悟を新たにしたメッセージが届いていた。

 しかし、そういう日本選手たちの気持ちを一蹴するだけの実力差(現時点の勢い)があった。
それにしても、コロンビアの攻撃陣のセンス(特にシュートセンス)には、賞賛の言葉を贈るしかない。

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 戦術が大事であることは言うまでもないが、サッカーというスポーツは、意外とシンプルで、フィニッシュが全てを決める。
試合内容が悪くても、ボール支配率で圧倒されていても、1試合に何度か訪れるチャンスをものに出来れば、勝ってしまうスポーツ。
その逆も然りで、シュートが決まらなければ、プロセスは水の泡となる。
それを示したのが、今大会の日本代表だろう。

シュートが決まって、トータルで帳尻が合えば、それで全ては解決する。
アルゼンチンのメッシをみればわかるだろう。ディフェンスに穴があろうと、連係に難があろうと、結局、彼一人でゲームを決めてしまう。

翌朝の新聞の一面には、ゴールを決めた選手の顔と名前が躍る。
修正点や悪かった点などは、端の方に数行載るだけだ。

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今大会、イングランド、イタリア、ポルトガルなど、強豪国が次々と予選で敗退した。
敗因を挙げればキリがないのだが、彼らも本番で「帳尻」を合わせられなかった。
沢山シュートを打っても、GKの正面をついてしまう。

コロンビア戦の決定力(帳尻を合わせる力)を見せつけられて、日本に足りないもの、足さなければならないものが分かる。

日本が放ったシュートは、どれも必死過ぎて、シュートコースが「正直」だった。
GKからするとコースも読みやすいし、力むからインパクトがズレて、ボールの芯を捉えられていなかった。
気持ちにゆとりがないのが、フィニッシュにも表れていて、「そんなに強く打つ必要ないのに…」、そう感じるシーンが何度もあった。
インサイドキックで、コーナーに転がすシュートは、何本あっただろうか?意表を突くシュートは、ほとんどなかった。
 コロンビアの4点目を見れば分かるが、タイミングをズラせば、チップキックでも入る。
極限の状況でこそ、あのような、おちょくったプレイが効くのである。

今に始まった事ではないが、日本のストライカーには、バスケットボールでいうところの、スリーポイントシュート(つまりロングシュート)が打てない。
これは、フィジカル的な差もある。
他の国には、ジェラードやファンペルシーのように、30m以上の距離から、ネットに突き刺すようなシュートを打てるストライカーがいる。

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相手を完全に崩せていなくても、これ一発で勝負を決められる。
パンチ力のない日本は、ゴール前まで近寄らないと、シュートが決まらない。
相手のDFは引いて守り、スルーパスがでるスペースを消しておけば、ペナの外から打たせても驚異ではないはず。
密集したペナルティエリア内を崩すのは、容易ではない。

フィニッシュ力の差を埋める為に、どんなトレーニングが必要なのか、日本人の身体に合った方法で策を講じなければ、いつまで経って同じ事を繰り返す可能性が残る。

全部が間違っていたかの様な言い方をする選手もいるが、そこまで、後ろ向き、悲観的になることはないさ。

届きそうで届かない、越えられそうで越えられないのが、世界の壁。
サッカー界の第三国も覚醒し始めた。もう、過去の実績やネームバリューだけで勝ち上がれる時代は終わったのだ。

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「自分たちのサッカーをすれば勝てる」なんて、甘っちょろいこと言ってる場合ではない。
それはお互い様で、相手だってそう思ってる。

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W杯は、歴史を塗り替えるためのイベント。
歴史が思い通りに塗り替えられるはずがない。
だからこそ、W杯が面白くて、辛くて、やるせなくて、それが人々を病みつきにさせるのだろう。

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