ロシア人のイメージ | 伊藤和磨オフィシャルブログ Powered by Ameba

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  今回のロシアの旅は飛行機に乗り遅れることもなく、ハプニングのないスムーズな旅だった。
ただ、ロシア国内では英語が通じないことが多く、町歩きをしていても看板がキリル文字だけなので、時折、不便なことがある。

    

 ガイドのゴーリックさんとBARで呑みながら、旧ソビエト連邦時代の厳しかった時代について色々と聞かせてもらった。
当時、ガイドたちはKGBにレポートを提出するのが決まりで、観光客がどのような事に関心があるのかや、ガイドが何をしゃべったかなど、全て記録して報告する決まりがあった。  
KGBが恐ろしく、誰がスパイなのか市民はいつも不安だったという。少しでも社会主義に批判的だと噂が立つと、KGBの連中が深夜にやってきてシベリアに連行してしまったそうで、5~10年ちかく帰ってこれないらしい。
 なかには、「隣の家が反体制的な思想を持っている」と嘘の手紙を警察に送って、隣の家族をハメてしまう者もいたらしい。すると、数日以内に問答無用で連行され、数年から10年ちかく返ってこなかったという。
「あの人、最近みないね」とヒソヒソ噂が立つだけで、それ以上は自分の身が危なくなるので、踏み込んで調べようとはしなかったそうだ。

   


チェルノブイリの事も聞いてみた。
事故直後、テレビやラジオでは「野菜や果物は2㎝外側を剥けば安全です」と毎日放送していたそうだ。
 また、「赤ワインと一緒に食べれば体外に排出されます」と。それを信じた母親たちは、言われるがままにしていたらしい。
冗談みたい話だが、日本の政府も大差のないことをやってきたし、今もやっている。
リンゴを2センチ剥けば安全という話と、校庭の土を数センチ削れば安全という話に、どれだけ差があると言えるか。
「汚染水は外洋に影響することはない」というコメントは、窓を開けたままカーテンだけ閉めて、空気は遮断しています、と言うくらい馬鹿げている。

 日本からの調査団が来たとき、ゴーリックさんが通訳を勤めたのだが、ガイガーカウンターで市場の野菜や果物、野菜などを計ってもらったら、すべて「これは危険です。食べられません」と言われたそうだ。政府が嘘をついていたことを知り、愕然としたという。
 古今東西、どこの国も政府というものは、有事では真っ先に自分たちの保身を案ずるもの。
いざという時に、政府とマスコミは結託して国民に嘘をつく。それは、これからも変わらない。
 

  

 

 モスクワが世界で一番金持ちが多く住んでいるとフォーブスに載っていたが、確かにそうだった。ブランド品など日本の2.5倍から3倍の値段設定になっている。スタバもカフェラテ一杯700円。なにからなにまで高い。
 モスクワの中心地はポルシェやマゼラッティ、ベントレーなど、高級車がひしめき合っていて、どの車もカリカリにチューンナップされている。そして、運転が異常に荒い。ポルシェのカイエンなど、日本では聞くことができないくらいエンジンが吹き上がる音がする。教習所で免許をとるのが難しいから、金持ちは警官から免許を買ってしまうため、交通ルールを理解していないそうだ。

 ソビエト連邦崩壊から32年しか経っていないのに、この国が驚異的な変貌を遂げられたのは、ひとえにオイルマネーの御陰であるが、貧富の差はどんどんと激しくなっている。
そして、資源マネーに依存し、今では農業も工業も完全に衰退してしまった。人々は物を作らなくなり、真面目に働いて稼ぐよりも、楽して稼ぐことを追い求めるになったという。

 我々日本人にとって、ロシア人のイメージはあまり良くないと思うが、
一般の市民は素朴でとても親切だった。
田舎町に行くとホッとする空気感がある。

 海外で出くわす傍若無人なロシア人たちは、資源で得た金で成り上がった連中のようだ。

 ロシアにきて一番良かったことは、アメリカ映画で出てくるようなマフィアちっくなロシア人とは全く異なる、普通の人々の暮らしぶりを間近でみられたことである。