外食産業の労働状況比較 | メモらんだむ

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外食産業の労働問題がクローズアップされる中で、従業員の状況を開示されている26年3月末現在で開示されている最新情報から見てみた。

松屋フーズ、ゼンショーホールディングス、吉野家ホールディングス。
そのほか居酒屋のワタミ、コロワイド、チムニー、大庄など
元気が良さそうに見える物語コーポレーションや壱番屋なども。
おまけはいままさに生存の危機に突入してしまったマクドナルド。
従業員数、平均年齢、勤続年数、年間給与など開示されている情報をまとめてみました。

現場である外食の部門に実際に従事している人の情報にはどうしてもアクセスできない傾向がある。数字は開示されているものですが、後ろ書きのメモは何のエビデンスもないものです。

勝手に書き込んだ自分ノートです。悪しからずご了承ください。

松屋フーズ
従業員数(人)  1,263 (6,910)
平均年令(歳)  33.5
平均勤続年数(年)8.1
平均年間給与(千円)5,005
○国内外食事業(人)1,263
(※6,910)(※)=パートタイマー1日8時間換算による月平均人数

松屋フーズは店舗に従事する社員をそのままの人数で記載しているので比較的分かりやすい。
平均年間給与は平均年齢は33.5歳で新陳代謝を物語る。
当然、500万円を超えているが残業や賞与も換算値に入っての数字。
現場の正社員比率は18.2%と業界では高め。これは店舗に正社員が必ずいるような比率。

ゼンショーホールディングス
従業員数(人)392 (160)
平均年令(歳)38.2
平均勤続年数(年) 6.3
平均年間給与(千円)6,675
○フード事業(人)5,343
(※43,067)=パートタイマー(1ヶ月176時間を1名として換算)
勤続年数が短め。平均年齢は松屋に比べて高めで、38.2歳。年収は700万円近い。これはすべての従業員がゼンショーホールディングスに所属しているのではなく、いわゆる本社機能だけがこの統計に出ているため。勤続年数の少なさと給与の高さは過酷な環境を語るのか?
現場5,343人の社員は全く違う平均年齢だったり、平均給与所得だったりが容易に想像できる。
現場の正社員比率は12.4%と低い。これは、社員ではなくパート社員だけで店を回している時間が多いという比率。


吉野家ホールディングス
従業員数(名) 173
平均年齢(歳) 46.8
平均勤続年数(年) 14.3
平均年間給与(千円) 6,420
○国内吉野家 (人)1,221 
(※7,601)=従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の当連結会計年度における平均雇用人員。
吉野家ホールディングスに至っては本社機能がミニマムになっている。なんと173人。
平均年齢47歳と幹部中の幹部の年齢。就業年数も14.3年と長い、給与所得は650万円程度で
年数と給与額でゼンショーと違い、給与はそこそこでも続けられる体質の会社を想像できる。
現場の正社員比率は16%

ワタミ
従業員数(人)121(81)
平均年齢(歳) 37.5
平均勤続年数(年)8.9
平均年間給与(千円)5,911
国内外食事業(人)1,562 (※9,607)
介護事業 2,319 (※3,883)
※パートタイマーの当連結会計期間の平均雇用人員(1日1人8時間換算)は()内に外数で記載。
ワタミは外食の平均的な水準ではないのだろうか。表面上の現場の正社員比率は16.2%これも平均的。業界自体は労働集約型だが、ワタミだけとりたててブラック的な要素は見つからない。

大庄
従業員数(人)3,129 (3,906)
平均年齢(歳)41.4
平均勤続年数(年)6.9
平均年間給与(千円) 3,962
飲食事業(人)2,886(3,833)
※従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

大庄は従業員の年齢が高くロートル化してしまい、業態などの切り替えにてこずっている様子が浮かんでくる。業績も良くないので、従業員の年間給与もかなり40歳越えの年齢平均にしては400万円以下と低い。勤続年数も短いので結局、中途社員などの採用で人材不足を凌いでいるのが読めてくる。そのため店舗の教育も苦労しているはずだ。飲食以外に卸の事業もある。

チムニー
従業員数(名)979 (3,726)
平均年齢(歳)37.5
平均勤続年数(年)3.4
平均年間給与(千円)4,185
※従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1ヶ月173時間換算)
 臨時従業員には、パートタイマー・アルバイトの従業員を含み、派遣社員を除く。

賃金は安め、勤続年数は驚くほど短い。ただ正社員比率は26%と高く、
他のチェーンでパートでまかなうところを安い賃金の正社員を当てているというモデルのように見える。これは正社員のほうが教育の徹底が図りやすく、責任者に任命しやすいという点では出店意欲旺盛な新興チェーンで有れば当然の人員配置だとも思う。成長期と成熟期では正社員の割合や、人件費に大きな差が出るのは間違いがないところ。


コロワイド
従業員数(人)35
平均年齢(歳) 41.3
平均勤続年数(年)9.4
平均年間給与(千円) 5,000
コロワイド子会社
㈱コロワイド東日本 1,162(3,642)
㈱アトム(子会社2社を含む)926(2,488)
㈱レインズインターナショナル(子会社3社を含む)522(1,545)
全社合計 2,918(8,100)()=パートタイマーは年間の平均人数を記載しております。

本社機能だけに特化したデータしかないが年齢の割には給与はあまり高いようには見えない。


日本マクドナルドホールディングス
平成25年12月31日現在、従業員はおりません。
連結対象会社の事業部門
店舗部門 2,130 (14,718)
管理部門 634 (45)
合計 2,764 (14,763)

マクドナルドなどに至ってはホールディングスからでは全く情報が見えない構造になっているので、内部の情報はほとんどわからない。

物語コーポレーション

従業員数(名)534 (2,080)
平均年齢  30歳11ヶ月
平均勤続年数 4年9ヶ月
平均年間給与(千円) 4,546

正社員比率25.6%出店意欲が旺盛な雰囲気が伝わってくる。勤続年数も平均年齢の割には長い5年近い年数。人材ケアに手をかけているのが分かる。30歳ににしては給与水準も外食の中では高いほうではないだろうか。

壱番屋
従業員数(人)683(1,184)
平均年齢(歳)36.2
平均勤続年数(年)7.1
平均年間給与(千円) 4,614
連結会社の従業員数 742(1,213)
上記従業員数の中にBSレギュラーすなわちブルームシステム(社員独立制度)により、将来の独立を前提とした、社員248人が含まれる。
従業員数欄の(外書)は、パートタイマーの年間平均雇用人員(1日8時間換算)。

まさにフランチャイズのチェーン店。独自の独立システムを採用。
勤続年数は7.1年と長め。一つ上の物語コーポレーションと比べると従業員給与は年齢の割には低い。同じ中京地域同士本社の比較としては面白い。