尖閣諸島問題の戦略的解決(ではどうするか?) | メモらんだむ

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民主党政権になって官僚を活用しなくなった。
何を置いてきてしまったのか、日本の周辺諸国に対しての振る舞いがおかしくなったのもこの時期と一致する。

世の中で軸がしっかりした人は振る舞いも一貫性が出て
立派な人として周りの人から一目置かれる。大切にもされる。
言動はぶれず、考え方に一貫性がある。
人格がしっかりあり、周りに対しても思いやりに一貫性がある。

国も同じだ戦略、戦略というが、それは何も難しいパズルを組む話ではない。
一貫性を持った考えの中で柔軟性を持って相手への思いやりも実現していくことなのだ。

対処療法やその場主義とは対極的な考えだ。

まず、「中国との関係はよりよくしていくこと!」が大義として絶対にぶれてはいけない。
アジアで、世界で存在感を強めていく中国、近く世界のGDPの1位に躍り出る国、
その中国を無視して日本の発展は望めない。

ただ、中国の一方的な措置や不条理な措置が発生した時は粛々と国際機関に訴え出て正してもらうことが必要で。

それ以外は二国間の問題ととらえずに、大きなアジア戦略の中に中国の位置や立場を考え、
中国のバックアップに回ったり、うまくふるまえるようにしてやっていくことが肝心だ。

それはインド、インドネシア、ベトナム、中国、オーストラリアすべての国を重要なパートナーとして位置づけ、その周辺各国の中でも日本が信頼され、経済的にも、振る舞い的にも見本になっていくような位置につけていかなければならない。

また、隣国との連携は経済だけでなく、文化支援、災害時の対応、言語の教育、コンテンツ提供、移民政策なども含めて互いに住んでる場所の違いはあるが近く協力し合っている関係だという信頼関係を構築しなおさなければならない。
TPP、東アジア共同体、ASEAN、国連、災害演習、エネルギー協定などさまざまな角度で信頼感の構築は可能だと思う。
対処策や部分対応ではなく、面で見たり、重層的な構造で物事を積み重ねることが戦略。その戦略こそ必要なのだ。

で、その間、尖閣はどうするの?
未来に尖閣はどうなるの?
これは前提編にも書いたとおり日本の領土で間違いない。
でも、それを今主張してもしょうがないし、すぐに取り戻すかどうかは重要ではない。
だからこそ、大事な隣国の中国をあえて刺激しないようにしながら
「日本の領土」という主張は変えずに、ファジーな状態にしておくという方が得策なのだ。

中国人が上陸したら日本の領土、実効支配をしている島なので、
日本の法律を持って裁くという姿勢が必要で、そこまで崩す必要はないということ。
いざというときには戦争も辞さないという胆の据わった姿勢があって初めて
中国に対しても抑止力が働くのだ。

戦争は避けなければならない。でも世界の秩序を無視してテリトリーを犯してくる者には
自衛権を行使し、同盟国とともにアジアの秩序、世界の秩序を守っていく覚悟を国民が
見せていないと、いやだいやだの及び腰では結局、相手の流れに負けて大きなトラブルになるし
抑止力も働かない。しまいには琉球列島も中国のものだという話が出ているくらいなので
ここは日本人の「やるんだったらやっちゃうよ!」という静かな腹決めこそ必要になってくるのだ。

それには少し条件がある。
外交や経済戦略に関しては官僚=プロフェッショナルを使うことと、
その縦割りをなくし、さまざまな官庁が寄り集まって、国際戦略委員会のようなものを立ち上げ
重点的に行っていくことだと思う。
それにはころころ首相が変わる状態から脱しなければならないし、
ゴシップごときで一国の首相が変わるような馬鹿な話はメディアも国民も興味を持たないことだ。そんなことにうつつを抜かしている間に周辺国は勢いづき、日本は凋落の一途をたどる。

明確な目的を掲げ、目的を達成するために手だてを尽くす戦略。

ただの裏付けのないスローガンや、キャッチフレーズのような政治をしているだけでは
実質的な目標が見えなくなり、迷走してしまうのは当たり前だし、
外交のような深くすさまじい世界に素人の対処療法は通じない。
国民の一人ひとり、あなた自身の腹決めができずにこの国の未来は救えない。

つまり、尖閣問題はその問題だけを解決しようという浅はかな考え方を捨てて
重層的な組み立てで外交戦略そのものを見直し、長年にわたる信頼関係の構築で
作り上げていく戦略しかないのだ。