ずいぶん久しぶりのブログとなりました。
最近 日々の臨床でしばしば考えることがあります。それは患者さんの口腔を長い年月にわたって管理させてもらうという感覚です。われわれの仕事のフィールドは患者さんの口腔ですが、その本体である患者さん自身を長いスパンで診ていく姿勢が重要だと痛感しています。自分が歯科医師になりたての頃、もう30年以上前の頃には目の前の口腔しかも1本の歯を今どのように治療するかということに没頭していて、とてもその歯の5年先、10年先、20年先という視点で診る事やその本体である患者さんの将来像を描きながら今現在の口腔、歯周組織、歯列そして個々の歯をどのように治療していけば最善の結果を出せるかなどということを全く考えもしなかったなと反省しています。臨床経験が短かいだけでなく自身も若かったため、当時の中高年の患者さんの状況に思いをはせることができなかったためです。60歳を超えた現在、かって自身のおこなった処置を「あの時もっとこうしたらよかったのに」と思うことが実に多いです。
こうした点を息子をはじめとする次の世代の歯科医師へ確実に伝えていきたいと思っています。今月、来月と続く長い「講演行脚」の中で来週の仙台、盛岡のセミナーで早速挑戦してみたいと思います。