歯科大を卒業直後の歯科医にとって治療技術の習得はなかなか困難であり、それができるかどうかは、その後の研修の環境が重要であるということを前回のブログで記載しました。今回は臨床に携わる歯科医の治療技術レベルの見極めについて記載します。


最近の研修医や若手の歯科医をみていると、基本的な治療技術の習得に、おおむね5年間は必要であると感じております。そして習得した技術を実践してみて、その結果を確認するのにはやはり最低3年間は必要であると思います。つまり実際の臨床において実施した治療技術の結果を確認して問題点がないかどうか、もし問題点があればその原因は何であったのかを究明していくのに必要な期間が3年間は必要であるということです。そうすると臨床研修医としての1年間を含めると、基本的な治療の習得に必要な期間は最低でも9年間ということになります。つまり歯科医の治療技術レベルを推し量るのにまず臨床経験がおよそ10年間以上がのぞましいということになります。しかし同じ10年間といってもその歯科医がよい環境、すなわち優れた指導医のもとで、しっかりと研修を積み、独立後も自ら研修を継続していくことが必要です。患者さんから見たときに分かりにくいのはこの研修の程度を知ることでしょう。客観的な条件としては学会の専門医資格の有無や研修の履歴が考えられます。これはその歯科医のホームページなどの記載を見ればある程度分かるはずですし、学会のホームページに掲載されている専門医リストを調べると分かります。

日本歯周病学会 や 日本臨床歯周病学会 そして日本口腔インプラント学会などには患者さんの調べに応ずるための専門医リストがありますのでぜひこれらの学会のホームページを参照してみてください。