橋見学&たい焼きライド【ぷちポタリング】 | まつしまスタッフ矢野のあれやこれやの話

橋見学&たい焼きライド【ぷちポタリング】

こんにちは、矢野です。

今回のぷちポタリングは
いつものようにおやつを食べに行く
という点では同じですが
ちょいとした社会見学要素を盛り込んでみました。

事の発端は、前回のゆるポタリング。
縄文時代から中世を走る内容でしたが
その帰り道、踏切待ちでの会話でした。


矢野:
この橋の下にかかっている鎖って、何ですか?
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橋に詳しいMさん(以降Mさん):
ああ、これは落橋防止じゃあね。

矢野:
落橋防止?
この鎖がなかったら落ちるんですか?!


Mさん:
橋って、極端に言うと
「けた」が乗っかっているだけだから
阪神淡路大震災並みの揺れが来たら
落ちちゃいますよ。

矢野:
まじっすか!!
がっちり固定されてるんじゃないんですか?

Mさん:
ガッチリ固定したら壊れちゃうけえねえ
スキマを作って乗っけてあるだけ。
固定がないわけじゃないけどね。

個人的には、衝撃を受けたわけです。
「おまえはそんなことも知らんのか?」
とツッコミが入りそうですが
全く知りませんでした(笑)。

この衝撃は、僕の好奇心魂に
ガソリンを注いだかの如く燃え上がらせました。

橋にも歴史があるはず。
今なら高角橋の隣に建造中の橋がありますから
その技術の差を目で見て実感できるはず!
と思ったのです♪

ここから図書館通いと
現場見学ランチタイムライドと
Mさんの橋講習が始まりました。

いやあ、橋って面白いですよ。
今回も長くなりますから
「めんどくせえな」と思った方は
下記の一文のみで
後は、スルーしても大丈夫です(笑)。

「何かに興味が湧いたときに
 移動にも駐輪にもUターンにも
 最適なのが自転車ですから
 見えていなかった世界へ行けます♪」

伝えたかったのは、コレです。

自転車は躊躇なく立ち止まれますからね。
目的があるとサイクリングの楽しさは
倍増するのです♪

さて、橋についてですが
ぷちポタリング当日は
喋り捲っていましたから
ほぼ写真を撮っていないんですけど
下記の内容を説明しながら
「橋の世界」を楽しみました。

もちろん、Mさんの補足説明に
おんぶにだっこでしたけどね(笑)。

あと、この説明は
素人が一夜漬けに近い形で
知りえた内容ですので
間違っているかもしれませんが
大きな心でスルーしてください(笑)。

「昔の橋と最新の橋は、ここが違う。」

転機は、落橋が続出した大地震。
その対策として

「単純けた構造の落橋がめっちゃ多かったから
 なるべく一本物の連続けた構造にしてこうや」

「けたと橋脚を繋いでる【支承(ししょう)】も
 ドアヒンジみたいな作りで大丈夫かと思ったら
 結構壊れちゃったんで、これからは
 全方向吸収出来るゴム製だけな」

絵で描くとこんな感じです

(殴り書き過ぎますが笑)。
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なんとなくイメージだけ出来れば大丈夫です♪

まずは、行ってみましょう高角橋!
調べてみるといろいろ発見がありました。

「鉄で造る設計なんすけど
 戦争間近で、国が鉄をよこせ!って言ってます」
「まじか!、、、しょーがねーな
 コンクリートで造るしかねえ!
 仕上げは白く塗っておけよ」
「え?なんでですか?」
「そりゃもちろん、かっこいいだろ?(笑)」

完成して1年
「雨が、雨がめっちゃ降ってて
 流木が橋にひっかかってダムみたいになってます!」
「なにーー!まじか!!」
「だあああ、決壊しました!」
「嘘だろう。。。(絶望)」

大英断の時
「水害が二度とあってはならん!
 橋をかさ上げするぞ!」
「マジですか!!」
「やるって言ったらやるんだ!
 川幅も広げる!70mだ!橋も伸ばせ!」
「でもどうやってかさ上げするんですか?」
「油圧ジャッキだ!」
「前代未聞っすよ、それ」


なかなかの波乱万丈な変身ですよね(笑)。
アーチがない部分がその時に延長された部分です。


戦前に造られたこの橋は
単純けた構造ですから
継ぎ目とスキマあります。

 

もちろんスキマには、

伸縮装置のゴムが挟んであるので

見た目的には埋まってます。

走ると「カタン、カタン」っていうトコですね。

 

「今、スキマの上を通過したのか。」

冷静に考えると、なんだか不思議ですよね(笑)。

ドアのヒンジに似ていると言っていたのが
この金属製の支承(ししょう)。

けたを乗っけて固定しているポイントは

基本的には、コレだけなんです。

動きは、この動画を見ると確認出来ます。


結構動くようになってますが
大地震はこれ以上動くようです。
自然の力は凄まじいですね。

構造としては古いですが
この高角橋ってのは、情緒があるのです。

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白さが美しいってのもありますが
凹凸の装飾が施されているのが
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とても素敵なのです♪

岡山に同じ橋がありますがそちらは未塗装。

色だけでかなり印象が変わります。

車で離合するときには、幅の狭さに
毎回ドキドキしますけどね(笑)。


さて
となりに建設中のひとまろ大橋は
耐震対策が施された最新の橋。
早速行ってみましょう。

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「どうだ!つなぎ目なしの一本物連続けた構造!」
「すごいっすね!
 これ、どうやって運んだんですか?」
「こんなデカいもん運べるわけがないだろう。
 ここで造りながら伸ばしていくんだ」

「まじっすか!!」
「一本物連続けた構造もスキマが必要になるが
 このスキマ量は、なかなかすごいだろう」

「おお!向こうが見えちゃいますね!」
「支承ってのは、どれになるんですか?」
「この黒いやつだ」

「これですか!橋の予算の30%を占めると
 言われているセレブな部品は!」
「確かに高いが、
 『ちゃんとしたものはそれなりの値段がする』
 これは世の中の常識だろう。」

ひとまろ大橋は
川の上部分は、鉄の橋で
その先は、コンクリートの橋なのです。

「鉄とコンクリートの使い分けは、なぜ?」

参加者さん達からの疑問が殺到しましたが

少しでも興味を持ってくれて嬉しかったです!

 

後日、同じく詳しい

お客さんKさんに聞いてみた所

これは、総合的なコストを計算したうえで
決定しているんだそうです。

すっきりと納得出来ました!

「このコンクリート橋はなあ
 人間の強敵でもあるストレスを使って
 強度を出しているんだ。」
「ストレスで強度?
 心病んじゃいますよ!」
「人間はな(笑)。
 だけど、こいつは違うんだ。
 人間の心はガラスの如くだが
 このコンクリートには、ヒビすら入らん。」
「そんなに強いんですか!」
「説明してやろう。
 本を20冊、蕎麦屋の出前のように
 片手で縦に持ってみろ」
「はい!
 なんかフラフラしますが、、、」
「じゃあフラフラしないように
 もう片手で上側を押さえて
 そのまま両手を水平になるように
 90度回転だ。」
「両手でしっかりと押さえていないと
 本が落ちそうです(汗)」
「落ちないように両手を内側に押す。
 これが圧力。つまりはストレスだ。
 これをシュワルツネッガーがやったら
 どうなる?」
「あのスーパーパワーですから
 本20冊が一体化したような固さになりますよ!」
「その原理を利用したのが
 『プレストレスト工法』だ!
 「プレ」ってのは、あらかじめ。って意味だからな。
 プレシーズンとか言うだろう?
 コンクリートの中に、ワイヤーを入れてだな。
 コンクリートが変形するくらい引っ張って
 固定するんだ。」
「おお!そういう事なんですね!!
 頭のいい人たちがいるんですね!」

この工法を知った時には
「そんなことが出来るのか!」
とマジで驚きました。
強度の上がったコンクリートは
橋脚と橋脚の距離を伸ばすことが可能になって
べた踏み坂で有名な橋は、この工法を使って
国内最長の橋脚間距離250mを誇っています。

この動画を見ると
めちゃ分かりやすいです♪

 


コンクリートの橋の向こうに
パルテノン神殿みたいな構造物がありますが
これはかなり珍しいモノなんだそうです。

「あの線路の向こうにあるのは?」
「あれか。
 あれはまだ全国でも珍しい
 橋の上に交差点を作るための
 ラーメン構造を使った橋脚だ。」

「ラーメンって、え?チャーハンとかの?」
「なんだ、もう腹が減ったのか?(笑)
 ラーメンは食べモノじゃなくて
 ドイツ語で「骨組み」って意味だ。」
「そ、そーなんですか!
 あれ、そのラーメン構造って
 セレブな支承が見当たりませんが、、、」
「そうなんだ。
 そこがすごいとこなんだ。
 あれはだな、支承がするべき耐震性能を
 ものすごく複雑な構造計算をして
 コンクリートで実現させているんだ。」
「まじっすかーーー!
 どんな計算してるんでしょうね?」
「それは俺にも分からん。
 もうあれだ、記号だらけのよく分からん公式だ。
 記号の中に記号があるみたいな
 漢字の「鬱」の字画みたいな
 『詰め込み過ぎじゃないっすか?』
 みたいなあれだ(笑)。」
「いやはや、凄まじいですが
 安全なものを作ってくれるなら頑張ってもらって
 僕らは平和に自転車に乗れればいいっすね♪
 ところで、パルテノン神殿の直進は
 まつしまの前まで繋がるって話ですが
 いつぐらいなんですか?」
「俺は生きてるかなあ、、ってくらいだ(笑)」

って会話は架空のものですが(笑)
これに近い事を喋りながら
Mさんに修正されながらの
橋の社会見学ライドでした♪
めちゃ面白かったのです。

 

身近なところにもいろいろな技術が

ちりばめられていますから

発見するだけで楽しいですよ♪


例えば、この画像。


高津大橋のスキマ部分なんですが

道路にはシャコガイのようなギザギザ形状に

なってまして、スキマ分動いても大丈夫なんだ。

なんて分かるんですが、


はて?

その時、欄干は?

と疑問に思うわけですが


さすが!

ちゃんと動いても追従出来る

注射器のようなピストン形状に

なっているのです!


視界に入っているのに

気が付いていない事が面白いのですよね♪

自転車の速度だとクルマの速度では

見えない景色が見えてきますから

世界が広がって楽しいのです♪


あちこち寄り道しながら
メインの行き先のおやつポイントでは
甘くておいしい大判焼きを
みんなで楽しみました♪
喋り疲れて写真は、これしかない(笑)。
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参加された皆様
ありがとうございました!
お疲れ様でした!

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次回もご都合合いましたら

また一緒に走りましょう!!