美容院で

「いかがなさいますか?」

「お任せします」

という会話は耳にするが、体のことはどうでしょう。
すべて医者に任せてよいのでしょうか?
友達に電話して、

「元気?」と聞くとアッチが悪い、コッチが悪いと不満を述べる。
「具体的にどこが悪いの?」と聞くと、すこぶる曖昧。

「エー、医者に任せているから、よくわかんないけど……ゼェーンブ調子が悪い」

それでよいのでしょうか。

自分の体のことは、ちゃんと把握してください。

私は変形性股関節症の手術を受けたが、セカンド・オピニオンどころか、サード・オピニオン(3番目の意見)、フォース・オピニオン(4番目の意見)までとり、やっと素晴らしい先生に巡り合いました。

どうやって?
今はネット、専門書、なんでもあるでしょう。
自分なりに一生懸命勉強しました。
自分の体はたったひとつしかありません。
手術を受ける時は、自分が十分理解し納得していることが大切です。
納得できずに治療を了承するわけにはいきませんので、断ることもあるでしょう。
口コミや誰かの紹介の場合は、そういったことも事前にしっかり考えましょう。

私の場合、手術は大成功!
おかげさまで2月9日の舞台では、ダンスもご披露して、まるで新しい足をつけたみたい。

私の知り合いに、不思議な人がいました。
永六輔さん。好奇心旺盛で、知りたいことがあるとどこへでも飛んでいく方なのに、自分の体のことには無関心だった。

パーキンソン病になった時も、私達に1枚の紙を渡し、

“僕の病気はこれです。どうぞよろしく”

パーキンソン病のことが詳しく書いてあった。
これをよく読み、私達に勉強しなさいということらしい。
要するに、“永六輔の取説”だ。ウーン。
私達はよく学んだが、ご自身はどうだったのだろう。終始「よきにはからえ」という調子だった。
自分の興味のあるものについてはとことん足で調べたのに、どうして自分の体の事には無頓着だったのだろう?謎だ。

でもIPS細胞の山中教授への研究成果には期待を持ち続けていらした。
もっともっと長く生きていただきたかったのに、残念でならない。