ピーコにあたたかいコメントをいただいて、

ありがとうございます。
今、一番読んでもらいたい人に見せられず、残念です。


ある日、突然ピーコが「私、歌習う!」と言い出した。
「なぜ?」びっくりして聞くと、
永六輔さんに

「おすぎは映画の評論や解説ができるけど、ピーコはなにも芸がないから、歌を習いなさい」

と言われたという。

「あなた人前で歌ったら、歌手に毒舌はけないわよ。やめたほうがいい!」

私は反対した。
でもピーコは永さんの勧めに従い、真面目に取り組み始めた。
私のピアノ伴奏をしてくれていた人を先生にして……

私が聴きに行った時、歌い出しはシャンソンの『雪が降る』。
ポロロロン、ピアノが鳴り、袖の中から歌い始めた。

ところが、最初の「♪ゆーきが……」で完全に音を外した。
客席に尊敬する美輪明宏さんがいらしたからだ。
気持ちはわかるが、そんなこと言い訳にならない。

親友が亡くなった時は、号泣して歌詞が全部飛んでしまったこともある。
優しいのはいいけど、泣くならコンサートが終わってからにしなさい。
プロとしては完全に失格だ。
それでも、彼は歌い続けた。
あまり上手くはなかったけれど…… (´◡`) 

ファッションチェックで有名になったこともあった。

頼んでもいないのに、個人的に私にダメ出しするようになる。
「私、ピーコのファッションセンス好きじゃないからいい!」と断っても、無理矢理、誰もいない化粧室の鏡の前で、アーダ、コーダ言う。
要するに好きな人の世話を焼きたいのだ。

売れないタレント達の面倒をみてやり、その後、大活躍している人もいる。
ピーコの人気に陰りがみえた時、「その人にちょっと頼んでみたら……」と提案したら、

「あの子達に声をかけたら、何を置いてもすっ飛んで来ると思うのよ。でもね、私は邪魔をしたくないのよ」

彼には友達は沢山いたはずだ。
ひとり去り、またひとり……

私はピーコと同じ病名の母を長年介護していたからよくわかる。

 

親しかった人ほど、

優しかったピーコが壊れていく様を

見ていられなかったのだ。

美しく聡明だった母が、私に罵詈雑言を浴びせ、殴る蹴る。物を投げつける。
何が起こったのかわからず、私の方がパニック障害、過呼吸で先に倒れてしまった。
長い長い戦いだった。
唯一の身内だった母から逃れることはできない。
熟慮の末、2人の母がいると考えを変えた。
病気の母と、本来の母と。

それで私はずいぶんと救われたが、割り切れるまで3年以上かかった。
最後の母はまるで天使のようだった。

ピーコ、人生って厳しいね。

以前の彼は何事にも美しくありたいと願っていた。

みっともないことはしない。
老いるのも美しく身綺麗に……
他人に迷惑をかけない。

病気の今は、神様が試練をお与えになっているのだと思うのよ。
いつかきっと

ピーコの症状に合うお薬をお医者様が見つけて下さって

優しい穏やかなあなたに戻ることを祈っています。

ピーコ、何もしてあげられない友達でごめん。