この番組には何回か出演させていただいている。元気な時の母は黒柳徹子さんとお話しするのが大好きで、引っ込み思案なのにイソイソ私と一緒に出演していた。黒柳さんのお母様とも若い時知り合いだったせいもあるでしょう。


3年ほど前、母がレビー小体型認知症である、と話しをしたのもこの番組だった。私は仲の良い友達にも認知症を隠し続けていた。
その頃私の担当だったディレクターのお祖母様が認知症で、彼女は非常に勉強をしていた。私はお友達としてメールで何回も相談していた。

「トモ子さん、そろそろテレビでお母様のことをお話ししてみたら?永六輔さんだって“パーキンソン病のキーパーソン”って自分の病気を笑いにしてたでしょ」

それはご本人だから許されるけど、私は母のことを公表してもいいものか……

「ちょっと時間をちょうだい」

2~3週間、考えに考えぬいた。まず自分が泣かないで話すことができるのか。この話が誰かのお役に立てるのか。
母の事を隠し通すのが、限界だったのだろう。泣いて泣いて、涙が枯れるほど泣いて、やっと決心がつき、本番に臨んだ。

元気な時の母をご存知の方もいるので、その反響はとても大きかった。
そして、書籍『老老介護の幸せ』を出すことになった。
その壮絶な戦いは、本を読んでください。

3月3日(水)放送予定の『徹子の部屋』は、母が100歳を迎えて、という晴れがましいタイトルだ。自宅のベッドの母に

「ママ、今日は黒柳徹子さんにお逢いするのよ。黒柳徹子さん覚えてる?」と、私。

「クロヤナギテツコさん、おぼえてる」

「お逢いしたい?」

「アイタイ、アイタイ」と、満面の笑みの母。

「でもね、今日はママは行かれないのよ」

母はムッツリふくれる。母は私が行く所どこへでも一緒について行きたがる。

「ママ、すぐ帰ってくるからね。その時お話しするからね」

母、こくんとうなずく。

母の望むことは何でもしてあげたいが、なかなか難しい。

徹子さんは、私が報告する母との会話が楽しいらしく、何度も笑い転げていらした。スタジオの隅では涙を流しているスタッフもいた。お身内に介護の方がいるのかな?

なんと、母の話を笑いながらできるようになるには、5年もかかった。アッという間の気もする。

ママの娘で良かったと、今心から思う。




【出演情報】

テレビ朝日『徹子の部屋』
■3月3日(水) 午後1時00分 〜放送予定
https://www.tv-asahi.co.jp/tetsuko/

みなさま、ぜひご覧ください!