由岐神社 例祭 鞍馬の火祭り
平安時代中期、戦乱や天変地異が相次いで発生しました。
当時の朱雀天皇は御所にお祀りされていた「由岐明神」を御所の北方にあたる鞍馬に遷宮することでそれらを鎮めようとしました。
天慶3年9月9日の御遷宮の際、道々には篝火を焚かれ、神道具・松明を持った行列の長さは約1kmに及んだといいます。
鞍馬の住民は感激し、この儀式と由岐明神の霊験を後生に伝えようと守ってきたのが火祭の起源です。
22日午前9時、由岐神社本殿にて例祭が始まります。
雅楽が流れる中、祭が盛大かつ無事に斎行できるようお願い申し上げます。
続いて奉遷の儀が執り行われ由岐神社本殿にお鎮まりになられている由岐大明神・八所大明神が二基の神輿に御遷りになられます。
その後、二基の神輿は仁王門前の石段下に安置されます。
午後6時、神事触れの合図「神事にまいらっしゃれ」の合図で鞍馬の各戸に積み重ねられた篝(エジ)が一斉に点火され、幼少年が小松明を担いで練り歩き、次第に燃えさかる大松明を担いだ青年たちがこれに加わり、「サイレイ、サイリョウ」を繰り返して囃しながら仲間の宿の出発の時刻などが伝達されます。
その後、菊・桐・蝶・葵・鳳・百足・寺の鉾や鎧を着た武者が仲間の宿から出てきますと、山門前には大小の松明を担いだ若者が集合してひしめき合い一大壮観を呈します。
やがて合図の太鼓と共に青葉の精進竹に張った注連縄切りの儀が行われます。
大松明は石段の所に殺到しやがて一箇所に焼き捨てられます。
その後、神輿の前で神幸の儀があり八所大明神・由岐大明神の順で御輿が参道を下ります。
その際各神輿の後に鎧武者が乗り、神輿の背後に綱がつけられ、坂や石段から急に降りないように町の乙女達が綱を引きます、女性が参加することもこの祭の異色の一つです。
この綱を引くと安産になると昔から伝えられているので特に若い女性が多い。
その時山門の石段では二人の青年が神輿の先の担ぎ棒の前で逆さ大の字になって下ります。
これがチョッペンの儀であります。
山門を下ったところから神輿は車に乗せられ鞍馬町を巡幸されて御旅所に戻ったところで神輿は安置されます。
その後、お神楽が奉納され4本の大きな神楽松明が境内をまわり諸式が終了致します。
翌日23日午前2基の御神輿が、御旅所から本殿へ御帰りになる還幸祭が執り行われ由岐神社例祭『鞍馬の火祭』が終了します。
【鞍馬は道幅が狭く、危険です。必ず警備員の指示に従ってください。】
●観覧場所・方法
山門前石段下の商店の2階が観覧の特等席ですが、一般の入手は難しいようです。
沿道からの観覧になります。
松明が練り歩くころになると、石段下付近の道路は時計回りの一方通行に規制され、立ち止まっての観覧はできなくなります。
地元の人たちにとって「鞍馬の火祭」は「神事」です。
「神事」の重要性を理解し、祭の邪魔になるような行動は慎みましょう。
●アドバイス
<服装>
10月下旬の鞍馬の夜は冷えます。
万全の防寒対策が必要です。
また、火の粉をかぶることもありますので、燃えやすい素材は避けましょう。
<食事>
火祭が始まると食事は難しくなります。
それまでに済ませましょう。
鞍馬駅近くの飲食店やくらま温泉で食事ができます。
また、お弁当を販売しているお店もあります。
公衆トイレは少ないです。
★「鞍馬の火祭」当日は貴船口~くらま温泉入口の区間は車両通行止めとなり、マイカーの乗り入れはできません。
●叡山電車
当日は臨時ダイヤで増発されていますが、混雑により乗車制限が行われる場合があり、乗車待ちとなる可能性があります。
●その他
貴船口までタクシーで行き、そこから火祭会場まで徒歩15分弱(山門下までは約20分)。
貴船口駅~鞍馬駅~貴船口駅の往復は、叡山電車もご利用いただけますが、非常に混雑し乗車できない場合がありますので、徒歩での移動をお勧めしています。