大中寺の神秘と七不思議:怖くてトイレに行けない話 | matsurinosatoのブログ

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NGO日本まつりの里は、全国47都道府県にそれぞれのNPO を置き、古来、主に神社と氏子によって受け継がれて来た、伝統文化「まつり」を求心力とする6次産業形式の地方振興事業連合です。

こんばんは!NPO法人栃木まつりの里のロクスケです。
夏の風物詩と言えば、『怪談』ですね。
小学生の頃、夜に思い出すと怖くてトイレに行けない話がありました。それは、私のふるさと栃木市の大中寺に伝わる七不思議のひとつ「開かずの雪隠」です。(雪隠とは便所のことです)
今日は、その大中寺と大中寺に纏わる七不思議をご紹介したいと思います。



 

栃木市内の太平山南麓に佇む大中寺は、歴史と神秘に包まれた曹洞宗の寺です。その歴史は古く、初めは真言宗として久寿年間(1154〜1155)に建立されましたが、後に快庵妙慶禅師によって延徳元年(1489)に曹洞宗の寺として再興されました。
戦国時代には、越後の上杉謙信が関東管領職を担当し、北関東に進出する際に大中寺の6世住職である快叟が叔父であったため、寺を保護し、焼失していた伽藍を修復しました。その後も多くの歴史的な出来事がこの寺と結びついています。

大中寺は「大中寺七不思議」という七つの不思議な出来事が伝わる場所として知られています。



 

根無し藤:  大中寺の一つの不思議で、「根無し藤」として知られるものです。この伝説は上田秋成の『雨月物語』にも登場するエピソードで、寺の再興伝説として知られています。伝説によれば、鬼と化した住職が善悪を悔い改めるために、上田秋成によって青頭巾をかぶせられ、一夜の宿を提供されました。その後、鬼と化した住職が消え、残った骨から藤の木が生え、大木となったとされています。

油坂:  学僧が勉学のために灯明の油を盗んだが、その際に転落して死亡したという伝説があります。このため、その石段を上り下りすることが不吉とされ、使用が禁じられています。

枕返しの間:  本堂の一角にある座敷で、そこに泊まると翌朝には頭と足の向きが逆さまになるという不思議が起こると伝えられています。

不断の竈:  ある修行僧が竈の中で火を絶やさず寝ていたが、誤って火をつけて焼け死んでしまったという伝説があります。その後、修行僧の霊が火を絶やさないようにと語ったため、以降は火を絶やさないようにする習慣が守られています。

馬首の井戸:  近隣の豪族が敗れて大中寺に逃げ込んだが、住職に拒まれたため恨んで馬の首を井戸に投げ込み、自身も切腹したという伝説が伝わっています。その後、井戸をのぞくと馬の首が見えたり、いななきが聞こえると言われています。

開かずの雪隠:  豪族の奥方が夫の死を知ると雪隠で自害したという伝説があります。以降、その雪隠には奥方の生首が現れると伝えられています。

東山の一口拍子木:  大中寺の東にある山の方から拍子木の音が一度だけ鳴ると、寺に異変が起こると言われています。しかしその音は住職以外には聞こえないとされています。



 

これらの不思議な伝説や出来事は、大中寺の歴史とともに地域の文化や信仰と結びついています。訪れる人々にとって、これらの物語は寺の風景とともに、その神秘的な魅力を高めています。
ご近くにお寄りの際は、皆さんも一度、大中寺を訪れてみてはいかがでしょうか?