どうしてカゼが治るのか?その３

　免疫劇場　
「どうしてカゼが治るのか?」

第３幕

総司令官の司令

実動部隊が「早く、ご指示を」といっても
司令を出さなかった総司令官が、
親愛の握手、あるいはキスのような
刺激をうけて、ついに実動部隊
（免疫担当細胞）に司令を下す。

最初の感染から４～５日後のこと


親愛の握手とキス



学者達はそれを「補助刺激」といっている



実動部隊に差し入れ
総司令官（ヘルパーT細胞）が、実動部隊に
みかえりとして食べ物（サイトカインという化学物質）
を提供し攻撃の指令を出す。

これは免疫の実動部隊にとって争う活力となる、
差し入れのようなものです。




サイトカインという化学物質を放出






差し入れを待ていた実動部隊


差し入れで目覚めた殺し屋と
活気づいた実動部隊


実動部隊の大好物は
タンパク質（お魚、肉、豆）、
ミネラル（貝類、牛乳）やビタミン（野菜）ですが、
不足すれば殺し屋（キラーT細胞）や
鉄砲名人（B細胞）たちの仲間が、いざ増えるべき時に
増えることができないのです。

栄養が不足すると免疫力が低下する
理由はそのためなのです。


実動部隊の活躍

この差し入れの刺激を受けて
目を覚まし活気づいたた実動部隊は、
ウイルス感染細胞を障害するようになるのです。




マクロファージ（大食細胞）
も、差し入れをもらい元気もりもり。
さらに逃げまどウイルスを
捕らえにいきます。


マクロファージ（大食細胞）



殺し屋（キラーT細胞）も元気もりもり



このようにして、ウイルスに感染した細胞は殺し屋
（キラーT細胞）の手にかけららて、
あえなき最期をとげる。



さて、これでめでたし、めでたし、、、。
かというと、
そのようなことはありません。



なぜなら殺し屋（キラーT細胞）は
ウイルス感染細胞を殺しますが、

ウイルスそのものは殺さないからです。



鉄砲名人（B細胞）の大活躍

差し入れをもらった鉄砲名人も活気づき、
どんどん鉄砲玉（抗体）を産生する。

そして、鉄砲名人がウイルスを捕え、
ウイルスは「抗体」というと飛び道具によって
捕らえられはじめて活力（病原性）を失います。
この抗体を発射するのが鉄砲名人（B細胞）です。




ウイルス（抗原）を的確に攻撃する抗体という
（鉄砲玉）のような飛び道具を発射するようになる。

鉄砲玉（抗体）の材料
鉄砲名人（B細胞）の鉄砲玉（抗体）は
タンパク質（お魚、肉、豆）が大好物です。
ですからその材料であるアミノ酸が不足すれば
当然、鉄砲玉（抗体）を産生できない
状態になってしまいます。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↑
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　鉄砲玉


このようにして、ウイルスに感染した細胞は
殺し屋（キラーT細胞）の手にかけられて、
あえなき最期をとげ、また、逃げまとう
ウイルスたちは抗体に捕らえられたり、
マクロファージ（大食細胞）に
食べられたりしてしまうのです。


これが
「どうしてカゼが治るのか？」
免疫反応の大まかなしくみなのですね。


大切な栄養摂取

栄養が足りなくなると実動部隊（免疫力）の
働きがが低下するのは
誰もが直感的に知っていますよね。

冬は免疫力が低下しやすいので、
風邪をひきやすくなるそうです。

急に寒くなったせいか、体調を崩されて、
風邪をひいてる人が多いようですね。

カゼをひいたとき食欲がなくなっても
「しっかりご飯を食べなくてはいけない、
病気（ウイルス）と闘う力がつかないから」
と自身で励ましてくださいね。


温かくして休んで下さいね。






ではまた次回まで、ボナペティ！

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