こんばんは。
龍之介です(*^▽^*)
11月も残り数日。
外気はすっかり冬らしくなりましたね。
今朝から冷たい雨が降ったり止んだり。何だか浮かない天気。加えて本日の最高気温は、今季で1番低かったそうです。
この時期は寒さと乾燥と共に、何かと体調を崩しやすいですから、お互い体調には気をつけましょうね。
そんな冬の始まり。
先日、舞台『PSY・S』が大阪公演大千秋楽を迎え、その物語に幕を降ろしました。平日にも関わらずたくさんのご来場誠にありがとうございます。
遂に終わってしまいましたね。終わるまではあまり実感が無かったのですが、大阪から帰京して自宅で1人になった時、沸沸と寂しい感情が湧いてきました。
今回初めて参加させて頂いたディスグーニー。
初めての参加がこの『PSY・S』で良かったと心から思います。
顔合わせの日。
少し緊張しながら入った稽古場。
馴染みのある先輩方がチラホラ見受けられる中、多くの初対面の方々。
今日からこの仲間達と共に、物語を紡いでいくのかと思うと、自然と胸が高鳴っていました。
稽古に入ってから本番まではあっという間で、良い意味であまり記憶がありません。日々作品に、ワトスンに打ち込んでいたからだと思います。
そしていざ初日を迎え、舞台上で待っていたものは、途轍もなく楽しいひと時でした。
たくさん汗や涙を流しながら、物語をみんなで紡いでいく。その世界をお客様が全力で楽しんで下さっている。
幸せ。
その一言に尽きます。
同じ公演は無い。
毎回違うアプローチ、違う感情、台詞1つにしたって言い方が変わる。
でもそんな中、お客様の前で全力で物語を届けた時に感じる〝幸せ〟という気持ちは、最後まで変わりませんでした。
これもひとえに、日頃の応援して下さっている皆様と、航海を共にした仲間の皆さんのおかげです。
僕が演じた、ジョン・H・ワトスン。
稽古に入る前や当初は、どう演じようか考えながらワクワクしていたのですが、直ぐにそれはあまり有効ではないことに気付きました。
というのも、ホームズであるわたるくんを見て接していたら、自ずとワトスン像が出来上がっていったからです。
凹凸の様な感覚で、どちらかが尖れば、それを柔らかく受け入れるか、丸くなっていなす。逆も然り。どちらにせよ、互いの心地良いところに収まるんです。
不思議ですよね。
そうなる理由として考えられるのは、彼を好意的に捉えていることと、尊敬していること。
これは僕がわたるくんに抱いてる感情であり、ワトスンがホームズに抱く感情でもあります。
だからこそ、ホームズを常に理解し、彼が打ちのめされた時に救えるのはワトスンなのでしょうね。
リサの死で下を向くホームズの前でワトスンが〝解決する〟と何度も激昂するシーン。
ホームズを信頼し尊敬しているからこそ、彼が俯く姿を1番見たくないと思っているはワトスン。
そんなワトスンが取った行動は、優しく励ます訳でもなく、寄り添って共に悲しみに暮れる訳でもありませんでした。ただただ不器用に、悲しみをぶつけながら背中を押そうとすること。
理屈ではなく、気持ちで。
〝表だ!〟
〝決まってる〟
彼のこの言葉に詰まっています。
普通の人ならやらない事をワトスンがやってみせた瞬間でもありました。
対照的ですよね。
ホームズと関わりながら掴んでいったワトスンの人物像。それはもちろんホームズだけではありません。
冒頭のメアリーとのシーンや、ワーカー警部にシバかれる所や、ドイルと一瞬に過ごすひと時、等々。
他の方と過ごせば過ごすほど、気付いたらワトスン像が形作られていったんです。そしてこの過程が本当に楽しい。
芝居は1人では出来ない。
つくづくそう感じさせれる作品でした。
ホームズ役のわたるくん。
ドイル役のけいちゃん。
この2人に出逢えたから。
この冒険が大好きに、そしてこの冒険をもっとしたいと思えるようになりました。
今回ようやく共演出来た、わたるくん。
わたるくんのホームズは本当に最高でした。めちゃくちゃ頭が良くて、物事を冷静に捉え、真の感情をあまり外に出さない。そんな人物を演じる上で、わたるくんは一切天才を演じない。
それでいていつも自然に新鮮に、目の前の事象を誰よりも楽しんでいる。
だからこそ憎めず、理解しようとし、支えたいと思える。
見ていて素直に面白いと思わせてくれる役者。凄いですよね。また超えるべき存在に出逢えました。
たくさんお世話になりましたね。本当にありがとうございます。
またいつか。違う物語で。
今回初めてご一緒しましたが、全くそんなことを感じない、かけがえのない存在になりました。
気付いたら打ち解け、隣にいる。長年連れ添ってきた友のように落ち着く感覚。
稽古場から千秋楽まで一緒に歩んできた日々、凄く楽しかったね。けいちゃんの、実直で熱い信念と表現は、見る人をとても惹きつける。僕も魅了された1人。
そんな彼のドイルが、また冒険したい、本に書き残したいと思えるワトスンでありたいと、常々思っていました。少しはなれたかな。
いつも楽しい時間をありがとう。
また冒険しような。
改めて、東京大阪とご来場、ご声援誠にありがとうございました。
皆様の支えのおかげで、最後まで刺激的で充実した航海となりました。これまで劇場に足を運んで下さった全ての方々に心からの感謝を。この作品に携わった全ての皆さんにお礼と労いを。
ありがとうございました。
それではまた!
松村龍之介