早朝に宿泊先を出発。カンヌから5時間程でパリへ。そこから更に長距離バスに揺られること1時間。やっとこさ空港へ。
海外に来ると、環境の差異や変化に敏感になり、些細な事柄でも吸収するチカラが働きますよね。
たくさんの情報を得ながら、その土地の言葉、人や衣食住に順応していく。
それが “生きる” ということ。
実はこれ、お芝居をする上で大事な観点だと僕は思います。
普段仕事で演じている人物達。
その人達が存在する世界でしっかりと “生きる” のが役者の仕事。細かな情報を肉付けしながら、幅を広げ、深みを作り出す。
物語に登場する人物達も、その世界でいろんなものを吸収し生きていく中で、人物像が形成されていくのは普段の僕達と同じはず。
そんな生い立ちを考えるだけでもワクワクしますよね。 それを想像して創造することが出来るのが役者の特権。
たまらないな。
早く芝居したい。
話は変わり。
昨晩に急遽!コンペティション部門にノミネートされている河瀬直美さんの『光』の試写会に参加出来ることになったんです。
つまり歩ける。
レッドカーペットを。
こんなにも早くこの機会が訪れるとは。
もちろん演者としてでは無く、試写会の参加者としてですが。
そうと決まれば準備。
何とかこんな感じに。
試写会は22時頃開始予定だったので、それまでに腹ごしらえを済ませ、夜。
以前会場内に入る時、荷物検査や身体検査をされたと書きましたが、夜の試写会はその何倍も厳しいセキュリティ。
1つの映画を観るために、多くの方が綺麗に着飾り、厳重なチェックを受ける。何だか不思議。でもこれが映画 “祭” ならでは何ですかね。
そして遂にレッドカーペットへ。
たくさんの人々とカメラ。
活気が物凄い。
写真の手ブレでどれだけ興奮していたかが伺えますね。
試写会会場は、3000人程が入る大きな会場。スクリーンもステージ一杯に広がるくらい立派なものでした。こうしてカンヌの地で河瀬直美監督の作品を鑑賞出来てとても嬉しかった。
上映が終了後、会場内には大きな拍手と共にスタンディングオベーション。
怒涛のように過ぎたこの日は、カンヌの最後の夜にして最高の夜になりました。
今回の滞在は、自分にとって初めてのことばかり。そのどれもが役者として、人間として、物凄く大きな経験であり糧となるもの。
改めてこの機会を作って下さった皆様、現地でお世話して下さった皆様、本当にありがとうございます。心から幸せに思います。
成長出来るチャンスとヒントを与えて下さったことに感謝を。これでまた、前へ歩む歩幅が広がりそうです。
一先ずは憧れの地にさようならを。
またね。
それではまた!
Au revoir.
松村龍之介