身体にやさしいのは、「米」か、「麦」か。
暮らしに中医学の知識が生きている中国人はどう考えているのかは、昨日書いた通りです(「身体にやさしいのは米? 麦?」参照) 。
われわれ中医師は、中医師の資格試験を受けますが、その中に「カルテを書く」問題があります。
「弁証論治」という項目です。
こういうひとが、こういう症状で来院した。舌はどうか、脈はどうか、検査数値はこうで、既往歴はこうで……、という情報から、「病名」を確定し、「状態」を判断し、それに応じた「治療法」を立て、具体的な「処方」をする。
まあ、実際に病院(店頭)でやっていることと同じなのですが、「養生方の指示」が必須項目です。
食べちゃイケナイものがあればそれを指示。生活の注意点があればそれを指示。指示すべきポイントが抜けていると減点です。
そのくらい、「日常生活」が治療に及ぼす影響は大きいのですな。
確かに、避けるべき食べものに「麺」が出てくることは、医学書を読んでいても多いです。
中国語で「麺」とは、小麦粉を使用した食べもの全般のこと。パンやまんじゅう類も「麺」です。
一方、「米」が禁止項目に上がってくることはないです。
そして、胃腸の消化力が落ちていて、特に蠕動能力が弱いとか、身体の潤いが足りなくて消化液が少なくて「お腹のハリ」がある場合、小麦系のものを食べると余計に張ります。
また、「胃」が弱くて、食べものを受け付けにくい状態のときは、米を噛んで飲み込むのは辛い。パンなら何とか……ということが多々あります。
結局、その時々の状態で、より負担の少ない方を選ぶということがベストなのでしょう。
いずれにしても、精白しているものよりしていないもの。雑穀や、パンならライ麦なども適度に摂ればよりよいし、美味しいですよね。
大事なのは、最低30回は噛むこと。
これに尽きるような気もします(^_^)
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