今回は、地方議員の仕事って何だろうっていうことについてお話をさせていただきます。

 

僕の所属している大分市議会では、毎年様々な学校に協力してもらいながら、高校生や大学生、専門学生のみんさんと意見交換会を開催しています。

 

この10月も、2回ほど高校生との意見交換会に出席してきました。

 

 

こういった会で、毎回のように出てくる質問が「市議会議員の仕事ってどんなことですか?」というものです。

 

毎回のように出てくるので、僕もよくよく考えてみたんですが、自分自身も学校で細かく「地方議員の仕事とは!」って習った記憶はありません。

 

大人であっても、普段の生活をする中で、ふと立ち止まって「そういえば地方議員の仕事って何だっけなぁ?」なんて考える機会なんかないでしょうから、そもそも地方議員の仕事って何だろうっていうことについて整理していくことは、社会にとって大切なことかなぁと思いました。

 

 

僕は8年弱、大分市議会議員として仕事をさせていただいてますので、そのあたりはかなり整理できていると自負しています(笑)。

 

突き詰めていくと、地方議員の仕事は、2つの機能に集約されると思います。

 

1つめは、行政から提案される予算や条例などの様々な議案を審議し議決権を行使するということに代表される行政をチェックする機能です。

 

これがもっとも根源的な地方議員の仕事だといえます。

 

合わせて、2つめとして、年を追うごとにその重要性を増している、日々の調査研究にもとづき多様な立場から政策を提案し、実現していくという機能があります。

 

地方分権によって地方自治の領域が大きくなり、その流れの中で、地方議会においても議員による政策提案と実現に関する重要性が高まってきています。

 

日本国内の行政の予算執行額を見てみると、国が全体のうち4割で、残りの6割が地方自治体による予算執行となっています。

 

この数字を見ていただくだけでも、地方自治が住民に密接な行政サービスの多くを主体的に担っているということがお分かりいただけると思いますし、その中でそれぞれの議員が多様な立場から政策を実現していくことの重要性も感じていただけると思います。

 

 

大まかに言って、以上の2つの機能を果たしていくことを期待されて、僕たちはみなさんの税金から報酬をいただいています。

 

中には、地域の行事に出席して、場合によってはみなさんと一緒に盆踊りを踊るというようなことを地方議員の仕事と思っている方もいっらしゃるかもしれませんが、自分のことを覚えてもらう個人の政治活動に税金から報酬をもらうなんてことはあってはならないので、本来的には地方議員の仕事とは言えません。

 

僕は、このことを整理していくことがとっても大切だと思っています。

 

 

タイムリーな話題を挟んでみますが、今、大阪市では大阪都構想の是非を問う住民投票が実施されています。

 

このこと自体には、過去の記事にも書かせていただいた通り、僕なりの見解を持っているのですが、それはさて置き、今回のテーマと関連することのみについてお話します。

 

 

大阪維新の会が住民投票の中でかなり推している視点であり、説得力のある考え方があります。

 

現行の大阪市では、270万人ほどの大都市に対して市長が一人であることによって、きめ細かな住民ニーズへの対応に限界がある。

 

そこで、大阪市という大都市を4つの特別行政区に分割することによって、それぞれに住民から直接選挙で選ばれる区長を設置し、地域の実情に即した住民サービスの展開をよりスピーディーに実現することができるというものです。

 

この点に関しては、そこにかかる予算を度外視すれば、枠組みとして多くの人が賛同しやすいものなのではないかと思います。

 

要は、政治的な性格を持つ機能を増やしていくことで、行政に住民ニーズを反映させることや、そのことにスピード感を持たせることができるという論理です。

 

 

話を戻すと、こうした機能については、一定程度、地方議会とそこに所属する議員も有していると言えます。

 

ですので、本来的に地方議員が有している機能を引き出していくことで、よりよい社会の実現に近づけるんじゃないかと僕は思いますし、こういった形でみなさんにお話をすると、そのことに賛同していただけるのではないかと考えました。

 

ですが、残念なことに、現状として地方議会および議員に対しては、議員定数や報酬の削減に関する意見だったり、もはや不要だという論調があったりと、ネガティブな意見をお持ちの方が多いと感じています。

 

僕は、真面目に仕事に取り組んできたと自負していますし、同じような気持ちの地方議員の方もいらっしゃると思うんですが、総体として、地方議会がみなさんの期待に応えるような仕事ができていないという事実があるのかもしれません。

 

だけど、ここまでお話をさせていただいた通り、制度上、すでに地方議会・議員には、社会をよくしていくための機能が与えられているという事実もあります。

 

地方議会にかかるコストがやり玉にあがるパターンが多いんだけど、そこから発揮されるパフォーマンスまでをセットで見ていただくことで、地方議会・議員は、大きな努力は必要だけど、自身の存在を正当化していくことができるんじゃないかと思います。

 

 

つまり、本来果たさなければならない役割に関して、より厳しい目で、僕たちの仕事ぶりをみなさんにチェックして欲しいということです。

 

そのことによって、僕たちは本来の仕事に、より一層力を注ぐことができると思いますし、議員それぞれの多様な立場から住民サービスの向上を実現していくことができると思います。

 

ダメダメな議会や議員であれば、容赦なく批判してください。

 

批判によって軌道修正ができるはずです。

 

それとは逆に、頑張っていたら、躊躇なく褒めてください。

 

僕は、自分をめっちゃコスパのいい地方議員だと思っているんですが、あまり褒めてもらったことがありません。

 

だから、このブログでよく自画自賛してるんですが、それだけでは虚しい(笑)。

 

僕たちも人間だから、褒められたら、めっちゃやる気が出ます!

 

 

話が脱線してしまいましたが、みなさんに厳しい目でチェックをしていただくことで、地方議会・議員が真価を発揮できるはずだ!ということを念押しさせていただき、今回の記事の結びといたします。