今回は、目下猛烈勉強中の行政が保有する個人情報の活用についてお話をさせていただきます。
前々回の記事でお話させていただいた通り、6月25日からはじまる大分市議会の定例会で、僕は個人情報の活用をテーマにしよう考とえています。
個人情報を集約化して活用すれば、様々な観点から住民一人ひとりが必要とする支援を行政側からピックアップすることができ、過去に遡って情報を照会することで、より多角的に柔軟な対応が可能となり、オーダーメイドの行政サービスが実現するということと、その情報ストックを分析すれば、社会を進歩させる研究を数多く推進することができるはずだという想いからです。
一昨日時点では、理論武装のレベルをドラクエに例えるならこんぼうに革の服状態と表現しましたが、現時点では、銅の剣に革の鎧、青銅の盾と言ったところでしょうか。
まだまだ序盤感が拭いきれていませんが、わざわざこういった表現をしたからには意図があります。
武器のクオリティは低いが、勇者としての体は成してきたということです。
こんぼうに革の服でうろうろしていたら、確実にヤバい人ですから。
ちなみに、総務省のホームページであたまがさえるほんを発見したので、熟読し、きれものにもなりました。
ということで、きれもの勇者の考える今後の冒険の方針について、言及させていただきます。
まずは、部署ごとに点在する市民の個人情報の集約化を図るべきだという提案をさせていただき、大分市の見解を問いたいと思います。
個人情報の集約化は、セキュリティの課題を度外視すれば、確実に市民サービスの向上と行政運営の効率化につながると思うからです。
個人情報を集約化するシステムを作ってしまえば、今後期待される人工知能の技術向上などと組み合わせて、様々な活用法が生まれてくると思います。
すでに兵庫県の姫路市ではこうした取り組みが実施されており、集約した個人情報を匿名化して分析し、政策の立案に役立てています。
姫路市のようなビッグデータとしての活用だけでなく、市民一人ひとりの必要とする行政サービスを見出すことにも活用することができます。
取り組みが鈍化している印象のあるマイナンバー制度は、本来はそういった機能を果たしていくことを目的にはじまったものですが、いまだ発展途上の状態と言えると思います。
だったら、市で独自にシステムを構築しちゃえばいい。
より住民に近い基礎自治体だからこそ保有できる情報は沢山あるわけなので、十分に機能するはずです。
だから、まずは作っちゃうということが非常に重要。
次に、集約した個人情報を匿名化して活用するだけでなく、まさに特定の市民個人の情報として活用していくためには、越えなければならないハードルがあります。
個人情報保護条例です。
全国の自治体では、それぞれで定めた個人情報保護条例によって、行政が取得した個人情報の目的外利用が禁じられています。
基本的に、行政は取得した個人情報をその取得した目的以外に利用してはいけないということです。
もちろん、大分市でもそのようになっています。
しかし、目的外利用の禁止に関する例外も存在します。
今回僕が提案しようと考えている個人情報の活用にあたっては、条文で定められている内の以下の3点の例外に該当するか否かが、そもそもの実現可能性の有無に直結します。
・人の生命、身体、生活又は財産の安全を守るため、緊急かつやむを得ないと認められるとき。
・実施機関又は他の実施機関がその事務の遂行に必要な限度で個人情報を利用し、かつ、当該利用することについて相当の理由があるとして、当該実施機関内部で利用し、又は当該他の実施機関に提供するとき。
・前各号に掲げるもののほか、大分市個人情報保護審査会の意見を聴いた上で、公益上の必要その他相当の理由があると認められる場合であって、個人の権利利益を不当に侵害するおそれがないと認められるとき。
これらのいずれかに該当するのかどうか、市の見解を聞く必要があるということです。
該当しないという場合は、条例のあり方について議論する必要があります。
以前の記事、自分の仕事内容整理のために書いたメモ的な記事の割に超大作!の巻で大阪府の箕面市の子どもに関する様々な情報を集約して管理する『子ども成長見守りシステム』の設計・運用の手法について紹介しましたが、その中で、箕面市が個人情報保護条例の改正を行っていることに触れさせていただいていますので、その部分を以下に記します。
箕面市ならではの手法としては、教育部門が持つ個人情報と福祉部門が持つ個人情報を、子ども成長見守り室で集約している点が挙げられるそうで、箕面市では、「市の執行機関に置かれた附属機関の意見を聴いて実施機関が定める者について、その心身の保護又は生活の支援の目的のために必要があると認めた場合」においては、個人情報の目的外利用・外部提供の禁止の例外とする個人情報保護条例が施行されており、このことが子ども成長見守りシステムの運用に際して大きく効果を生んでいるとのことです。
僕は、個人情報を活用することで行政サービスが向上するはずだという立場ですので、こうした技術的な部分についても触れ、個人情報の活用について活路を見出したいです。
個人情報を弾力的に活用することができるという担保が取れれば、いよいよその活用策について提案をさせていただきます。
はじめに提案した個人情報を集約化するシステムを使って、政策の立案はもちろん、市民一人ひとりの特性に合わせた行政サービスを届ける仕組みを作りたいです。
届けるというのは、本当にこちらから市民の手に届けるという意味です。
情報を集約化すれば、困りを抱えた市民を見つけることができます。
困りを抱えていても、行政からの支援にたどり着かない人が社会には沢山いるはずです。
これまでの行政は、特に支援サービスに関しては、内容を告示し、必要とする方から申請を待つというスタイルでした。
これからは、困りを抱えた人を行政が見つけて、その支援をその人のもとに届けていかなきゃ。
それこそが、真に公正公平な行政サービスだと思うからです。
すぐにそんな大きなことができるとは思ってはいません。
究極とも言える行政サービスの姿を目指し、今回の議会では、その姿をデッサンしたいと考えています。
そのために鉛筆研いで準備を進めますというドラクエ離れした決意表明をさせていただき、今回の記事の結びといたします。
最後に一言・・・大分に元気とまつき!!