【 「社会的な誤診」を防ぐために 】 ~熱中症対策で考えるべきこと~ | キセキを紡ぐ Rut of hope

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今日もあつーい。

暑いけど、湿度が敵な仕事ラッシュなので、

いつもより2度エアコン設定温度を下げて寒いくらいだ。

下げとかないと、どーもこーも出来んくらいに仕事が進まない(´-﹏-`;)

デタラメ大量注文なので、電気代とかゆーとられんよ。


ちゅーことで、

船木徳威さんのFacebookより転載させていただきます。

いつもありがとうございます。

↓↓↓

 

【 「社会的な誤診」を防ぐために 】

~熱中症対策で考えるべきこと~

 

熱中症にならないように、ましてや熱があるというだけでPCR検査を実施され、

新型肺炎患者にカウントされないために気をつけることは、

まず、最低限、『室温、水分、塩分、降圧剤(血圧を下げる薬)』です。

 

熱中症とは「気温の高い環境にいることで体温を調節する機能が狂ったり、

体内の水分や塩分のバランスが崩れたりすることで起こる、めまいや頭痛、

けいれん、意識障害などの症状をまとめていうもの」です。

 

今年(2023年)は例年に比べ、特に暑い日もあったからか

厚労省の発表を見ても8月中の熱中症による救急搬送数は大幅に増えております。

令和元年8/10-8/16で7,639人(確定値)今年の同期間で 12,804人(速報値)。

 

熱中症もあるレベルを超えると、重篤な腎機能低下をはじめ、全身の重要臓器の

機能に異常をきたし、最終的には死に至ります。

私が大学病院にいたころ、独り暮らしの80代の男性が、エアコンもない部屋で4日間、

意識もなくなり、事実上飲まず食わずで40度を超える体温で搬送されてきたのを診たことがあります。

(ICUでの管理になり、なんとか一命はとりとめましたが、ひどい腎不全が残りました)

 

現在、私は、260名ほどの自力で動くことも、食事することも難しい、寝たきりの方々を

主に診療しております。

毎年のことですが、夏は、ご高齢の方にとって非常に厳しい季節です。

90、100歳というみなさまを診療する上で私がなにを気にしているのか、

経験に基づくだけで教科書には書いていないことも含めてお話ししようと思います。

 

●室温・気温

エアコンで、26~28度に設定すること。

エアコンが壊れていることもよくありますし多いのはリモコンが見つからないというもの。

リモコンだけ買えることを知らない人が多いです。

気密性の高い住宅や、高層住宅では自然の風を期待するのは難しいのですが、

「クーラーは嫌い」だと30度以上の部屋で生活している高齢者はかなりの数にのぼります。

 

●水分

水、番茶、麦茶を常温でいいので、1リットル以上は飲むこと。

キュウリやスイカだとたくさん摂れるという高齢者が多いので、好みに応じて、

とにかくたくさん食べること。

 

●塩分

毎日、天然塩(海水から作ったもの)、味噌、醤油を必ず摂ること。

食欲がなくても、麺類なら食べられる人が多いです。

素麺やうどんも相当の塩分を含みます。

卓上塩ではなく、天然塩をキュウリなどに多めにかけて食べる、

味噌汁、漬け物、梅干しを積極的に、できれば毎日摂ること。

 

●タンパク質

人間の身体を作っているのはタンパク質です。

卵、魚、肉を好きな形で、とにかく摂ること。

やはり、夏は、味噌汁、枝豆、焼き魚などが進みやすい人が多いように思います。

(確かに高齢者のなかには、お菓子やお粥などの炭水化物だけで何年も生きている人もいますがあくまで例外的でしょう)

 

●降圧剤

40歳代から血圧を下げる薬を飲んでいる人がどんどん増えてゆきます。

中には、利尿剤といって普段は、身体の余分な水、塩分を排出する薬を毎日飲むことで血圧を下げている人も多いです。

私が、あちこちの病院で受け入れた救急車で搬送されてくる方は、その多くが、

降圧剤を定期的に内服しており、水分・塩分が摂れないまま血圧だけ下がり、

ますます動けなくなって、どんどん体温も上がって・・・、という経過を

たどっています。

 

普段の血圧(起床時、就寝時)は毎日記録し、春や秋に比べ10-20mmHgくらいの低下を

見るようなら、定期的に内服する薬の内容を変えなくてよいかどうか主治医の先生に確認することです。

 

●過度の飲酒

普段から比較的元気な高齢者もそうですが友だちや家族がおらず、孤立している方で

少しずつ、一日中飲酒しているという人もめずらしくありません。

アルコールは身体の大事な水や塩分をどんどん尿に出してしまいます。

酔って、思うように身体が動かず、なにもかも面倒になって、まともな食事も摂らず

結局、お酒だけしか飲んでいないという人は非常に危険です。

 

●孤独

「孤独死」ということばにも象徴されるように現代は、家族も疎遠になり、隣近所との

つきあいもほとんどない人が大勢います。

これは単に、ご本人が電話もかけられない状態になる前に、家族や近くの人が気づかないだけでなく、

「孤独」そのものが多くの病気を増やし多くの病気を悪化させるという点に問題があるのです。

感染症だけを取り上げても、一般に「誰かが誰かにうつす」というプロセスだけを問題にしていますが、

過去には、実は感染症であるはずの「一般的な風邪 (commoncold)」に最もかかりやすいのは、

「ほとんど外出をしない、独り暮らしの男性」だとする研究もあるくらいです。

 

とにかく人間は、他者とコミュニケーションを取らないと病んでいきます。

そして、ただ話すだけではなく、普段から笑う、あこがれる、ときめく、感動する・・・と

いった、ポジティブな情動(心の動き)があって生きていられる生き物なのだと実感します。

部屋から出るのが怖ければ、電話でもメールでもかまいません。

無価値なニュースではなく良質な映画やドラマを見る道具としてテレビ(機械として)を利用することです。

 

●エネルギー

~を食べて~キロカロリーという話ではありません。

私たちは、明らかに、外からエネルギーを貰い、自分のなかでもエネルギーを生み出し、

また他者、外の世界に、エネルギーを放出しています。

ことばではうまく表せませんが、私は、何百人の死にゆく姿、その人の最期の時期の話や行動、

住んでいる部屋、家に満ちている「気」のようなものを感じてきて、繰り返し思うことがあります。

よい食事、よい情報、善意のこもった人間関係のなかでのやりとり(ことばやモノ、経験など)

に満ちている人や、そういったすがすがしい「気」の満ちた部屋、家、その家族に囲まれ、

いつも暖かな気持ちになれる人や家もあれば、そういったもののほとんど感じられない人、家もあります。

間違いなく、前者の人たちは、病気になりにくくなっても治りやすい、そして急な体調の変化を

見ることがほとんどありません。

 

私は、こうした人を生かし、家を支える、「よい気」「エネルギー」の存在を信じます。

それを増やすのは、手っ取り早いのは、「よいことば(最も強力なのは『ありがとう』)」

を、たったひとりの時でもよいので、口に出して言うことです。

 

あとは、人間に比べ、純粋に生きるためのエネルギーを損得感情なく発散している動物(犬やネコも、ウサギや魚でも)や植物(花や野菜、木でも)を、近くに置くことだと、私は勝手に考えています。

 

よく分からない、思い込みに過ぎない話をしていると思われるかも知れません。確かにそうかも知れません。

が、熱中症にせよ、通常の肺炎で命を落とすにせよ、リスクが圧倒的に高いのは高齢者のみなさんです。

その高齢者のみなさんを中心に毎日診ており、特に年間80~100名ほどの方々の最期を何週間か何ヶ月、場合によっては何年間と

診てきた経験に基づく考えです。

普段の生活を何ヶ月も診ていると、だいたいの場合、次にトラブルが起きるとすればどんなものかは予想がつきます。

熱中症もそのひとつで、私たちは、自宅に独り暮らしでいる人にもすぐに点滴などの処置が行えるような体制を作っております。

 

とは言え、その患者さんが、なんらかの事情で病院に搬送されてしまった場合、

(自宅での療養が継続しがたい、病院での処置を本人・家族が希望したなど)現在は高い確率でPCR検査を要求されます。

 

その際、PCR検査が陽性で、仮に熱中症の症状がおさまり、自宅に戻ってきたとしても

その患者さんは「新型●●患者」として扱われ私たちだけでなく、訪問の看護師やヘルパー、

少々歩ける人ならデイサービスなどの通所に後々、大きな影響を与え、それまでどおりの

サービスが受けられなくなる可能性があります。

 

私たちは200数十名を超える高齢者を担当しておりますが、「発熱した、まだ熱が下がらない」と

いう連絡は、ほとんど毎日入ります。

それでも「新型●●」のPCR検査をおこなったのは、入居していた施設側からの要請で、どうしても、

という1件だけで、結果も陰性でした。

 

月に10万人以上が亡くなる、この日本で新型肺炎を死因にする方が、報道が正しいとしても

1,000人程度であるのが多いとか少ないとかいう話をするつもりはありません。

 

餅を詰まらせて亡くなる方よりも少ないから軽く見て良いというつもりもありません。

 

当たり前ですが、~人というのは、ただの統計上の数字ではなく、確かに、

この地上から過ぎ去った命があるというひとつの証拠なのですから。

 

ただ、私は、20年以上医師として仕事をしてきて自分が社会に要求されている仕事には、

相当の慎重さを憶えてきたつもりです。

 

死亡診断もそのひとつです。

 

末期癌の方が、最後に軽い肺炎を起こしてなくなったところで、その方の死因は「ガン」です。

 

末期癌の方が、たまたま受けたPCR検査で陽性という結果が出てから亡くなっても

その方の死因は「ガン」です。

 

85歳、90歳の食事もほとんどとれなくなって水さえ飲み込むことができない状態では

相当の確率で小さな肺炎を繰り返します。

 

が、その方の基礎的な身体の状態を考えれば亡くなったときに小さな肺炎があったとしても

死因は「老衰」としています。

 

診断はあくまで医師の裁量権が大きくその人の考え方、診療そのもののとらえ方に

左右される面ももちろんあります。

 

私は、ほかの先生方のやり方を責めたり、指導したりする立場にはありませんが、それでも、

大事だと考えていて、一切変えるつもりはないのは「自分の診断に、他の医師以外の客観的意見『以外』

のあらゆる影響を決して受けてはならない」ということ。

 

社会がこうだから、こんな圧力がかかっているからマスコミでは「みんながこう言っている」らしいとか

そんな影響を決して受けてはなりません。

あたりまえのことです。

 

歴史上、政府やごく一部の狂った思想を持つ集団の誘導のもとに、標的とした集団の人たちを特定の病気と診断するよう強要され、その人権、生命さえも犠牲にした事実はいくらでも挙げられます。

残念ながら医師たちが、その片棒を担いだことも事実です。

世界中の医師が、「患者を害することなかれ」という大原則のもと仕事をしている以上、一切の言い訳はできません。

 

いま、これまで以上に医師が注意しなくてはならないのは、常に、新しい知識を得ながらも、ものごとを俯瞰することと、

あらゆる権力や、それにコントロールされた世論などに影響を受けず良心から、事実を客観視することだと私は思います。

 

私たちは、医師である前に人として、病んでいる人たちのすべてを守らねばなりません。

これまで先人たちが伝統的に育んできた応用科学のひとつである、学問としての医学の徒として、

私は、その医学を学び、医学を扱う職にあることを誇りに感じてやってきました。

 

そしてもし、世界の医師たちがそのすべての智慧を、病む人のために用いるならば、

いまの大きな疑問を感じざるを得ない状況は大きく変わり始めると信じています。

 

私は、人の尊厳をわずかでも傷つけることを目的にしたあらゆる思想、集団、権力に一生、従うことはないでしょう。

そして、世界中に想いを同じくする医師たちがいることを信じています。

 

~王子北口内科クリニック院長・ふなきたけのり

 

 

 

  

 

 

 

 

  

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表紙と挿絵を描かせていただきました↓↓

 

 

 

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