【魔女狩りとしての薬物検査】 | キセキを紡ぐ Rut of hope

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【魔女狩りとしての薬物検査】

 

競争相手をつぶすために、濡れ衣を着せるというやり方は、昔からあった。自分で放火しておいて、誰がやったと言って追放してしまったり、黒魔術を使ったとありもしないことを語って、火あぶりにしてしまったりした。そういうのはだいたい、自分がやっていることを競争相手の罪にしていることが多い。それで競争相手を追い払うと同時に、自分の犯罪を隠すことができるという手だ。

 

昨年2月から、ウクライナの紛争のことで、ロシアが悪いと西側メディアは一斉に攻撃しているけれど、よく調べてみると、事実はまるで逆だった。マリウポリの産院を爆撃したという報道も、しばらくしたら、実はウクライナ軍がやっていたことがわかったし、ウクライナの子供たちを強制的に連行しているという話も、ロシアは避難させていただけだったことがわかった。ロシア側は、ウクライナの子供たちがロシアに連れてこられたのは、避難のためかリハビリのためだけだったから、一体何の話をしているのだかわからない、といった様子だった。ところで、現実にウクライナの子供たちを誘拐して、人身売買していたのは、ウクライナ軍の方だった。

 

今年3月に中国首席の習近平がモスクワでプーチンと会談したときに、国際大会から締め出されているロシアのスポーツ選手たちに機会を与えるために、中国と協力して国際スポーツ大会を開くということを、プーチンが言っていた。そのときは、ロシアがウクライナに侵攻したからという理由で締め出されているのだと思っていたけれど、ロシアの選手が国際大会で出場停止にされているのは、それ以前からのことだった。ロシアが組織的にドーピングを行なっていて、それを隠蔽したという理由で、すべての種目でロシアの選手は4年間国際大会に出場停止になるということを、2019年に世界反ドーピング協会(WADA)が決定したというのだ。

 

ロシアが選手にドーピングを勧めているというのも、何だか妙な気がしたので、調べてみると、ロシアの選手が使ったとされている薬物は、筋肉増強剤とか興奮剤みたいなものではなくて、狭心症の予防に使うメルドニウムとかトリメタジジンとかの薬だった。それも、昔から市販されていたようなもので、これといった副作用があるわけでもなく、一体何だってそんな薬で大騒ぎしているのだかわからない。この薬が、2014年からWADAの使用禁止薬物リストに入れられたので、ロシア選手のドーピング違反が激増したということらしい。

普通にネット検索すると、西側メディアの見解が書いてある記事ばかりが出てくるけれど、それを見ていると、ロシアばかりがドーピング違反をしているように見える。実際、ロシアの選手が圧倒的多数で摘発されているらしい。だけど、どれも狭心症の予防薬のようなものばかりだ。それなのに、悪どいドーピングをしているように書かれているのが、どうも妙だ。4年もの出場停止処分は、普通ならば、アナボリックステロイドみたいな、危険な筋肉増強剤を常用していた場合くらいで、そうでなかったらせいぜい数カ月なのだそうだ。だけど、ロシアがやったとなると、まるで凶悪犯罪みたいな扱われ方をする。それも、この2年でさんざん見てきた西側のダブルスタンダードそのものだ。

 

こういう話は、ロシア在住のドイツ人ジャーナリスト、トーマス・レーパーがよく調べて書いているので、彼のサイトを検索して調べてみることにした。すると、実に深い闇が次々と見えてきたのだ。

 

レーパーがロシア外務省報道官のマリア・ザハロワにインタビューした記事で、ドーピング問題のテーマも出てきていた。「悪いけど、アメリカのスポーツ選手は女性が男のような筋肉質の身体をしていて、一目瞭然じゃない」と彼女は言っていた。プレドニゾロンみたいな、男性ホルモンが入ったステロイド剤を使っているのは、見ただけでわかるというのだ。これは、世界反ドーピング協会で禁止されている薬物だ。そして実際、アメリカや他の西側の選手のドーピングテストでは、プレドニゾロンその他の薬物が何種類も出てきたりしているらしい。ところが、西側の選手だと、それはアレルギーだとか喘息の薬として使っているから、違反にはならない、という判定が出るのだそうだ。

ところでロシアの選手がよく違反摘発されているメルドニウムは、そんな風に筋肉がつくわけでもなく、運動能力が高まるわけでもない。狭心症の予防に、昔から使われてきた薬だというのだ。心臓機能が多少よくなるかもしれないというくらいのことなのに、ロシアの選手が使っていると、ドーピング違反で出場停止だということになる。これはスポーツの公正さとは何の関係もなく、スポーツの政治利用だとザハロワは言っていた。世界中をロシアに敵対させるために、スポーツまで利用しているのだと。

WADAが2019年に出した、すべての種目でロシアの選手を国際大会から締め出すという決定については、いろいろと批判も出ていたらしい。違反した人間が出場停止になるというのならまだわかるけれど、集団的に出場停止にするのは、フェアなやり方ではないというのだ。この集団的な出場停止の決定が出た理由として挙げられたのは、ドーピングテストをしていたモスクワの研究所で、2015年のテストサンプルがすり替えられていたことがわかり、組織的に不正を行なっていたことが判明したからだということだった。しかし、当時このモスクワの研究所の所長を勤めていたグリゴリ・ロドシェンコフという人物は、その後アメリカに逃亡しており、そもそもWADAの工作員だったというのだ。どこまでが事実なのかは確かめていないけれど、彼は、容易にハッキングできるようなデータバンクを使っていて、スポーツ選手たちをサンプルを取り換えるといって脅していたというようなことが書いてあった。アメリカに逃亡したというのだから、ロシアにいられなくなるようなことがあったのだろう。

 

ところが、2019年になって、WADA はそのことを持ち出してきて、ロシアが組織的にドーピングを隠蔽していたとして、すべての種目の選手を4年間出場停止だというのだ。結局、ロシアの国旗も国歌もなしでなら、個人として出場してもよいということにはなったのだけれど、そのときWADAの副会長は、ロシア選手を国際大会から完全に締め出すことができなかったのが悔しいといって、涙を流さんばかりに怒っていたそうだ。

それも何だか妙な話だ。ドーピング禁止というのは、そもそもスポーツ選手の健康を守るためのものだ。それなのに、反ドーピング協会の人間が、ロシアを締め出せなかったとそんなに悔しがるなんて、選手のことを考えている態度ではない。それより、何かの理由で、ロシアを締め出すことに執念を燃やしているように思える。

 

ところで、このWADAという組織は、国連機関とかではなくて、国際NPOだかNGOだかといったような組織らしい。民主主義的に決定を下すシステムがあるわけでもなく、透明性もない。しかし、WADAが決定したとなったら、国際大会に参加する国は従わなければならないことになるのだ。この意味で、WADAはスポーツ選手を支配するような権限を持っていると言える。誰が出場できて、誰ができないのか、WADAが決められるのだ。これは脅迫にも使えるし、腐敗の温床になりそうな話でもある。

この類のことも、2020年から、世界保健機関やら感染防止研究所やらヒューマンライツウォッチやらで、さんざん見てきた。こうした国際機関は、外見とは裏腹に公正さや民主主義とは関係のない機関で、資金提供者が望むように判定を出しているだけだったのだ。つまり、体裁のいい八百長組織のようなものだった。

 

WADAについては、サイトで資金提供者を調べてみれば、どこに繋がっているかは、わかるのじゃないかと思う。私はそこまでは見なかったけれど、ただ製薬会社がパートナーになっているのは、妙だと思った。ドーピングに関わることだから、製薬の専門知識が必要だというのは、もっともらしいのだけれど、あるいは、ある種の薬を許可させるために資金を出しているのではないのかと疑いが湧く。

 

実際、2020年に始まった奇妙なパンデミックで、薬品認可機関に製薬会社が隠れた形で関わっていたというような話がいたるところで表に出てきていた。薬品認可を出す機関も、その決定を審査する機関も、すべて同じ製薬会社がトンネル会社を通して、資金を出して動かしていたという茶番みたいな話なのだ。認可するのも、税金で国が購入するのも、すべて最初から決まっていて、それで流れるお金を見込んで、組織や政治家を買収していたというわけだった。

 

ドーピングは、製薬会社にしてみれば、いい商売なのだろう。西側の女子選手たちが、男みたいな身体になるくらいに危ないステロイドや男性ホルモンを使いまくっていても、WADAが味方についていれば、違反摘発されることもない、というのが現状のようだ。そして、WADAに楯突くロシアは、全員が4年間も出場停止とか、理不尽な決定を押しつけられている。その上、ロシア選手のところには、オリンピック宿舎の部屋にWADAの検査官が時間かまわず、朝6時とか夜中とかにやってきて、検査したり、部屋の持ち物を捜査したりしているという。これは、心理的な妨害工作とも言える。その一方で、西側の選手たちは、急に筋肉ムキムキになってたりしても、調べられていないというのだ。

 

ところで、ロシアのフィギュアスケート選手カミラ・ワリエラがドーピング違反をしているとして出場停止になっている薬、トリメタジジンについて、フランスのスポーツ医学者でドーピング問題の権威であるジャン・ピエール・モンデュナール博士は、この薬が運動能力を向上させる証拠はない、とこの秋に発表していた。これは、狭心症の予防に使われる薬なのだけれど、狭心症を予防する以外の効能はないということだった。それ以外に、やはりロシア選手が違反しているとして処分を受けていた、メルドニウムという狭心症の薬も、運動能力を向上させる証拠はないということだった。

 

一方、2019年に、リガンドロルという非ステロイド系のホルモン剤が見つかって、二年間の出場停止を受けたカナダの女子ボート選手ローランス・ヴァンサン・ラピュアントは、当時の恋人であったサッカー選手が使っていたために、身体的接触を通して尿に出たのだという冗談みたいな理由で、出場停止処分を解除された。また、イギリス代表として何度もオリンピックに出場していたソマリア出身のマラソン選手モハメッド・ファラーは、彼のコーチ、アルベルト・サラザールが選手たちに許容範囲の何倍ものカルニチンを注射していたというので、職務停止処分になったのだけれど、イギリスの反ドーピング協会は、ファラーの検査サンプルを出して欲しいという要請を拒否した。それで、コーチが処分になっただけで、その件は片づいたことになり、ファラーは出場停止にはならなかった。

 

ロシアのフィギュア選手ワリエラのことは、ドーピングとセットでなければ出てこないくらいなのに、ファラーのドーピング疑惑のことは、ネット検索しても、ドーピング疑惑に抗議するファラー、というような記事が一つ二つ出てくるくらいで、ヴィキペディアにも書いていない。この数年ほど、ネット情報も含めて、メディアがいかに操作されているかが、表に出てきていたけれど、ドーピング問題についても同じことのようだ。事実がどうなのかは関係なく、ロシアはドーピングを公然とやっている悪い国だ、という印象を与えるようにされているのだ。

 

ロシアが悪いと言われていると、事実は真逆だというのは、毎回まったく同じなので、ほとんど退屈なくらいだけれど、これでまた、西側のスポーツ界がいかに腐敗しているかがよくわかった。オリンピックを見る人も、世界中で年々減っているようだけれど、八百長が蔓延したスポーツほどつまらないものはないのだから、当然のことだ。背景がわかればこそ、ロシアがBRICSの国際スポーツ大会を開催することにしたのには、単にロシア選手に国際大会の機会を与えるという以上の意味があったことがよくわかる。これは、フェアなスポーツ精神、政治と関係なく国際的な友好を築こうというオリンピック精神を、本当の意味で取り戻すための大会なのだ。

 

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画像は、13歳の時のカミラ・ワリエラ

 

1人、スケートをしているの画像のようです

 

 

 

 

 

表紙と挿絵を描かせていただきました↓↓

 

 

 

表紙と挿絵を描かせていただきました↓↓

 

表紙と挿絵を描かせていただきました↓↓

 

表紙と挿絵を描かせていただきました↓↓

 

可愛いから貼ってるだけ↓((´∀`))ケラケラ