0768 安い靴のブルース
普段だといつも素通りしてしまう近所の靴屋さんに入ってみたら、なんか知らないけどよりどり2足5000円とかいって革靴がえらい安い。私はこう見えて革靴はわりとちゃんとしたものを履くんですけど、大抵1年くらいで履きつぶしてしまうんです。なのでできるだけ靴なんて安い方がいいかもしれないなんて思ってたところであって、出来心で買ってみることにした。
するとそのうちの1足は履いてわずか1週間くらいで靴底がべろーんと裂けてきたので、私はびっくりしてしまった。そんな経験は初めてだったのでさすがに笑ってしまった。まあ安いやつだからしょうがないのかと思うことにした。
でももう1足の方はわりと平気だったのだ。まあいくらなんでも安いからって靴底が剥れるなんてありえないだろう。しかし3ヶ月くらい履いていたら、やはりこっちも同じように靴底が剥れてきた。そうか安い靴はこうなるのか。私は学習した。
でも靴の表面はまだまだしっかりしているのだ。私に言わせれば全然履けそうな感じなのだ。で思った。これ修理とかってできるんじゃないのか。
さっそく買った店に行って、なんかそういう靴専門のセメダインみたいなのってあるんですか?て聞いてみた。ここで買った靴が2足ともすぐにダメになっちゃったので、とは言わなかった。ここは大人になることにしたのだ。
するとオッサン得意気に「ありますよ~」なんて言うのだな。やっぱり世の中にはあるのだそういうのが。
でお金払う時にそのオッサンがまくしたてた。「これね、塗るでしょ、そしたら一回乾かさないとね、だめ。すぐ圧着してもくっつかないから」なんつってえらい嬉しそうに言うのだ。気付いてないだろうけど今のアンタ、ものすげえ光ってるぜ。そう思いながら店を出た。
