0534 シングル・マン | 松田のこれ知っとるか?~炎の1000本ノック。

0534 シングル・マン

シングル・マン/RCサクセション

なんだか最近、RCサクセションや忌野清志郎の音楽ばかり聴いています。久しぶりに聴いてみるとやっぱりいいんだ、これが。素晴らしいんだほんとに。正直なところ、ここしばらくはあんまりちゃんと聴いてなかったのです。今さら何を言っているんだという話である。ほんとにごめんなさいと言いたい心境である。


この「シングル・マン」は、その昔から名盤といわれていたアルバムであった。なのだけど、このアルバムに関しては実はあまりピンときたことが無かった。2曲目でいきなりリンコさんがリードヴォーカルをとったりしているし、違和感というか、とにかく私が知ってるRCサクセションの音楽とはちょっと違ったのである。なじみのある「スロー・バラード」にしても、私が勝手に親しんでいたそれとは、やっぱりなんかちょっと違った。かといってフォーク時代と呼ばれていた音には、それはそれで、ああそういうことも昔はやってたのね、と簡単に受け入れることができたのだが、このアルバムはそれらともちょっと、いやずいぶん違った。かなり風変わりな音楽だな、と思っていた。


でも今聴くと、このアルバムの良さがすごくよくわかる。全く今頃なにいってんだよオレは、という話である。これ、1975年とかなんでしょ?清志郎は当時22歳とかだったわけでしょう?ちょっと凄くないか?どうしてこんなアルバムが作れてしまったのかな。と思うわけである。よくわからないけどめちゃめちゃテンションが高いし、なんなんだこれはと思う。今でも謎すぎるアルバムではあって、とにかくなんだかわからないんだけど、すごい変なアルバムだと思ったのだ。その「変」で「謎」というのは、大人である私が思う理想的なロックっぽさそのものなのである。


星勝のアレンジは、本人達には不本意だったそうなのだけど、この異端な作品は彼の仕事ぶりに負うところがやはり大きいと思う。あとジャケットですね。インナーにはこのイラストを本人達が実践している写真が載ってるのだが、それがなんだかとても秀逸なのだ。どこか不気味で、そこはかとない凄みがあって、ずっと見てると吹いてしまう感じ。愛すべきRCサクセション。このジャケットとあの写真込みで「シングル・マン」という作品なのだという思いが強い。


ところで、「スローバラード」には2番はないんだぜという話。


「スローバラード」は、1番でAメロがあってBメロがきて、ちょっとした間奏があって、もう1回Bメロが来て、それでまた管楽器ののソロがあって、フェイドアウトして完結するのである。2番がないのだ。実はこのことに今まで気がつかなかった。それで完璧な曲なのである。でもやっぱりそれ、ちょっと変わってますよね。ただそれで何も問題はないのだ。完璧とはこういうことなのだと思う。


しかし実はこの曲は元々2番らしきものがあって、市営グランドの駐車場で寝ていたら、突然お巡りがやってきて注意されてムカついて、という続きがあったのだそうです。でもそれではせっかくの美しい歌が台無しだというので(そりゃそうだ・笑)削られたらしい。こちらのサイト に書いてありました。ちなみに「日隈くん」をめぐる衝撃エピソードも読めるので、興味があったらご覧になってみてください。


で今気がついたのだけど「シングル・マン」というのは、要するに独身男という意味なわけですよね。それは染みるわけだ。