0105 むんこまれた | 松田のこれ知っとるか?~炎の1000本ノック。

0105 むんこまれた

ピテカントロプスの逆襲 (通常版 ジュエルケース)/スネークマンショー
むかしむかし明治通り沿いにピテカントロプスという、当時でいうカフェバーみたいな内装のハコがあった。日本で初めてできたクラブなんて言い方をされてしまうと、へえそうだったんだなんて今では思ってしまうけれど、そこで毎月1.2回「sunday afternoon picnic」という企画のライブがあって、何度か私は足を運んだことがある。名前の通り、日曜日の昼間、14時くらいから始まるこのライブは18歳以上の大人は入場できないことになっていて、入場料は確かドリンク込みで1800円くらいだったと記憶する。そこで私はメロンとかミュート・ビートとかの演奏を見た。それは私にとって財産みたいなものだと思う。当時私は中学3年とか高校1年とかで、ライブハウスに行くのはやはりそれなりの勇気と気合が必要だった。なのでこの企画は非常に優しいと感じたのだ。

とりわけメロンのライブは忘れない。ブラックライトに包まれた真っ暗なステージで、白い宇宙服みたいな服を着たメンバーは蛍光色に妖しく反射されていて、表情がぜんぜん見えないけれど躍動感が溢れるパフォーマンスを私はまさに「体験」した。曲中でターンテーブルの「フラワーズ・オブ・ロマンス」や「ビリージーン」にスイッチを換えたりする演奏?はまさにフリーダムだと思った。ある日、本番中になんらかのトラブルでステージの電源が落ちてしまって、演奏がしばらく中断したことがある。私達はこういう時、何にもできなくなってしまうのよね、と言ってうろたえていたチカさんがかわいかったのが印象に残っている。

しかしやがてピテカンの主宰者であった桑原茂一氏は、観光客みたいな田舎者ばかり来るようになってしまったこのピテカンから新しいカルチャーが育っていくとはとても思えない、と悲観したようなコメントを残して閉鎖させてしまった。私はこの音源を聴いて、決して懐かしいなどと安易なコメントを残したくはないのだ。