宮崎正弘氏との対談…夢を持てない中国国民と世界を揺るがす新たなチャイナリスク | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

 世界の地政学は中国の覇権への対抗を意識するものとなっていますが、では、その中国の国内の実像はどうなのか。論者の間には悲観論もあれば楽観論もある中で、今回は宮崎正弘氏に話を聴いてみました。

 同氏によると…いま中国国民を覆っているのはこれまで経験したことのない不安心理だそうです。住宅の引き渡しがないのにローンは引き落とされていく、大学は出たけれど大量の大卒に就職先がない、不安心理が社会をどんなふうに変えていくか、見通しが立たない。…

 対外的にも、習近平の一帯一路では殆どのプロジェクトが失敗、不良債権の山となり、これまで他国を支配下に置く手段として知られた「債務の罠」に堕ちたのは、実は中国自身。

 米国からのデカップリング攻勢に対抗すべく欧州を分断して取り込んでいるのは巧みですが、各国からの投資は減少、外貨も不足している苦境を打破すべく、EVなどを中心に補助金とダンピングによる「過剰生産」。これが世界中の企業と労働者にとっての脅威になっています。

 中国国内では夢が見えない…そこで「人口侵略」ともいわれる大量の移民が米国に流入していますが、合法移民に対しては米国は排除の動き、そして不法移民は、なんと、ハマスではありませんが、メキシコとの国境に秘密の地下トンネル。

 ここからだと防げないということで、バイデン政権下でなんと1,200万人、東京都と同じ人口が米国に。これが米国内に地殻変動を起こし、各州の治安や財政を悪化させ、11月の大統領選の最大のイシューに。

 国内経済の悪化、14億の人口大国の中国国民に希望がないという状態が、世界を不安定化させている構図になっていますが、では、そもそも習近平体制は国内でもつのか…?中国5,000年の歴史を振り返ると、政権転覆は必ず兵士の反乱だったそうです。今は…兵士がたらふく食っているから、ひっくり返す動きなし。

 むしろ、ハッカー軍団が中国に300万人おり、世界中の政府や企業からハッキングし、大変な技術を有するとか。中国のハッカー軍団が習近平に反乱を起こしたら?

 いずれにしても、そんな状態でも経済が崩壊しないのは、株が下がりそうなら「株を買え」、不動産やクルマが売れないなら預金を持っている人に「買え」…なんとか強権で抑え込んでいるそうですが、もしそうであれば、いつまで続くのか。

宮崎氏からは「ハッカークーデター」との言葉も出ています。本対談、使えるネタが豊富な人気番組となっています。ぜひ、番組をご覧いただくか、後記をお読みいただければと思います。

 

◆ゴールデンウイーク特番『宮崎先生に訊く!悲惨な中国経済の実態!若者の失業率50%!?』ゲスト:評論家 宮崎正弘氏

 ↓↓↓

https://www.youtube.com/watch?v=hKAC-XxqmuM

 

●現在の中国国民事情

今までおカネじゃぶじゃぶ、海外旅行も。今は近場で。海外といっても香港。国内で北京とか上海。旧正月が終わって職場に戻ったら会社が潰れていた。1970万人の大卒、就職できたのは半分。彼らは一人っ子政策で苦労していない。大学出たのに職がない。甘やかされているから、掃除などできない。だから大学院に行く。今年の希望者460万人、日本の今年の出生数は75万人なのに。大学には定員がなく、海外に。

 

しかし、米国が締め出し始めた。書類不備として、留学手続きが済んでいる人を米国は追い出している。グリーンカードを持っていても、中国籍の人は米国の半導体企業には就職できない。ならば、中国籍を捨てるしかない。相当の若い中国人たちが米国から帰国。

 

不法移民はメキシコから秘密のトンネルで。バイデン政権は人権というので、政治亡命を申請。人権と言っている手前、置いておくしかない。そこでどーっと入っている。こっちは不法移民。合法移民は前述のようにはねている。留学生ビザは4年間だったのが、今は1年ごとに更新。かつての中国移民排斥法のようなもの。

 

中国国内では、マンションを買った人たち。物件引き渡しがなく、ローンは落ちていく。それで大反乱になるかといえば、抗議デモをすると公安が来て逮捕。言論の自由はない。

中国国民を覆っているのは今まで経験したことのない不安心理。ローンの不払い、大学は出たけれど。不安心理が社会をどんなふうに変えていくか、見通しが立たない。

 

●実は中国のほうが堕ちている「債務の罠」

債務の罠といわれるが、こちにも大きな動き。北京でのシルクロード世界大会で、これからは質の高い資本をと言った。今までは質が悪かった。新幹線は故障する。開通したのはインドネシアだけ。それも、そろそろガラガラに。全部失敗している。第二パナマ運河もち途中で資金が尽きた。ベネズエラの鉱区開発も政情不安。

 

パキスタンでは620億ドル注いで、パイプラインなど。しかし、独立運動で、中国人を狙ったテロ。もうプロジェクトはやめた。鉄道は途中でレールが、ガスは抜き取られる、セメントは盗まれる。お前たちの警備が悪いと。パキスタンは支払いが遅れている。対中国の純債務330億ドル、返せない。パキスタンは大きな挫折だ。

 

それと同じ小さな挫折を世界中で。一帯一路で150のプロジェクト、1兆ドルと言っていた。実際に7,000億ドル注いだが、不良債権に。債務の罠に堕ちたのは実は中国。

 

インドにも中国はどんどん入っているが、インドは国家安全保障を重視している。スリランカ、モルジブ、パキスタン、カトマンズ、ネパール、ブータン…入ろうとしている。

スリランカはハンバントタ港。インドとしては、安全保障では中国に譲れないが、商売はインドのほうが上。

●欧州に分断を起こしている中国、BRICs秩序は?

中国のうまいところは分断すること。メルケルは親中派だったが変わった。ドイツのロボット企業を中国は買収してかなりカチンときた。フォルクスワーゲンもベンツもEVブームで売れなくなり、中国の安いEVが欧州に。ちょっと待て、米国のように関税をかけようと。欧州も、EVへの補助金やめよう、数量制限をかけようと。これは欧州の総意。

 

中国は分断工作でフランスを攻めた。マクロン訪中では厚遇し、接待。コロッといった。彼は未だに親中派。ウクライナ問題では、NATO軍の支援に露骨に反対しているのがハンガリー。スロバキアも親ロ派が大統領選で勝ち、崩れている。ロシアはオイルとガスを輸出していて、ブルガリア辺りも揺れている。EUは一枚岩ではない。

英国は英国で中国は別の攻め方をしている。

 

BRICsは名前だけで実態はない。構想としてはBRICsコインとかがあるが、GDPが違う国々が一緒に通貨など出せない。サウジやイランなど、数が増えればまたバラバラになる。上海区協力機構にパキスタンやイランを入れた。中国として露骨な主導権はとれない。

G7に対するカウンターパンチを演出したもの。G7秩序に対抗。

 

NATOもEUも半世紀の時間をかけて、EUはようやく統一通貨に。中ロが金を大量に買っているというが、金は日本以外の人たちの体質だ。自分たちの通貨を信じていない。日本は日本政府に対する信頼はすごい。日銀券を信じている。

 

●中国の過剰生産問題

4月4~10日にイエレン米財務長官が訪中。イエレンが何をしに一週間も中国に?過剰生産。ダンピングで世界中に。世界の企業と労働者に対する脅威。日本も鉄鋼、あれだけ教え込んで、特殊鋼を創れるように。政府の補助金で。

米欧が注目しているのはEVとリチウムバッテリーの過剰生産。その警告に。補助金やダンピングが良くないと。

これに対して中国側は、補助金にのせいではなく、中国のイノベーションだと、制限をかけるのは自由貿易の精神に反すると。すごすごとイエレンは帰国した。

過剰生産でピンと来たのは中国国内のマンション。

 

日本が被害を受け立てるのは風力発電と太陽光パネル。風力は中国の5社が世界の7割。他国は潰れた。中国の12社が太陽光パネルで世界を乗っ取った。これらも過剰生産。

 

●台湾との関係

馬英九が訪中し習近平と会談。馬英九は総統になる直前に自分が独占インタビューしたが、自分はトラブルメーカーにならないと。地球市民の発想だ。先般の台湾総統選では、第三政党の台湾民衆党が地球市民だと言っていた。

 

台湾も変わってきている。中国が侵犯していても、台湾では、ある世代から上は脅威だが、若い世代には戦争の現実感がない。その支持層に馬英九は乗っている。国民党、民衆党が一緒にやると勝てると、馬英九はそれだけの政治力。フィクサー的存在?

これは中国には利用価値。習近平も会ってもいいぞと。

●中国の対米「人口侵略」

トランプの時代に、国境の壁といっても、470万人入った。防げないのはハマスと同じ。ガザに500キロ、ホーチミンもベトナムで日本が教えている、秘密トンネルからは防げない。

 

バイデンはキャッチ&リリースに。そして1,200万人、東京都の人口がバイデンの時に入り、治安悪化。財政負担。若い人に13万円もおこづかい。テント。カリフォルニアもシカゴも赤字に。治安が悪化してニューヨーク州から60万人がフロリダに移住。カリフォルニア州からも50万人が逃げ出した。シリコンバレーはゴーストタウンに。

 

こうした人口動態の激変。選挙の最大の争点はここ。バイデンも姿勢だけは、壁を造ると。トランプは徹底的にやると。1,100万人追い返すと。どこにいるかわからないので、できない。大統領選の争点になる。

 

あとは中絶問題。2022年の中間選挙で共和党が勝てなかったのは、若い女性が選挙に行ったから。トランプは州に任せると。

 

次のイシューは大学ローン。4,000万人が借りている、7,000億ドル。バイデンは減免すると。できない。真面目に払った人とは不公平。しかし、選挙キャンペーンで、2,000万人の若者の票をとれると。党益だけで国益を考えない。

 

米国は軍事基地周辺の不動産取得を認めてこなかったが、今度は農地を中国人には売らない。米国の最大の農地を持っているのはビルゲイツ。次はアグリビジネスにだと。人間は結局、食べていかないとならない。農地を持つのが最後の勝者だと。

 

フェンタニルで米国人が毎年10万人、死んでいる。メキシコのマフィア、材料は中国。だが、中国政府は我々は知らないところでやっていて、関知しないと。フェンタニルも米国人の対中感情を悪くしている。

 

中国国内では夢が見えない。携帯電話と口コミ。エクアドルから密林へ、メキシコで業者にカネを払って、ボートなどで。100万円は米国で取り返せると。大錯覚。かたに取られて奴隷のような工場で働かされる。罠。それでも中国から出たい。

 

●習近平体制はもつのか?ハッカークーデター?

表向きはまだ安泰だ。中国5,000年の歴史で政権を振り返ると、必ず兵士の反乱。今はたらふく食っているから、ひっくり返す動きなし。国民の貧困に耐えかねて、日本の二・二六のようなことはない。あるのはちょろまかし、収賄。三食を食えなくなったら反乱。だが、それは習近平の秘密警察がウォッチ。

 

ハッカー軍団が中国に300万人。世界中の政府や企業からハッキング。大変な技術。中国のハッカー軍団が習近平に反乱を起こしたら?ハッカークーデター。サイバークーデター。

 

ハッカーで世界の筆頭は中国。国籍不明が30%、どこか。実は米国。米国のハッカー技術は大変なもの。これは口外しない。すっぱ抜いたのはスノーデン。シギント、これまではヒューミント、そしてエリント、いまはシギントに移っている。世論調査も新聞ではなく、ユーチューブやティックトックに。もっと勢いをつけて世界を変えていく。

 

●崩落を抑えているのは強権、いつまでもつのか

中共が面子にかけて国民を食わしているのは共産党のおかげだと言うためには、小康状態を続けねばならないが、不動産が崩れて、これに貸し込んだ銀行が不良債権。表向きは20兆円だが、恐らく400兆円。それが爆発するのを防ぐ。

 

株がもっと暴落しないのは、投資家に売るなと命令するから。クルマが売れないとなると、預金をいくら持っているか知っているから、あんたの預金ならBYD買えるだろうと。不動産が落ちたら不動産を買えと。

 

これでなんとかもっているが、外資が引き揚げて、投資をやめているので外貨不足。手元のドル確保のために、海外資産を売却してドルを何とが確保。次に送るのは人民元の崩落。いまは強権的に抑えている。兵隊が三食食えるから。