動画ろんだん@松田政策研究所㉖~国会議員との対談より~松沢、野田元総理、後藤田、上田、杉田、稲田 | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

リアリズムの視点から様々な分野の論点に斬り込む松田政策研究所チャンネルでは、政治の現場に身を置く現職政治家との対談を重ねてきております。うち、国会議員については、国政の現場から政治の実態や課題を含めた幅広い観点からのご発言を求め、既に後記のように、与野党を問わず衆参併せて24人(延べ30回)の現職国会議員の方々との対談を発信してまいりました。

 

このブログでもテーマ別に、その多くを「動画ろんだん」シリーズの中でご紹介してきましたが、今回は、今年に入ってから半年の間に発信された、本ブログではまだ紹介されていない対談だけ6本、ご紹介します。

 

対談相手は、新しいほうから順番に、松沢成文・参議院議員(前神奈川県知事)、野田佳彦・前内閣総理大臣(衆議院議員)、後藤田正純・衆議院議員、上田清司・参議院議員(前埼玉県知事)、杉田水脈・衆議院議員、稲田朋美・自民党幹事長代行(衆議院議員)の皆さまです。以下、各人各様、先生方のそれぞれのご発言をお楽しみください。

 

【現職国会議員との対談実績(2020年6月20日現在):敬称略】

<衆議院議員>杉田水脈、上野宏史、長島昭久、細野豪志、城内実、甘利明、柴山昌彦、稲田朋美、長尾敬、後藤田正純、玉木雄一郎、古川元久、安立康史、藤田文武、馬淵澄夫、野田佳彦

<参議院議員>山田宏、和田政宗、佐藤正久、松川るい、石井苗子、松沢成文、渡辺善美、上田清司

 

●松沢成文・参議院議員(前神奈川県知事)「東京に新名所を!江戸城天守閣再建計画とは?」(6月12日)

ご存知でしょうか、江戸城には3つも天守閣があった、しかも大阪城よりも大きかった。私がかつてともに国会活動、選挙活動をした松沢成文・参議院議員との対談は、(肝心の?)国政の話は最後に少しだけ(爆弾発言付きで)、ほとんどは江戸城天守閣再建の話で盛り上がりました。今度の都知事で掲げるテーマにしては・・・?意外と?真実味のあるビッグストーリーです。

江戸幕府は外様大名の力を削ぐための公共事業として、将軍の代替わりの度に第三代までは天守閣を建設していたが、火災で焼失のあと、幕閣の保科正之が財政難の折、江戸庶民の街の復興を優先して以来、こんにちまで再建されず。新井白石がソウルにも北京にも立派なお城があるのに、江戸にはない、これは外交上の抑止力になる(現在の日本にも必要な発想)として再建を提言したが、それも財政難でかなわないままに・・・。

大阪城と違って設計図が残っており、そのまま完全に再建できる。ほとんどが組み木(震災に強い)の誇るべき木造建設。研究はどんどん進んでいるが、問題は霞が関。これだけ各省庁の規制がネックになっているとは・・・。国土交通省も文部科学省も宮内庁も・・・反対、消極的?

カジノという一時の快楽と違って、外交上も国威発揚上も文化面からもこれだけ総合的な観光資源はない。しかも、500億円でできる。首都東京には素晴らしい大景観が生まれ、世界中から観光客が東京に集まり、入場料で十分に採算がとれる。企業の内部留保を活用する大義名分は十分。ブランドイメージもアップ。個人からも寄付は相当集まる。

つまり、民間資金で天守閣が造れる。東大寺の大仏殿に次ぐ大きさの木造建築、高さでは世界一。税金を使わないので無駄な公共事業ではない。外国人たちはEdo Castleに来て、Where is the tower? さぞや首都だから、日本の中でもスゴイ天守閣があるだろう・・・?これと日本橋の復元、昔の魚河岸。それに東京駅の復元。江戸時代のすばらしい街並みが・・・。歴史と伝統を反映した新しい東京再生計画にも・・・?

利権まみれの保守と左の野党しかない日本は不幸

・・・ここから政治談議になりました。松沢議員の路線は、私も昔、ともに追求していた「第三極」、政党は色々と変遷しても、その志は不変でした。そうすえば松沢議員は今は維新ですが、「自民党が割れてほしい、我々と組んで。政権が長いと腐る、安倍さんも党内の親中派利権に邪魔されて十分なことができない。次の衆院選でみんながびっくりするようなことが起こりますよ。」・・・なんでしょう?期待してみたいものです。「石破さんたちが自民党を割って出てきて我々と組む、なんてことも。何が起こるのかわからないのが政界」…?

この対談で久しぶりにお目にかかった松沢議員は、国会では同じ次世代の党で、ともに自主憲法の研究会を運営した仲であったとともに、前神奈川県知事のネームバリューも活用して?2014年の衆院選では党・神奈川県連会長をしていた私とともに戦った仲でもあります。

本対談の最後に私から、「江戸城再建だけでなく国家のほうも再建を・・・」

 

●野田佳彦・前内閣総理大臣(衆議院議員)「元総理に訊く!民主党政権とは何だったのか?」(5月16日)

この顔はどこかで見覚えがある・・・などとおっしゃらないでください。安倍総理の前の日本国内閣総理大臣です。野田佳彦元総理というと、保守派の方々からは、民主党トンデモナイ、消費増税を決めた総理でしょ、対談は財務省ルートですか?などという反応になるのですが、私としては、民主党政権の総括がきちんとなされないと日本の民主主義政治は次に進めないという思いが元々、ありました。

二大政党制に対する国民の絶望をもたらした、あの民主党政権とはいったい何だったのか、この総括をやってほしい、ということで、本質的には保守政治家の野田元総理に迫ろうとした次第。野田さんでないと語れないことが色々あります。

・民主党はそもそも、何を目指そうとして政権をとったのか?

→社会で日の当たらない人たちに配慮した政治。予算配分を増やした。最大の国難は少子高齢社会。社会保障改革が必須だった。リーマンショック後に各国が財政健全化改革をつくる中で日本も作らざるを得なかった。

社会保障と税の一体改革に政治生命をかけた。安倍政権にはそれをやってほしかった。団塊の世代が後期高齢世代に入る前にやるべき課題。その財源が消費税。安倍さんは、その頃の魂を忘れながらやっているようだ。国民の将来の不安とは社会保障。消費税よりも消費増税対策に走っていて、使途も変わった。

伊勢志摩サミットで延期したのは、あのときはできた。躊躇なくやるべきだった。

安倍さんのあとの総理大臣はものすごく大変になるだろう。消費税も今まで以上に上げにくい。

・2012年に衆院解散に踏み切ったときの思いは?

→厳しい結果にはなる。ただ3年3か月たっていた。解散を延ばしてもいいことがあるわけでもない。特例公債法案も採決できず、予算を作ってもこれでは何もできない。自分の政権が引っ張って財源確保ができなくなるよりは。安倍総裁に定数削減を約束してもらった上で、一つのけじめ。自分の前の鳩山、菅政権に対する評価も厳しい。しかし、グッドルーザーになろうとした。

定数削減を飲んだのに・・・。実際には全く。国民の前で約束したことを破るとは・・・。覚書も交わしていた。なのに参院の定数を増やした。いまさら言ってもしょうがないが。

・民主党が政権をとったときの公約にはなく、ムダの削減などで財源を捻出するとしながら消費増税を決めたことが国民からの不信を招くことになったが、あえて国民に不人気な増税を決断した思いは何だったのか?

→政権をとると、税収が激減していた。その後、G7、G20でどの国も財政健全化の計画。日本を特別扱いしてもらうのに苦労した。日本にサーチライトが当たった。マーケットがどうみるか。日本の財政がダメだと思われた瞬間にダメになる。確かに公約にはなかったか、その時の時代に応じた判断が必要。自分の総裁選では消費税率引上げを言った。

・財務省に乗せられたと言われているが?

→時の財務次官の直轄内閣と言われたが、いまは財務省が政権に対して後退し過ぎている。それに比べれば・・・。むしろ、国際社会に出てみて抱いた危機感だった。コロナのあとも必ず財政のことになる。ドイツもEUもルールがある。日本には戻るべき日常がない。異次元の金融緩和もそうだ。今は財政出動が必要だが、そのあとをどうするかの心構えが必要。

・昨年の参院選のときの共産党などと結んだ野党5党の「共通政策」では消費増税の中止が言及されていた。考え方が変わったのか?

→「共通政策」と言われると辛い。市民連合がそういう考えをもっていることを理解したという意味。ただ、ポイント還元とかいろんなことをやった消費増税には自分としても反対した。消費増税の王道に戻るべき。

・本来は保守政治家なのに、改憲反対、平和安全法制反対の「共通政策」は違和感があったが・・・?

→安倍さんの改憲はだめだという意味であり、改憲に反対ではない。96条から入った安倍改憲は、わけがわからなくなっているという意味。

・今は何を目指しているのか?

→社会保障と税の一体改革が残念ながら未遂に終わったので、「社会保障・・・」という会派でやっている。コロナでも注目されているのが「かかりつけ医」という考え方。予防医療から終末期まで責任もってやる。医療費の削減にもつながる。構想は2回ぐらい潰れている。既得権益で。

・安倍総理に対する注文は?

→権力者は、その権力を前に謙虚であり抑制的でないといけない。安倍さんの場合は、私物化とみられかねない問題がときおり起こる。定年延長になぜ、検察を入れるのか。犬養法相の指揮権発動の安倍流が見えてしまう。あえて国民からの信を崩すことをしなくてよいのに・・・。

コロナについては、緊急という意味では宣言も経済対策も遅かった。3月末に予算を組み替えておくべきだった。メンツに関係なく。そうすれば、4月からお金が配分できた。ひと月遅かったのは、年度末に予算措置を決めなかったからだ。緊急事態宣言をやっている最中にお金が届くべきだった。

・民主党政権の失敗が二大政党制に対する幻滅を国民に生んだことをどうリカバリーしていくつもりか?

→二大政党が生まれやすい制度にはなっている。問題は自民党に対して受け皿がバラバラで足を引っ張り合っているようにみえる。まずは器を作らないと。行政のチェックに加え、地に足の着いた構想が必要、特にコロナ後は色んなものが変わる。次の構想をどう出すか。まだ政治の間で動きはない。コロナ対策で手一杯。もう少ししたら考えないと。

1960年は安保→池田内閣で所得倍増に一気に変わった。一つのテーマが終わったら次のテーマへ。あれから60年。ちょうど60年周期でテーマが変わる。生活感、生活実態を踏まえた絵を描かないと。

・・・実は、この対談は日本の標準ではかなり右寄り保守の元同志であるY氏を通じて実現した対談です。Y氏は野田さんとは松下政経塾の同窓で、収録後、野田元総理からの質問に対して私が返した答は・・・、「我々はずっと、日本の政治にはもう一つ、本物の保守の軸を創らなければならないという思いで活動してきているが、空回りをしている・・・」野田元総理もこの点では全く同じ思いであることを確認した次第です。

 

●後藤田正純・衆議院議員「スポーツ立国論!これからの日本は”物”からコト・事”へ」(4月14日)

「逆命利君」…命令に逆らっても正しいと思うことを進言するのが本当の忠義だという意味ですが、今の自民党代議士から安倍政権や今の自民党代議士にも聞かせたい言葉が・・・。アベノマスクについても党内で唯一、クレームをつけた?後藤田正純・衆議院議員との対談です。安倍政権のコロナ対応にも結構、辛口なのは石破派だから?ということでもなさそうです。

主たるテーマはスポーツ。経済の柱はモノからコトへ、感動と体験と刺激・・・。早く「コト」を楽しめる日が戻ってほしいもの。

【コロナ対策について】

インテリジェンス、情報の中身とスピードの重要性が再認識された。なぜ台湾が察知できて、日本の外務省が掴めなかったのか。1月は138万人、2月は130万人の日本人が海外に渡航した。なぜ大使館はヒューミントで対応しなかったのか。米欧ともダメだと。補償しても渡航をやめてもらうべきだった。やり過ぎて当たり前ぐらいにしないとダメ。

マスクは説明責任。こういうときはリスクマネージメント。リーダーのリスクコミュニケーションが大事。情報化社会で国民が知らない情報はない。なぜマスクが必要で、どこに優先的に配られていて、布マスクとサージカルマスクとの違いは何か。大事なのは納得と共感。強制できないのだから諄々と説明すべき。

【スポーツ振興論】

いつまでモノづくり大国なのか。加工貿易立国にもなっていない。コモディティはもはや中国。今やモノからコトへの時代、感動とか体験とか刺激とか形のないものを産業化し、マネタイズする。政治家は全く関心ない。米国ではスポーツ産業が自動車産業を上回った。

エンターテインメントと観光とスポーツ。これは海外では進んでおり、担当の省も。日本では観光は国交省の、スポーツは文科省の下。役所も政治家も時代についていっていない。かつてオリンピックを既存施設でやったら2億ドルの収益が残った。80~90年代のこと。そのときから米国はスポーツは儲かる産業と認識。日本はスポーツ全体で20倍の差を米国につけられた。マーケティング、感動の対価を払う仕組みの構築。

日本は施設をたくさん作るが全部赤字。新国立競技場も、なんでわざわざ数千億円もかけて、オリンピック2度目の先進国が?作るなら仮設でつくり、その後、プロ野球チームが使えば黒字経営になる。

いくら忠言しても止まらなかった。戦艦大和の発想。ここには日本の成長戦略の欠如が象徴。今になって、毎年20億円の赤字。乗りでわ~と行く。批判すると国賊と言われる。

コストセンターからプロフィットセンターへと官僚は頭を切り替えるべし。20年やっても変わらないが、トップ次第。ビジョン、ミッション、ストラテジー。しかし、みんなタクティクスから入っている。

【逆命利君】

命に逆らって君を利する、これ忠なり。イエスマンは忠ではない。常に国民の立場に立って意見しなさい。マスクに注文をつけたのは自分だけだった。驚いた。

先代(故・後藤田正晴氏)は、権力は抑制的にと常に言っていた。財務局職員の自殺に対してもきちんとしてほしいし、財務省OBももっと言って欲しい。みんな口をつぐんでいるが、それは残念。

・・・最後は、チャンネルを持っている財務省OBである私への期待になりました。財務省(大蔵省)はもともと、現場のノンキャリアを大切にする組織ですし、「忖度」と言っても果たして・・・?確かに得心の行かない事件でした。まずはコロナ問題を乗り切りたいものです。

 

●上田清司・参議院議員(前埼玉県知事)「危機管理の視点で見る地方と国の役割」(4月1日)

緊急事態宣言に向けて注目が集まったのは危機管理における自治体の役割。ただ、小池百合子都知事は嬉しそうにパフォーマンスしている、都知事選を控え、これだけの選挙活動はない、日本では不可能な「ロックダウン」という言葉まで持ち出して国民の不安をいたずらに煽った罪は大きい…。こんなふうな見方も広がっています。それにひきかえ、同じ知事でも16年も埼玉県知事を続けた上田清司・参議院議員は、国民をよく見ているようです。

日本政府の対策は国民の感性に合わせている面がある。これまでを振り返ると、対策が遅れたと言っても、国民全体の受け止めが違っていた。それ以上に危機管理しようとしても難しい。天皇陛下以外は平等という国民性の中で、政府の強権発動は嫌われる。緩やかな要請であっても、言うことは聞く。いったん自粛となれば、うっかりすると公園の散歩すらしないぐらい、自粛が行き過ぎたりもする国民性。

欧米のロックダウンなどと比べると、日本の緊急事態宣言は遅かったし、措置もゆるい、と批判されていますが、2月末の全国一斉休校措置のときは政府の急な対応が様々に批判をされていました。国民の意識に合わせるしかなかったのも事実かもしれません。

私は埼玉県の医療改革に関する提案で、知事としての上田清司氏には長年、お世話になっていますが、同氏は知事として、「自治体を経営体にする」意識改革で現場の自治体改革にさまざまな成果を挙げてきました。多選は批判されがちですが、16年も知事を続けると、これだけの実績を残せるのも事実。上田前知事の目からウロコの改革物語です。

「最初に県職員に訴えたのは県庁を「優れた経営体とすること」。そして「最大のサービス産業とすることだ。私の意図は、国・地方を問わず、①競争原理が働かない②赤字が苦にならないという2つの構造欠陥を正すことだった。」

成果をみる習慣がない。2年で代わるので、去年の話は知っていても10年前の前のことは知らない。他県のことも知らない。47都道府県での比較などしたこともなかった。

10年のトレンドをみる。それぞれの分野で下から何番目なのか。大事なことに職員が気付いていない。

 この対談で上田前知事が挙げた実績については、「上田県政16年の検証」で個別の分野ごとにみることができます。対談でも、これを手元に説明されていました↓

https://ueda-kiyoshi.com/?p=2559

県の出資法人を全部、「半端でない赤字」から、「半端でない黒字」にした。「赤字を苦にするようにした」。例えば、賭博として禁止されている競輪競馬がなぜ許されているかといえば、稼いで黒字を国のために使うからだ、そう迫ることで黒字になった。要は意識改革。

・・・国政の場に戻ったいま、現場の経営感覚を国の運営に反映させていだたければと思います。

 

●杉田水脈・衆議院議員「”子ども目線”の子育て支援を。家族、女性の社会進出、LGBT支援」(3月22日)

日本の伝統的な国柄は、子育ては保育園ではなく、隠居したおじいちゃんおばあちゃんだと、何かと話題になる杉田水脈衆議院議員はおっしゃっておられます。ただ、私の場合、隠居からはほど遠いですが…。そういえば、二世帯三世帯住宅とかスープのさめない近住への支援を一緒に次世代の党で提言していたことを思い出します。では、杉田議員はなぜ、何かと話題になるのか。

・「真正保守」を追求していた次世代の党から、今度は自民党の代議士になって、どう思うか。どうも、自民党が保守論客たちは言いますが…?

→自民党はいろんな人がいるから政権を維持してきたのかなぁ。あれが「維新平沼派」ではだめだったのか?そうすれば野党の中で存在が大きくなっていたのではないか?と、今は言われている…。

ただ、保守派と言われている人たちは自民党では少数派であっても、その数は増えてきている。日本の尊厳と国益を守る会とか、日本の未来を考える会とか、そこに結構な数の自民党議員が来る。少数派なのは仕方ないが、味方を作っていきます。

結局、党の中で保守の人たちは目立ってしまっている。そこで色々と切り取られたりする。そうでない党の人たちがもっと言ってくれるようになると説得力が出てくる。

中山恭子先生のお言葉、日本はネーションズを「国家」と訳した。家。これが日本人の考え方。男性と女性は根本的に違うのでお互いの役割分担。それが家族のもと。

日本の子育て支援は、子どもを中心の施策になっていない。親支援になっている。もっと子ども目線で。他国は結構そうだ。日本は本当に家族を大事にしているのだろうか。それぞれの国柄に応じた家族政策が必要。

フランスでは保育所に預けているのは20~30%。大勢は「認定保育ママ」。中世の乳母からの伝統。その職業に国家資格を与えている。米国ではベビーシッターで、保育園はあまりない。日本だと保育所になってしまっているが、伝統的な子育てはおじいちゃんおばあちゃん。農耕社会で、子どもが生まれるとお母さんもすぐに野良仕事。御隠居さんが子育て。「女性活躍」と言っても、専業主婦や介護している人たちも輝く女性。その人たちも支援すべきもの。一人で子育てして閉じこもっているお母さんの支援が大事。バウチャー制で、ちょっと外出したいから預かってもらう。

入管法改正で大事なのは、外国人をいかに受け入れるか。入れるなと保守派は言うが、やはり人手が足りない。

日本の国家の尊厳とは。皇室、日本語、神社。この3つがなくなると日本でなくなる。しかし、理解できない日本人が多い。海外の人のほうが理解している場合がある。

皇位継承については、「女系」という言葉がおかしい。女性では系列にならない。系列をつなぐなら男系しかない。女性活躍議連では、旧宮家から子どものときに復活していただく、そういう方々からの養子など、いくつかの案が出ている。

国際世論との戦いとは対中国、対韓国ではなく、日本人が言っている。国内問題だ。国会で質問して、日本政府の公式見解を示してもらうと、一般の日本人にも分かってもらえるようになる。

報道されたように、櫻井よしこをめざして言論人に戻るということは一切考えていない。国会で質疑ができるのが醍醐味。民間ではできなかったこと。

…杉田議員のような保守派が自民党内でがんばってもらっても自民党を真の保守政党に果たしてできるのか、それとも外側から別のアプローチで保守政治を実現するのか。日本の政界の将来を考える上で突き付けられてくる選択肢だと思います。

 

●稲田朋美・自民党幹事長代行(衆議院議員)「2020年日本の進むべき道は?憲法改正、日韓関係、東京オリンピック、日本経済・・・」(1月5日)

衆院解散はいつ?などといった野暮な質問はしませんでしたが、そのときに自民党として有権者に何をアピールするのか…?自民党幹事長代行の稲田朋美・衆議院議員と対談をいたしました。お答えは、政権の総仕上げとしての憲法改正、本当の意味での構造改革、自民党にややもすれば欠けてきた「多様性」…新しい保守。

かつて衆院内閣委員会で私からたくさんの質疑をぶつけるたびに返ってきた、ゆったりとした大臣答弁…稲田朋美先生からは、その頃から何かとご縁をいただいてきました。この対談のあとで、以前からレクを求められていた「松田プラン」について、ごく簡単に稲田先生にご説明。もともとは政府紙幣論者だったようで、とても喜んでおられました。すぐにはご理解いただけないと思いますので、いずれ、私から改めて、きちんとご説明することになっています。

安倍政権7年の評価は?…平成の御世から令和の御世へとスムーズに、令和の響きもよく、国民の評価も高く、7年間を通じて日本の政治経済外交が安定した、世界の安倍政権への評価も高まった、そんな7年だった。12年前の第一次安倍政権時に、国民投票法、防衛庁の省への昇格など、いまの7年につながる素地を1年で作っていた。集団的自衛権の素地も…。第一次安倍政権を改めて評価すべし。

憲法改正には党を挙げて本気で、全議員に集会の指示が党から出ているが、問題は、それが熱の伝播として浸透していかないこと。その場では皆さん、納得しても、こんな良い話を聞いた…までいかない。話を聞いた人だけ納得している。

専守防衛は日本らしい禁欲的な姿勢で良いが、なんでもかんでも専守防衛でできないでは困る。北朝鮮からのミサイル飽和攻撃には、敵基地攻撃で対処するしかないが、それは専守防衛でも許される。違憲ではない。

韓国の面倒なところは、時代時代の世論で国際的な取り決めの解釈が変わってしまうこと。信頼が成り立たない。そこは、原理原則をしっかりさせることで日本の信頼性を高めるべき。慰安婦像の撤去、「性奴隷」に関するでたらめへの反論などは、安倍政権になってからのもの。その上で慰安婦合意もなされた。その約束を破ったのは韓国であり、国際社会でも、おかしい国と思われる契機になった。

経済は、数字は良くなったが、労働生産性も成長率も低い。本当の意味での構造改革は不十分。特に雇用分野。いままでの人生モデルは崩れている。令和2年度予算については、特に国土強靭化。例えば、雇用改革を進めていく上で必要なのはセーフティネットの強化。そこにお金をつけるためにはムダな予算を削る。そのメリハリがこれからは必要。財政再建とは、無駄なものには使わないという意味。しかし、命は守らねばならない。防災減災にお金を使う。これもメリハリ。

 では、よく言われる忖度政治、「臭いものには蓋」的な政権の体質については…?政権が長く安定し、官邸の機能強化が実現すると、そこにモノを言えない雰囲気が出てしまった。その機能が党だった。しっかり物申す良き自民党の伝統を取り戻すべし。一回性も十回生も自民党では発言力は同じ。

…私の日頃の持論の結論部分を確認する場面の多い対談となりました。