松田まなぶ 経済維新 | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

経済維新の基本法案が完成、アベノミクスに代わる「第☆の矢」に。

 このたび、日本維新の会の基本理念を法案という形に仕上げました。「経済社会改革の推進に関する法律案」です。これは、党の国会議員団の中で私が座長を務める「経済維新・規制改革PT」が生み出した維新の経済社会改革の金字塔と誇りたい成果です。6月10日、党政調の三部門合同会議で維新の国会議員に集まっていただき、審議、採決が行われ、その後、今通常国会中での議員提案をめざして党内手続きが進められました。本法案は、日本維新の会が考える経済政策を、維新の基本思想、理念の下に、その大枠を「プログラム法案」としてまとめたものです。今通常国会中でなくても、ときの政治状況を見極めながら、アベノミクスに代わる「プランB」としていつでも提出できるタマとすることを念頭に置いて作業を進めてきたものです。

 今回、分党することが決まりましたが、党こそ分かれても、日本維新の会の国会議員団は同じ釜の飯を食べながら議論を重ねてきた仲間です。理念や政策の方向を共有する私たちが、経済社会改革全般にわたって一つのまとまった政策体系を共に築き上げたのですから、私個人としては、次以降の国会においても、両党が共同提案することが望ましいと考えています。それができれば、おそらく、両党の連携協調関係の絆の一つにもなるでしょう。



 本法案は、昨年6月に私を文責とする形でとりまとめた報告書「異次元の経済へ、維新のとき」(後述)が掲げる理念や考え方を、広く国の政策の基本的方向としてプログラム化し、報告書のコンテンツを忠実に法文化した「基本的施策」を定めたものです。法律としての形を整えるため、これを施策として推進することを国の責務として定め、政府が「経済社会改革推進計画」を策定することや、「経済社会改革推進本部」を内閣に設置することなども盛り込んでいます。
 元になる報告書は「独立自尊の精神で『日本の新しい国づくり』をする経済政策」として、個人や企業などの自立、国家の自立、地方の自立の精神のもと、ネクストジャパン、すなわち、「日本維新の会が実現する次なるニッポン」に向けた「経済維新の三種の神器(Triple Reforms)」の柱を3つ掲げています。それらが本法案の基本理念3本柱になるのですが、それぞれ、次のような法律上の表現に変換されて規定されています。
一、自由と挑戦(競争力強化へ)~ゆるやかな介入主義と選択の自由~自らの夢の実現へ、挑戦者を応援する社会への経済維新⇒「民間の自主的な選択に配慮した施策の推進」
二、新経済パラダイムシフト(強く賢い国へ)~グローバル大革命と情報化社会の新経済パラダイム~世界の潮流に打ち克つ国家への経済維新⇒「生産性の高い経済の実現」
三、次の社会のデザイン(新しい価値の創出へ)~社会システムの組み立てと地域プラットホーム~地域を舞台とする課題解決を新たな成長につなげる経済維新⇒「地域を中心とした社会のシステムの構築」

 このように、法律の言葉にすると、ニュアンスがわかりにくくなるのか、わかりやすくなるのか。例えば、「社会のモビリティーを高める」は、→「社会における人材の移動に伴う手続き及び費用の負担を軽減する」に、「モラルハザードを防止する」は、→「経済活動に参加し、又は参加しようと努める者とその努力を怠る者との間における受益の格差により社会保障制度への依存を招かないようにする」に、「世界に日本の課題解決モデルを売り込む」は、→「我が国が自ら課題の解決に取り組んできた成果である経済社会の基盤の模範的仕組みを海外へ展開する」に…。いかがでしょうか。


                   
 ところで、日本維新の会の分党の背景は、自主憲法制定や集団的自衛権の表現についての理解が異なったことにあり、それは国家観にも関わるものですから重大なことではありますが、こと経済社会改革については同じ思想の集団です。きっといつか、また、一緒に仕事をする日が来る、両グループの議員の間で、最近、よく、こういう挨拶が交わされています。やはり、円満分党です。
 今通常国会での法案提出者は、私を含めた次の6名(他の5名は本PTの幹事)の議員とするよう、私から党に要請しました。
松田学、中丸啓、田沼隆志(石原G衆議院議員)、
木下智彦、足立康史、丸山穂高(橋下G衆議院議員)

 石原グループと橋下グループがちょうど半々の3名ずつです。これが次の展開へとつながることを期待しています。


[本法案策定までの経緯]
 ここに至る道のりは結構、大変でしたが、以下、簡単に経緯を述べますと、まず、昨年の通常国会では、「経済維新R3ミーティーグ」というPTが国会議員団の中に設置され、私が代表幹事を務めて、各界から有識者を呼んでの勉強会を重ねました。R3とは、Research、Reform、Restoration(維新)のことです。主として維新の一期生議員が核となって経済政策の基本的考え方と、規制改革などの具体的施策を議論し、出席議員による質疑応答、討議、及び、各幹事からの提言に基づき、代表幹事である私の考え方と責任において、「異次元の経済へ、維新のとき」と題する政策体系として報告書をとりまとめ、総務会の了解など党内手続きを経て、石原慎太郎代表に提出しました。

 その際の記事は、こちらをご覧ください。
 本報告書「異次元の経済へ、維新のとき」は、私が自らの持論としてきた政策提案も含め、昨年のゴールデンウィークを費やしてまとめたものです。
 その全文(40ページ)は、こちらです。
 また、その抜粋版は、こちらです。

 その後、昨年秋の臨時国会で、本PTは「経済維新・規制改革PT」に衣替えし、引き続き、私が座長を続け、次の3つの活動を行ってきました。
 第一に、本報告書を経済の現場の方々、とくに、できるだけ多くの中小企業の経営者にぶつけ、維新との間で議論交流を行うことで民意を吸い上げ、国会論戦に反映していくことです。同時に、これは維新のアピールにもなります。その試みとして、本年1月、大阪にて関西経済界の方々との意見交換を行いました。
 こちらの「地方からの経済維新、関西経済界と議論交流」をご覧ください。



 第二に、来年春の統一地方選挙に向けて、維新として有権者に訴求させる政策のタマとキャッチを考えていくことです。それはいずれ来たる国政選挙のマニフェストにも反映されるべきもので、やはり国政レベルのことは国会議員団が中心に考えねばなりません。統治機構改革など、維新の持ち味としてきた政策は、一人一人の国民の生活や経済活動、あるいは地域社会などのレベルにおいて、具体的にどのような成果をもたらしてくれるものなのか、昨年の参院選での経験でも、一般有権者にいま一つ、実感がなかったように思います。維新はこういうことを実現する政党なんだ、と思わせる具体的なタマを、目に見える形で提示しなければなりません。
 第三に、こうした作業と並行して、国会審議などの場においても、いずれ行き詰まると予想されるアベノミクスに対する対抗軸となる政策を、野党として「ブランB」の形で提示する必要があります。上記のタマづくりもそうですが、それを個別の政策提案の形でぶつけるだけでなく、維新独自の、次なるニッポン、ネクストジャパンの構想の形で全体の大枠を提示していくことが強く求められます。そのために、「プランB」の理論武装と、国会審議での具体的なタマとしての基本法案の策定とを行うこととしたものです。
 その成果の一つとして、私は、国家主導でやや浮ついているアベノミクスとは異なる論理の、「地に足の着いた改革」となる「地方の成長戦略」国民運動を日本維新の会が全国各地で展開することを提案する理論武装、第一弾をまとめました。これについても、6月10日の三部門合同会議で提示したところです。

 もう一つの成果が、本基本法案です。
 今後、分党後のそれぞれの政党が、本法案に基づきながら、有権者にアピールする政策をまとめていくことを期待しています。