松田まなぶ 原発放射能汚染水漏れ現地視察 | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

 福島第一原発の汚染水漏れが大問題になっています。10月1日、現場を視察してきました。日本維新の会の国会議員20名ほどが参加した視察団です。
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 早朝に自宅を出て東京駅に集合、新幹線で着いた郡山駅からバスに乗ること1時間半でJビレッジ(福島原発事故の対応拠点となっている施設)に到着、WBCと呼ばれる内部被ばく検査を受けて、センターハウスで東電の説明を受けたときはもう昼食の時間帯。そこで荷物を置いて軽装に着替えてバスに乗り込み、40分ほどで福島第一原発に到着そこではシャワーもない場所で寝泊まりしながら多数の職員が原発事故処理に当たっており、その司令センターでご挨拶、40年かかるとされる廃炉の作業をいかに安定的なプロセスに乗せるかが現下の最大の課題との説明。これは気の遠くなるような壮大なプロジェクトです。

 そしていよいよ、我々全員が防護服に着替え、事故のあとが生々しい戦場のような場所、まだ収束していない人類の脅威と立ち向かっている最前線の現場へと向かいました。
松田まなぶ(松田学)のブログ-「これはまだ序の口」
「これはまだ序の口」

松田まなぶ(松田学)のブログ-「指令センター中枢本部で松野
「指令センター中枢本部で松野・国会議員団幹事長が挨拶」

 事前に聞かされていたのは、着用している服装に放射性物質の付着が大きい場合は廃棄する可能性があるので、着替えを持参すること、貴重品は携行しないこと(持って帰れないかもしれない)、皮膚に創傷があると皮膚から体内に放射性物質を取り込む可能性があるので視察できない場合があることなどでした。これはかなりものものしい覚悟の世界だとの印象でしたが、実際には、そこまで心配する必要はなかったようです。
松田まなぶ(松田学)のブログ-「防護服に着替える国会議員たち。」
「防護服に着替える国会議員たち。」

松田まなぶ(松田学)のブログ-「このマスクをつけるというのが大変」
「このマスクをつけるというのが大変」

松田まなぶ(松田学)のブログ-「いよいよ連隊が出発」
「いよいよ連隊が出発」

 パンツ一つになって支給された服を着て、防護服と全面マスクで重武装、最初は息をするのも苦しい感じでしたが、すぐに慣れました。誰が誰だかわからない状態の中で、カタカナで書かれた名札だけが人を見分ける手段。身体の大きい私なら名札がなくても見分けられていたかもしれませんが…。原発の構内ではバスで移動し、1号機から4号機までの原子炉建屋や多数の貯水タンク、様々な施設を観ました。バスを降りたのは、まさに汚染水漏れが最初にみつかった貯水タンクの場所と、港湾の海辺でした。
松田まなぶ(松田学)のブログ-「やはりマツダマナブは
「やはりマツダマナブはほかの人より大きいようです」

松田まなぶ(松田学)のブログ-「バスに乗り込むときには靴のビニール袋を
「バスに乗り込むときには靴のビニール袋を外して廃棄します」

松田まなぶ(松田学)のブログ-「SF映画のシーンのようです」
「SF映画のシーンのようです」

そもそも福島第一原発は、全国の原発と比較しても、大量の地下水が流れてくる場所に立地しています。1~4号機建屋周囲には、山側から一日あたり約800トンの大量の地下水が流れ込み、うち約400トンが建屋内に流入し、溶け落ちた核燃料を冷やした後の高濃度の汚染水と混じり、残りの約400トンが護岸周辺から港湾海域に流出しています。建屋では循環注水で原子炉の冷却が行われていますが、それは汚染水を処理しながら循環させており、そこから一日あたり約400トンが貯蔵タンクに溜められていきます。ですから、構内にはタンクが立ち並んでいます。
松田まなぶ(松田学)のブログ-「構内にはタンクが立ち並ぶ」
「構内にはタンクが立ち並ぶ」

松田まなぶ(松田学)のブログ-「汚染水漏れ現場」
「汚染水漏れ現場」

 汚染水漏れの事故は、このうち、フランジ型、つまり、ルト締め型のタンクからの水の漏えいで起こったようです。そのようなことが起こらないよう、これから、すべてのタンクを溶接型に取り換えていくそうです。
 問題の海水汚染ですが、港湾の海域でも大量の汚染水が放水される場所が2個所あり、それら一画を放射性物質を通さないカーテンのようなものを海中に張ることで封鎖しています。そこから外の海域には、港湾内でも、人体への影響を考える必要のないトリチウム以外は出ていないということです。
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松田まなぶ(松田学)のブログ-「土嚢の向こうは海」
「土嚢の向こうは海」

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松田まなぶ(松田学)のブログ-「湾を望む」
「湾を望む」

松田まなぶ(松田学)のブログ-「湾に降り立つ、
「湾に降り立つ、そぐそこは海、やはりマツダは大きさですぐわかる。」

松田まなぶ(松田学)のブログ-「手前が海の遮水壁、
「手前が海の遮水壁、湾内にみえる線はカーテンで、向こう側は汚染海域。」

 たぶん、こうした状況の計測値をもって、安倍総理は「完全にコントロールされている」と言ったのでしょう。これから陸側と海側での遮水壁の建築など、万全を期すための対策が取られていくことになっています。海域の岸壁すぐそばに徐々に造られている遮水壁の一部を、私たちも目の前で確認しました。
松田まなぶ(松田学)のブログ-「だいぶ壊れている」
「だいぶ壊れている」

松田まなぶ(松田学)のブログ-「建屋が並ぶ」
「建屋が並ぶ」

 防護服を着ての構内現場視察はおよそ1時間あまり、私たちは重要免震棟に戻って、様々な検査や放射線チェックを受け、防護服を脱衣しました。途中、センターハウスで再び東電の説明を受けましたが、基本的には往路と同じコースを延々と戻って、郡山駅に着いたらもう、夜でした。
松田まなぶ(松田学)のブログ-「ようやく防護服を脱いで」
「ようやく防護服を脱いで」

 現場の説明に基づけば、私たちが原発構内での1時間あまりで被ばくした放射線量は、肺のレントゲン検査一回当たりの5分の2東京からニューヨークに飛行機で飛んだときの10分の1胃のバリウム検査一回で受ける量の30分の1ということになります。しかし、なのになぜ、あれだけ完全な防護服装備を強制されたのかを考えると、やはり、なんらかの予想せざる要因で強く被爆するリスクが原発敷地内にあるからでしょう。
松田まなぶ(松田学)のブログ-「がんばる人々への感謝の気持ちは大事」
「がんばる人々への感謝の気持ちは大事」

松田まなぶ(松田学)のブログ-「平時に戻り、最後の説明を受ける。」
「平時に戻り、最後の説明を受ける。

 これはまだ、原発施設そのものが、完全にコントロールされている状況には至っていないことを意味しているのであり、おおもとがそうなのに、汚染水の影響については「完全にコントロール」と一国の総理が断言するのであれば、そこにはよほどの根拠が必要ではないか。技術の素人が断定的なことを言うのは控えなければならないとは思いますが、私自身はそのような印象を受けました。
 では、「完全にコントロール」と言う根拠とは何なのか? 単に、汚染が湾内にとどまっているとの数値的根拠ではなく、原発施設の現状を踏まえたメカニズムの説明でなければならないと思います。この言葉を国際社会に発信したことによって日本はオリンピックの東京招致を勝ち得ましたが、そうであればこそ、政府は、その根拠となるメカニズムを日本国民にまず、きちんと説明すべきではないでしょうか。
 これから始まる臨時国会で、この問題は大きな論戦のテーマになるでしょう。

 ところで、私は初めて、この原発施設構内に入りましたが、この目で現場を見てまず沸き上がった疑問は、「そもそも原発の立地が間違っていたのではないか」ということでした。テレビなどでは分かりませんでしたが、原発の建屋は港湾の岸壁にあまりに近く、海とさほど変わらない高さにあり、ここまで海に近接しているとは想像していませんでした。これでは、大きな津波が来たらイチコロだと、素人でも分かります。原発という言葉で巨大さをイメージしてきたのですが、それと比べると、施設と港湾を含めた全景が箱庭のように感じられたぐらいです。
 恐らく、立地した当時は、港湾から資材を運ぶ利便性や、地下水の豊富さで水も多いといった、コスト面でのメリットが重視されたのでしょう。それらのメリットが、東日本大震災ですべて裏目に出てしまったようです。この点、東北電力が海抜の高い位置に立地した女川原発が無傷だったこととは対照的です。原発事故への対応のまずさで民主党政権は大きな非難を浴び続けましたが、よく考えてみると、こんな所への立地を決めさせたのは自民党政権だったのではないでしょうか。

 この、未だに明確な答が見えない原発の問題にどのようなソリューションを出していくか。2020年の五輪の年に、世界中が注目する答を日本が出せるよう、課題先進国としての英知を結集していかねばならないと思います。