松田まなぶ 衆院財務金融委員会で質問 | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

 衆院財務金融委員会で5月21日、金融担当相としての麻生財務大臣に対し、45分間の質問に立ちました。
 いまの金融行政の相当部分を規定している法律が金融商品取引法です。その改正案の審議でした。私としては、法案の細部ではなく、日本の金融システムや金融行政のあり方の根本の部分について、大所高所からの議論を麻生大臣とさせていただきました。

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 質疑の様子については、こちらから「松田学」を選択して動画をご覧ください。

 金融は資本主義経済の根本をなす重要インフラです。それが実体経済にいかに重大な影響を与えるものか。まずは、97年の消費税率3%から5%への引上げが、その後の大不況の原因などではない、そうではなく、同年11月の大手金融機関の破綻による「信用の喪失」こそが原因であり、それを契機に、その後15年にわたり日本はデフレ経済が続くことになったという論点から、議論を始めました。これは日本の経済政策を考える上で、極めて重要な議論です。
 この点について、多くのエコノミストや専門家が正しい認識に到達していないのは驚くべきことです。資料を用いて論じましたが、出席していた他の委員も理解したのではないかと期待します。
 97年~98年の金融危機の当時は、ちょうど、橋本行革のもとで財政と金融が分離され、金融行政も大きく転換していく時期でした。私は大蔵省の大臣官房文書課の企画官として、一連の行革の動きや、接待汚職の捜査という衝撃的な事態の推移も見つめながら、銀行局・証券局を廃止して今の金融庁の前身である金融監督庁を設立するという仕事に携わっていました。
 そのときに抱いた日本の国家や行政のあり方へのさまざまな思いを、いま、財政と金融を兼務し、財務省のことを「大蔵省」と言い間違えることの多い麻生大臣にぶつけてみました。そして、立場上、明言はできなくても、閣内でも唯一、経済がわかっている大臣として、根底にある思いは私と同じだと確認できました。

 私の質問の内容をまとめたものは、こちらをご覧ください。

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 今回の審議の対象となった金融商品取引法の改正内容は、多岐にわたります。以下、やや専門的ですが、一応、報告いたします。
 整理すれば、第一に、金融市場の公正さを確保するためのインサイダー取引規制の強化や、AIJ問題を踏まえた資産運用規制の見直しなどです。第二に、金融危機への対処、つまり、金融機関の秩序ある処理の枠組みの構築です。リーマンショックのときに米国が経験したのは、日本が経験したような「不良債権型」の金融機関の破綻というよりも、「市場型」の破綻でした。銀行にとどまらず、証券会社や保険会社などに次々と連鎖的に危機が波及していく型の事態にどう対処するか。これはG20といった国際的な議論の場でも話題にされ、各国に対し対処のスキームの構築、強化が求められているものです。
 第三に、これは時代の要請に合わせて金融機能を強化しようとするもので、銀行の資本性資金の供給機能を強化(銀行の株式保有の上限を決める5%ルールを企業再生や地域活性化のために一部緩和するなど)したり、投資法人の資金調達や資本政策手段を多様化して「貯蓄から投資へ」の流れを進めることなどです。

同法案は5月24日に委員会で可決されました。