【ニッポン興国論】第22回 日本は国際社会で新しい形のリーダーシップをとる国になる。 | 松田学オフィシャルブログ Powered by Ameba

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日本を夢の持てる国へという思いで財務省を飛び出しました。国政にも挑戦、様々な政策論や地域再生の活動をしています。21世紀は日本の世紀。大震災を経ていよいよ世界の課題に答を出す新日本秩序の形成を。新しい国はじめに向けて発信をしたいと思います。

【第22回】日本は国際社会で新しい形のリーダーシップをとる国になる。

前回は、世界で最初に人類共通の課題に直面する「課題先進国」となった日本の道は、さまざまな社会的課題の解決を経済のフロンティア開拓につなげる国になることだと述べました。それは日本が起こす「経済成長革命」です。「世界のソリューションセンター、日本」が次の日本の姿であり、そのテーマとして「活力ある超高齢化社会の運営モデルの構築」は、これからの日本の国家目標、日本民族の新たなストーリーになるものです。

前回第21回の記事は、こちら↓をご覧ください。

http://ameblo.jp/matsuda-manabu/entry-11374842801.html

「未来創造力倍増計画」に向けて、日本は21世紀の人類社会が求めるさまざまな価値創出のチャンスに恵まれた国です。

日本が迎えている社会は、日本が最初に新しい課題に直面する社会です。世界の潮流は、日本に先端的な課題解決のチャンスを与えています。

日本は欧米へのキャッチアップを終えただけでなく、世界の先頭に立って、人類が初めて直面する課題に最初に直面する国になりました。「戦後システム」の日本は課題解決の参考となるモデルを他の先進国の事例に求める依存型パターンであっても成長できましたが、いまは誰も答をもっていない状況に突入して逡巡しています。

これを前向きに、素晴らしい状況となったと認識し、「危機をチャンスに」転じるところから、ニッポン興国への道が開かれます。「課題先進国」になったのであれば、日本は自ら世界の「ソウトリーダーシップ」(thinkthought考えること、思考、知で世界をリードする)をとることで、「課題解決先進国」となり、世界から、「なるほど、あれを参考にしよう」と言われるような国になってみてはどうでしょうか。

世界で最初に課題を解決した国は、その分野で国際社会における永続的な優位を得るのが通例です。21世紀は日本にとってチャンスの世紀です。


その最大のテーマである「活力ある超高齢化社会の運営モデル構築」の基本になる考え方が、雇用の拡大(自助)と家族や地域での助け合い(共助)を基本に、高齢者の「自立」を組み立てることです。生活保護に頼らない社会が必要です。働くことで自立する、それが人間の幸せであり、経済政策もその思想を基本とすべきです。

社会保障は「活力あるセーフティーネット」とし、「やさしいけれど、冷たい」社会ではなく、「厳しいかもしれないが、あたたかい」社会をめざすべきです。


増大していく高齢世代が現役世代(直接税と保険料による社会保障負担)や将来世代(赤字国債)に依存せず、「世代としての自立」を達成することも重要な課題になります。

消費増税は、その手段の一つです。資産を持つ高齢者がおカネを使うことで、その一部が消費税を通じて、資産を持たない高齢者に対する社会保障の財源に回る。消費増税は、社会保障の財源を将来世代に依存する度合いを減らすとともに、高齢世代内でのおカネの移転の度合いを高める効果があります。

現役世代や将来世代におんぶに抱っ子であっては、独立自尊の精神に反します。「自立」こそが興国の基本だとすれば、消費税は国力倍増に向けた日本人の生き方を問いかけるものなのかもしれません。目先の金銭的利益よりも大事なものがある。「責任」という領域に生き甲斐を求める国民であってこそ、日本復活が果たされるのではないかと思います。


それはさておき、世界のソリューションセンターになる日本には、国際社会のリーダーとなる道が開かれることになります。

これまでの歴史では、一国がもつ国際社会におけるリーダーシップとは、軍事大国か経済大国であることが裏付けるものでした。「覇権国」という言葉もありました。しかし、日本は軍事的な意味はもちろん、経済的な意味でも、もっぱらハードパワーでリーダーシップをめざすことが無理な国になっています。

そうではなく、日本は、新しいかたちの存在感とリーダーシップを、これからの人類社会に創っていく道を採るしかありません。3つあります。


第一に、「アジェンダ・シェイピング・リーダーシップ」。何が課題なのかということを定義し、示すことです。一般の企業でも、リーダーの役割は課題を提示することだと言われていますが、日本はそれを世界に対して示す国をめざす。

第二に、その課題を解決するモデルをつくる、課題解決の「モデル・ビルディング・リーダーシップ」。日本の地域社会などで、例えば医療や教育、環境の問題であれ、食や農業、まちづくりの分野であれ、こうして課題を解決したという成功モデルを創っていく。

第三に、「コラボレーション・リーダーシップ」。これらの成功モデルをもとに、他国と協調しながら、世界の共通課題の解決に貢献していく。

これら3つのリーダーシップをとる新しい存在を日本は築くべきです。

 

 次回は、こうしたリーダーシップと密接に関連する、「未来創造力倍増計画」のもう一つの柱である「戦略的投資国家、ニッポン」への道について、いま国論を二分するTPPとも関連付けながら論じてみたいと思います。

(第20回以前の掲載分も、このブログでぜひ、ご覧ください)