Q&A4420 ドナー卵子の次回移植で相談 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 2024.5.8「Q&A4021 卵子提供で2回陰性」、2022.5.20「Q&A4033 4021の続き」、2024.7.22「Q&A4096 移植前の大腸ファイバー検査」、2024.8.24「Q&A4129 卵子提供で移植3回陰性」、2024.10.9「Q&A4175 もう一度卵子提供にトライします」、2024.12.1「Q&A4228 2人目のドナーさんで質問」、2024.12.26「Q&A4253 2人目のドナーさんで質問2」、2025.3.17「Q&A4334 ドナー卵子で妊娠するも流産」、2025.5.13「Q&A4373 着床の窓検査について」で、ご相談にのっていただきありがとうございました。いつもご親切に、そして最善のアドバイスをいただき、とてもとても感謝しております。その後のことにつきまして、下記ご相談をお願いしたく、厚かましながらどうぞよろしくお願い申し上げます。

松林先生とリプロダクションクリニック大阪の先生方のアドバイス通り、hCGが下がったのを確認後に、2025年5月24日にBCEと子宮鏡を、6月1日にERPeakを受けました。その結果、慢性子宮内膜炎と子宮内膜ポリープの再発はなし、着床の窓ズレは前回までの変化なしの+1でした。

検査結果をもって、移植周期に入り、リプロダクションクリニック大阪でのERPeakの時の薬剤と同じ内容で、また、胚の成長スピードを考慮(今回の移植胚も、5日目4AAの正常胚)していただき、前回着床した時と同じ+2で移植していただきました。ホルモン値は融解前検査の7月5日(D13)で、E2が259、Pが0.20、内膜が10.8mm、下移植時の内膜は11.3でした。移植前7月6日にピシバニールを実施しました(妊娠できた場合、4週ごとにピシバニール予定)。融解後の胚盤胞はG4AAのままで、G5になっていないのは、成長スピードがゆっくりなのでしょうかと、説明をしてくださった培養師さんに伺ったところ、圧がかかる位置にもよる?ので問題はないとの回答でした。移植直前のモニターに映された胚は説明時に見たより少し飛び出してきていました。

BT8で判定で、陰性判定でした。卵子提供先の先生から、6日目4AAモザイク胚とPGT-Aに出せなかった6日目3CCの胚を、ST法(SEET液はないため、同じ培養液をSEET代わりに入れる方法とのこと)をして、同日に2個の胚を移植と言われたのですが、松林先生は、同日に2個移植か、二段階胚移植のどちらがよいと思われますか。また、+1もしくは+2どちらに移植するのがよいと思われますか。私たち夫婦としましては、松林先生のご意見の方法で先方にお願いしようと考えいまして、松林先生のご見解をご教授いただけますと幸いです。

 

A 2人目ドナーでの過去2回の移植をまとめると、下記のようになります。

①SEET法+4AA(移植時5AA)+2.0で移植、ピシバニール+プレドニン→妊娠判定陽性→9週流産

②ST法+4AA(移植時4AA)+2.0で移植、ピシバニール+プレドニン→妊娠判定陰性

 

移植時の写真を拝見しましたが、①はTE細胞がわずかに脱出している程度であり、②とほぼ変わりません。したがって、唯一の違いはSEET法とST法の部分のみです。そこで、SEET法の原法である二段階胚移植をお勧めします。具体的には、下記になります。

 初期胚のタイミングで3CC移植(P+3)+胚盤胞のタイミングで4AAモザイク胚移植(P+7)

 

なお、このQ&Aは、約2〜3週間前の質問にお答えしております。