Q 2024.12.13「Q&A4240 妊娠9週アドバイスを」、2025.1.1「Q&A4259 4240の続き」で返答をいただいた者です。いつも大変お世話になっております。先生の診察も受けられ、嬉しい限りです。本当にありがとうございました。
リプロのセカンドオピニオンで対策を取り、6回目の移植にして順調に妊娠できましたが、16週0日で後期流産(死産)になってしまいました。たくさんの不安もありながら順調に育っていることを喜んでいましたが、このような結果になり、とても残念でなりません。不育症の対策もしたのに、さらなる母体の原因で赤ちゃんを亡くしてしまったこと、どれだけ妊娠、出産が難しい身体なのかと感じ、この先をどうしたらいいのか思い悩んでいます。幸いにもまだ凍結胚があるため、妊活再開を考えた時のことを先生にご相談したいと思い、メッセージさせていただきました。
〇流産経過、原因
少量の出血あり受診。子宮口3㎝大の開き、胎胞脱出あり、入院。
抗生物質、リトドリンの点滴加療で入院安静したものの、翌日さらに胎胞脱出し、最終的に破水。
入院2日後(破水から12時間後)の診察で、胎児の心拍確認できず点滴終了とし、自然分娩となる。
細菌性膣症の疑いのため、一般細菌培養検査実施。
グラム陽性桿菌3+のみ検出(ラクトバチルス 1+)でした。
胎盤検査で、脱落膜に好中球が増殖、炎症が軽度あったため、原因は感染との診断。
今後の対策としては、妊娠初期での感染症の検査、その後は感染症に気づけたタイミング(おりものが黄色っぽい、においが気になる等)で対処していくことになるというお話でした。
〇自身の状況(現在、サプリ等はすべて中止)
・抗リン脂質抗体陽性(妊娠中の検査でも高値だったため、分娩までのヘパリン、バイアスピリン使用予定)
・ビタミンD欠乏症(5000IU服用指示)
・銅亜鉛検査 亜鉛不足(移植時75㎎服用指示、移植2~3か月前より服用継続し、妊娠9週頃に終了)
・慢性子宮内膜炎 第5段階の抗生物質にて陰性化
・インスリン数値、HOMA-Rなど高かったため、糖質制限実施。1か月後軽快し、現在は通常の食事。
・子宮収縮あり、ダクチル9錠/日服用
・ヘム鉄、葉酸、ラクトフェリン、コエンザイムQ10のサプリを服薬。
移植前後はラクトバチルス膣錠使用、ラクトバチルス菌サプリも並行し移植前後6か月ほど使用。
①死産後の妊活再開時期について
クリニックによって考え方が違うように見受けますが、リプロではどのくらいという目安はありますか。
②慢性子宮内膜炎
流産したので再検査が必要と認識しています。検査のタイミングは流産後の生理1~2回来たら可能と先生のブログで拝見しました。今回もそのタイミングから可能でしょうか。
③抗リン脂質抗体陽性に関して
今回の妊娠時の最終検査日が2024.12.17(妊娠10週2日)です。今回の非妊娠時から妊娠時の数値の推移と、検査からあまり時間が経っていないこと、ほぼすべて高値のため、今後も数値は変らないのかなと思ったのですが、非妊娠時に再検査を受けたほうがいいでしょうか。また、次回妊娠時も妊娠後の検査が必要でしょうか。今回のように前回の妊娠時から時間が経ってない場合、前回の検査結果を踏まえヘパリン、バイアスピリンを分娩まで必要と判断して進めていいのかなと思ったのですが、いかがでしょうか。
④他の数値(ビタミンDや銅亜鉛、インスリン等)なども再度確認した方がいいでしょうか(2024年3月検査実施)。また、他に受けたほうがいいと思われる検査などはありますか(もともと着床の窓検査は受けておりません)。
⑤上記の質問の検査を受けるにあたり、受診再開のタイミングは、生理再開1~2回目がきたら、生理2~3日目で一度受診するのがよろしいでしょうか。
⑥先生より子宮環境にはプロバイオティクスがいいと伺っていたのですが、取り入れる前に流産になりました。今回、ラクトバチルス菌は検査で検出されたので、移植前後に服用していたラクトバチルス菌のサプリと、その後も続けていたら効果があったのかなと思いました。感染で流産したような場合、やはりプロバイオティクスでの対策が望ましいですか。感染は必ずしも繰り返すものではないとは言われましたが、できることは取り入れたいなと思います。予防になるようなものがあれば教えてください。
⑦感染について妊娠中の生活習慣等で気をつけられることはありますか。公衆浴場には行かないというのはもちろんですが。出血や尿漏れのため、おりものシートや尿漏れシートを使っていたのですが、そのせいで不衛生になってしまったのかが、気になっています。ほかに気をつけられることがあったのか、気になります。
⑧振り返ると子宮の張りが初期から時々あったように感じます(張りがどんなものかは、未だによくわかっていないところもあります)。入院前日くらいからも張っていたのかなと思います。子宮のつっぱる感じは動き過ぎたせいかなと思っていました。着床障害の子宮収縮検査でダクチル9錠の診断を受けていますが、この結果は、妊娠後の子宮が張りやすい体質につながるということはありますか。
⑨感染症のフォローについて、おりものの変化で気づいたらと言われたのですが、今回は気づけませんでした。よくわかっておらず、言われたらそうだったのかなという程度です。次回妊娠が成立しても気づけるものかと心配があります。先生のブログでは、Nugent検査を定期的に受けることで対策していくとあります。検査頻度はどのくらいが望ましいと考えられますか。
A
①まず、2016.12.13「☆流死産後、次の妊娠までの理想的な期間は?」の記事をご覧ください。エビデンス重視をするならば、流死産後、次の妊娠までの理想的な期間は下記です。クリニックによって考え方が違うのは「こんなに待てない」という患者さんの意見があるからだと思います。
妊娠14週未満 いつでも可
妊娠14週〜19週 4〜12ヶ月
妊娠20週〜23週 0〜18ヶ月
②慢性子宮内膜炎の検査は、妊娠ホルモンが陰性化し、生理が1~2回来たら実施します。
③④出産後や流死産後に変化することがありますので、前回引っかかっていた項目(抗リン脂質抗体、ビタミンD、銅亜鉛、HOMA-R)は、もう一度検査されることをお勧めします。
⑤妊娠ホルモンが陰性化し、生理が1~2回来たら、月経周期の時期を問わず実施できます。
⑥感染性流産後は、ラクトバチルスの供給源としてプロバイオティクスを、ラクトバチルスの増殖促進のためにプレバイオティクス(ラクトフェリンなど)を、出産まで使うことをお勧めします。
⑦お尻が直接触れる部分の衛生対策をすることですが、完璧にするのは困難です。
⑧きちんとしたデータはありませんが、着床期の子宮収縮と妊娠中の子宮の張りは違うようです。
⑨Nugentスコアは妊娠中に産科で行うもので、通常月1回程度です。
なお、このQ&Aは、約2〜3週間前の質問にお答えしております。