1年間ありがとうございました | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

2024年、1年間ブログを読んでいただき、ありがとうございました。

 

コロナもすっかり終息し、いつもの日常が戻ってきました。

毎週、東京と大阪を往復している私は、新幹線の混雑に辟易しています。

 

いろいろやってみて、保険診療には保険診療の良さが、自費診療には自費診療の良さがあるように思います。保険診療では、若い世代がステップアップに躊躇しなくなったことが大きなメリットです。しかし、本来タイミング法や人工授精で妊娠できたはずの方が、すぐに体外受精を行うのはどうかと思う自分もいます。一方で、保険診療ではどうしてもカバーできない部分があるため、保険診療で上手くいかない方には、自費診療の取り組みが必要であることも感じます。現在のところ、根拠がはっきりしない(とされている)治療は「自費」になりますが、その治療でなければ妊娠できない方がおられるのも事実です。全ての方に満足のいく治療を行うためには、海外の論文に記載された「新しい治療」を導入し、挑戦していくことも必要だと思います。

 

ブログの記事は、主に海外から発信された最新の論文を紹介しています。したがって、現在の日本では実施不可能な検査や治療も数多く含まれています。リプロダクションクリニックでは、大阪と東京の医師がオンラインで定期的に診療会議を開いており、妊娠率を改善するにはどうしたら良いか、どの検査や治療を導入をすべきかを検討しています。その甲斐もあり、今年も多くの方が妊娠され、卒業していかれました。出産報告も続々と届いており、スタッフ一同、心から嬉しく思っております。

 

Q&Aコーナーは回答までに最近は約1〜2週間となっています。また、クリニックの予約も1週間内外で取れますので、現状に満足できていない方はぜひご相談ください。

 

私のブログは、専門的でマニアックな記事であるにもかかわらず、多くの方に読んで頂き、感謝しています。「ブログ毎日読んでます」「やっと先生に会えました」「毎日勉強になります」

たくさんの嬉しい言葉を毎日もらって勇気づけられています。患者さんのみならず、妊娠治療に携わっている大勢の医療者の方にも読んでいただいており、日本の妊娠治療のレベルアップの手助けとなれば嬉しい限りです。医学の発展に終わり(完璧)はありません。論文は毎日発表されています。これからもどんどん情報を更新していきたいと思います。

 

私は今年の3月で61歳、老害と言われないよう、これからも爽やかかつ健康第一で頑張りたいと思います。本年もありがとうございました。