Q&A3975 43歳、AMH 0.2 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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Q 43歳、AMH 0.2


42歳6ヶ月より治療開始
1ヶ月に一度のペースで計5回採卵、体外受精、3回新鮮胚移植
1 初期胚2個同時移植 陰性
2 5日目3AB胚盤胞移植 hCG 4.0
3 6日目6CC胚盤胞移植 hCG 3.6


43歳3ヶ月よりリプロダクションクリニック大阪に転院
4 クロミッド+HMG富士150〜300で刺激、8個採卵、全て体外受精、4個変成卵 3個異常受精、1個未熟卵で凍結不可
5 クロミッド+ゴナール150+low dose hCG 100で刺激、9個採卵、2個変成卵、体外受精&顕微授精にわけ、2個異常受精、凍結胚は3日目6G2、5日目4AB、6日目BL2
6 クロミッド+ゴナール150+low dose hCG 100で刺激、8個採卵、1個変成卵、全て顕微受精、2個異常受精、凍結胚は5日目4AA、5日目4BA、6日目4AC
7 結果の良かった6に倣い、クロミッド+ゴナール150+low dose hCG 100で刺激5日目に、10mm、8mm、14mmx2個ありましたが、E2値35.3→担当医から、E2の値が低く卵胞が育っていないと思われるため採卵周期キャンセル


現在の凍結胚:3日目6G2、5日目4AA、5日目4AB、5日目4BA、6日目4AC 、6日目BL2
前院では1回につき2個程度しか採卵できなかったのですが、リプロに転院して採卵数が増えて嬉しく思っています。年齢的にも移植をあまり先延ばしに出来ないと思っていますが、出産に結びつく卵がなければ意味がないので、今後の治療方針について悩んでいます。

①胚盤胞をあといくつ凍結できるまで採卵を続けるべきでしょうか。
②E2の値が上がらず採卵キャンセルとなったのは初めてです。連続採卵による卵巣の疲労が原因でしょうか。それとも年齢的に採卵が難しくなったと考えるべきでしょうか。今回の周期のお休みを挟めば、また採卵できる可能性はどの程度ありますでしょうか。
③採卵を続ける場合、どんな刺激方法が良いでしょうか。
④最後の採卵周期に慢性子宮内膜炎検査、子宮収縮検査を、採卵周期を終えた次の周期でERPeak検査を受診予定です。採血では、銅亜鉛、耐糖性、不育症検査を受け結果待ちです。それ以外に移植前に検査すべき項目もしくは不要な検査項目はありますでしょうか。
⑤採卵を続けても胚盤胞凍結ができなかった場合、現在凍結できているものをどの様に移植していくのが良いでしょうか。

 

A 

①43歳での染色体異常率は83%ですので、6個に1個正常胚がある計算です(初期胚、胚盤胞を問いません)。現在の凍結胚が6個ですから、この中に1個赤ちゃんになれる胚があるものと考えます。もちろん、貯胚は多ければ多いほど良いですが、何個あれば大丈夫とは言えません。
②連続採卵による可能性も、年齢による可能性も、偶然の可能性もあります。次回採卵できるかどうかで判断します。
③理由は分かりませんが、その方それぞれの特性があるようで、採卵も移植も結果が良かった時の方法を踏襲し、よくなかった方法は避けるのが鉄則です。結果の良かった6をもう一度トライするのが良いと思います。
④記載された検査で全て網羅できていると思います。
⑤移植のプランは、着床の窓の結果によります。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。