Q&A3947 ERBiomeの結果で質問 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 移植周期に入りたかったのですが、生理が来ず本日からプレマリンとノアルデンでリセット中です。移植前の検査セット結果をご説明頂いたのが松林先生ではなかったので質問させて頂きました。

ERBiomeの検査結果でラクトバチルス・生殖に関連する病原菌ともに0%でした。0%ってどういう事なのかと後で気になり、松林先生のブログ内で検索して、2022-01-05「☆子宮内にラクトバシルスはそもそも存在しない!?」を読ませて頂きました。その中に「摘出子宮内のサンプルを検査したところ、子宮内にラクトバシルスはほとんど存在しないことを示しています」とありました。今回リプロでご説明をして頂いた紙には、ラクトフェリン1日3回内服、プロバイオティクス1日1回経膣+内服と書いてありました。

①少しでも良くなる事であれば何でも試してみよう、という気持ちでいますが、今回の結果で0%というのをどう受け止めれば良いでしょうか。
② サプリメントを摂取して生理が来れば、単純に移植に入って良いのでしょうか。
③ サプリメント摂取後、数値が上がったかどうかの検査をもう一度する必要はあるのでしょうか。
④そもそも、ラクトバチルスは必要なのでしょうか。

リプロの先生の指示と松林先生のブログの内容が一致しないので、良くわからなくなっております。現在46歳で移植も限られているので気持ちが焦っています。

 

A 子宮フローラ(微生物、細菌叢)検査の取り扱いについては、現在のところ世界的に一定した基準はありません。検査会社により、検体採取方法(採取器具、採取の際の注意点)、分析方法、結果の解釈が異なるためです。リプロダクションクリニックで採用しているCooper Surgical社のERBiome検査では、乳酸菌が90%以上の乳酸菌優勢「Lacto-Dominant」と(善玉菌も悪玉菌も)細菌叢がみられない「No Microbiome」を正常「胚の着床に適した良好な子宮環境」としています。

①今回ラクトフェリン+プロバイオティクスの提案があったのは、おっしゃる通り、少しでも良くなる事であれば何でも試してみようということからです。しかし、検査会社からのコメントでは正常ですので、何も使わないのもありです。
② その通りです。
③ (正常であるとの判断のため)再検査の必要はありません。
④現在のところ明らかになっていません。論文のみならず国際学会でも議論が続いており、結論は出ていません。