最近読んでよかった本 184 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

最近読んでよかった本を簡単に紹介します。

なお、紹介の順番は五十音順にしています。

 

私のブログでは月2回本の紹介をしています。

何故本を紹介しているかについては、2016.9.29「「最近読んでよかった本」の新たな効能?「ニュートラルな気持ち」へ!」をご覧ください。

 

 

「明日なき暴走」歌野晶午

業界内で地位の低い下請けのテレビマン「長谷見」はTV人気企画「明日なき暴走」を担当していた。長谷見は、子分として面倒をみていた「虎太郎」のグループを利用して、若者たちに無軌道な行動をさせ、事件を捏造していた。一方、落ちこぼれ美容師「川島輪生」は 長谷見らが仕掛けた若者達の暴走ぶりに怒り、衝動的に殺人を繰り返していく。長谷見と虎太郎はスクープを求め、殺人鬼となった輪生を追う。テレビ vs. ツイッターの構図を利用して、テレビマンvs. 殺人鬼を描く。登場人物全てが悪者で胸糞悪い状態で物語が進み、最後のどんでん返しに言葉を失います。

 

 

「カード師」中村文則

占いを信じない占い師の「僕」は、謎の組織のトップ「佐藤」の専属の占い師になる。佐藤は、これまで多くの占い師を雇っていたが、占いが外れるたびに殺してきた。「僕」が扱うカードは、タロットとトランプ。闇ポーカーではディーラーとして活躍する。ある日、依頼者の要望で全財産を賭けるポーカーにプレーヤーとして参加するのだが、、、この部分の描写がリアルで迫力があり、この場面だけでも読んで欲しいと思わせる(p295〜p371)。手に汗握る展開にご期待ください。

 

 

「看守の流儀」城山真一

刑務所内で起きた5つの事件を刑務官の視点から描く作品。ひと癖もふた癖もある受刑者との交流、刑務所内の部署間の対立、刑務官たちの矜持と葛藤がぶつかり合う連作ミステリーです。元歌手「三上順太郎」受刑者と専属の「火石司」刑務官の謎が複雑に絡み合い、最後に謎が解けます。

 

 

「時限」鏑木蓮

枯山水を望む老舗呉服屋の別邸で、若い女性の首吊り死体が見つかった。京都府警五条署の「片岡真子(まこ)」は、遺体の首筋に不可解な扼殺痕があると知り捜査を始める。遺留品と女性の過去から容疑者が絞られていく中、真子は時限(タイムリミット)に挑む。自殺に見せかけた他殺、しかも他人の家でという、珍しいプロットです。過去の事件の時効も絡めたカウントダウンをお楽しみください。

 

 

「秒速5センチメートル」新海誠

東京の小学校に通う「遠野貴樹」と「篠原明里」のもどかしくも淡い初恋。中学生になると明里の親が栃木に転勤したため二人は離れ離れになってしまう。貴樹の親も種子島に転勤することになり、雪降る日に貴樹は栃木の明里にやっとの思いで会いに行く。種子島で「澄田花苗」は貴樹に恋をするが、気持ちを伝えられないまま、貴樹は東京の大学へ進学する。社会人になった貴樹は、職場で出会った「水野理紗」と親密な関係になるが破綻してしまい、仕事も辞めてしまう。小学生の恋をずっと引きずったまま、二人はどうなるのか。映画ができてから、小説が書かれたため、両者には若干異なる部分があります。