Q&A3858 非閉塞性無精子症で第2子治療中 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 夫35歳、妻41歳。非閉塞性無精子症のため、Micro-TESEで得た精子(4本)で顕微授精、現在第二子治療中

 

AMH 2.41(37歳時)→0.51(41歳時)

服用サプリは、ラクトフェリン、カルニチン、ビタミンE、ビタミンD、エレビットです(3回目の採卵までDHEAも服用していましたが、病院で取り扱わなくなったため今は飲んでいません)。

38歳 1回目採卵(アンタゴニスト法)→胚盤胞2個凍結(5日目4AB、6日目4BC)

 5日目4AB移植で妊娠→稽留流産
39歳 2回目採卵(PPOS法)→胚盤胞1個凍結(5日目4AA)

 TRIO検査(ERA/EMMA/ALICECD)後、着床の窓を合わせて(12時間遅い時間)移植し妊娠→切迫流産、妊娠糖尿病を経て自然分娩にて出産(40歳)
41歳 第二子治療開始、38歳時の凍結胚6日目4BC移植→陰性

 移植3回ともに、SEET法、AHAあり。3回目はエンブリオグルーもあり。
3回目採卵(PPOS法レコベル使用)→胚盤胞2個凍結(5日目3BC、6日目4BC)

 子宮鏡検査問題なし。子宮内フローラ検査の結果ラクトバチルス90.6%のため、抗生剤で治療してから移植予定(フラジール、クロマイ膣錠、ダラシン、インバグ膣錠)。iDAスコアの判定から、6日目4BC(7.0)の1個戻しになります。年齢や凍結胚の低いグレードも考えて、私としては2個戻しをして、陰性なら最後の凍結精子を使用して最後の採卵をしたいと考えています。しかし、病院からは様々なリスク、また前回の成功例を辿ることを考えると、2個戻しは勧められないと言われています。

①この状況の場合、1個戻しと2個戻し、どちらが良いのでしょうか(リスクは承知の上です)。
②最後の採卵に向けて、低AMHではありますが、少しでも良い結果に繋がるように何かできることはないでしょうか。

 

A

①最近iDAスコアなど、AI判定による胚選択が行われることがありますが、その真の有用性については明らかではありません。iDAスコアを無視するなら2個移植、考慮するなら1個移植です。しかし、現在通院先の先生の発言からは、iDAスコアをかなり信頼しているように思います。
②採卵の前に実施してきたいのは、卵子の改善策として、DHEAS、テストステロン、21OHビタミンDの採血を行い、不足分を補充することです。

 

なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。